003 ステータス確認等
「ふぅ。落ち着け。きっと何かの間違えだろ。」
鑑定!!
CN: イリア=ローズベルLv1/100 Rank:1
Race:天使族Lv1/30 Job:村人Lv1/30
HP 207/207 MP 190/235 SP 221/221
STR 15 VIT 15
INT 18 RES 20
AGI 18 DEX 18
Skill
英雄賛歌,交神(限定)
光属性魔法,無属性魔法
鑑定
くっ、さっきと何も変わっていないじゃないか。
アリスちゃんのステータスの半分しかないとか、貧弱にもほどがあるだろ。ってか、鑑定ってMP使うんかい。そこは特殊技能ってことにしておいてくれよ。
全くもって禄でもない神だな。
「大丈夫?」
「ん。ああ、大丈夫。というか何が起きたんだ?」
「イリアちゃんがあの剣に触れたら突然倒れたの。」
剣?ああ、あの墓みたいな石の前に突き刺されたぼろっちい剣ね。
生前使っていた剣と同じくらいの大きさの剣だけど、今の身体と、それに剣の状態を見るに使えたものではないな。
あんなのが倒れた原因には思えないし、おそらくタイミングの問題なんだろう。単純に神の野郎が送ったのがたった今だっただけなんだろうな。
「ふーん。ま、あんなの置いておこう。それより、お腹すいてない?」
「え?さっき一緒に食べたばっかりだよ。」
「あー、うん。色々あったから体力使ったんだろう。」
「んー?私の家来る?軽くなら出せると思うよ。」
「おっ、いいのか?ありがとう。」
へへっ、ラッキー。この身体、イリア=ローズベルの記憶が引き継がれていないみたいだし、この子の家もどこか分からないんだよな。
この子がどういう子で、どういう生活をしていたか分からないからボロが出まくるだろうけど、どうにかしないとなぁ。
もはや、アリスちゃんに対しては今更取り繕っても無駄だろうから、そこはよしとする。うん。仕方ないよね。神が悪いから。
で、ここがアリスちゃんの家か。
なんと言うか、不気味としか言えないな。まさしく魔女の家みたいな風貌だ。窓の付近には薬草の束が天日干しされており、薬草の乾かした独特な香りが広がっている。
それに薄暗く、光が入らないことも不気味な雰囲気に拍車をかけている。
「入っても大丈夫だよ。」
「あ、ああ。ありがとう。」
こういうところって本能的な恐怖を感じるよな。
別に本当の魔女が住んでいるわけでもないし、特に何かがあるわけではないのは分かっているのだが、どうにも苦手だ。
まぁ、アリスちゃんと二人っきりなら怖いものなしだけどな。ははは。
「いらっしゃい。」
「どわっ。……お、お邪魔しまーす。」
びっくりした~。まさか家主らしき人物がいるとは。
こっちがもう二人っきりの気分でいたんだぞ?それをしわがれた婆さんが出てくるとは。心臓に悪い。
この人はアリスちゃんのおばあちゃんかな?どれ、鑑定!!
CNミザーLv24/100 Rank:2
Race:色人族Lv29/30 Job:魔術師Lv30/30 魔法使いLv17/50
HP 2365 MP 2564 SP 2305
STR 150 VIT 149
INT 167 RES 168
AGI 163 DEX 177
Skill
杖棒術,火属性魔法,闇属性魔法
魔力操作,魔力探知
詠唱短縮,錬金術,料理,製薬
おお、中々強いのか?当然、俺とアリスちゃんよりは強いけど、英雄の頃の自分と比べると、おそらくそんなに強くないんだろうな。
推定にはなるが、銀級の冒険者になる前に挫折したような感じじゃないか?銀級一歩手前までは行ったけど、それ以上やるには肌が合わなかったとか。そんな感じの。
銀級の冒険者一歩手前とは言ったが、今でも冒険者ギルドは残っているのか?
昔は魔物討伐を主として、商業ギルドや工業ギルドなどの依頼を請け負い雑務をこなすような組織だったが、今ではどうなっていることやら。
「……。」
「え、っと。どうかなさいました。」
「ふん。礼儀のなっていないガキだね。」
「なっ……!!」
まさか、鑑定しているのがばれた?
それとも単純に驚きを表に出してしまったから?
どちらにせよ、心地よいとは言えない視線を向けられているには違いない。ここは穏便に済ますのが吉だろう。
「へへっ、すんませんねぇ。育ちが悪いもので。」
なんてな、穏便に済ますわけないだろうが。そっちがその気なら喧嘩でも何でもしてやるぞ、おらぁ!!
こちとら田舎出身の柄の悪い英雄様だぞ。我慢のがの字もないからな。やんのか?おん?
「礼儀や物事の順序はしっかり守らないとね。大切なものを見落としてしまうよ。」
「大切なものぉ?」
「私も誰かを困らせたいわけではないからね。そうイライラしないでくれよ。」
は?別にイライラしてませんけど?は?
とりあえず、喧嘩を売られたら買うようにしているだけなので。というか、別に喧嘩を売られたわけでもないか。ちょっとふざけただけですやん。
礼儀知らずの田舎もんのやることなんて、気にしんといてや。
「ふん。別にイライラしてないけど?」
「……そうかね。お詫びと言っては何だが、これをあげるよ。」
婆さんから渡されたのは短剣。柄にツタと葉の装飾がされており、鞘も何やら豪華である。お高そうな品をポンと渡す気が知れないが、貰えるものは貰っておこう。
それにしてもこれは剣?いや、これは……剣の形をした杖なのか?剣としての使用を想定しているよりも、何か魔法の媒体にするのを想定しているような微かな違和感。
とはいえ、剣としての性能が皆無というわけでもなさそう。判断に困るものだ。
「聖剣エルメシア。所有者に英知と祝福を与えるとされる聖剣だよ。」
「は?喧嘩売ってます?」
「ふん。少しは物事を冷静に見る眼というのを養うべきだよ。」
「あ、やっぱり喧嘩売ってますよね。」
どうやら喧嘩を売られていたらしい。もっと考えろ、クソガキ。って意味なのだろう。こんのババアが。
神と言い、このババアと言い、見た目が老いてるやつは意地が悪い奴が多いな(※なお、個人の感想です。特定の誰かを中傷する言葉ではありません。)。
「はん。お前さんと喧嘩して何の利益があるのだか。はぁ~。」
「……。」
「これもやろう。種族転化の種。いずれ必要になる時が来るかもしれない。」
……どうやら馬鹿にされているようだが、まぁ、貰えるものは貰っておこう。
種族転化の種なんて言うのは聞いたことがないが、つまり種族を変えることが出来るってことだろう。どんな種族に変化できるのか、それが明示されないから使う時が来るかも分からないが、持っていて損はないだろう。
「ありがとうございます。」
「素直に礼を言うとは、祝福の聖剣を贈った甲斐があるよ。」
やっぱり礼なんてするべきじゃなかったか。くそババア過ぎる。
もう二度とこの家には寄らないことにする。アリスちゃんに誘われても絶対に来ない。村で唯一の道具屋であっても、絶対に来ない。絶対ったら、絶対。




