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プロローグ ~転生したら、いきなり崖っぷち領主代行でした~


月並つきなみねむ、享年二十五。


死因、おそらく過労と不注意による交通事故……ううん、あんまり覚えてないや」


気が付いたら、私はふかふかのベッドの上だった。

目の前には、キラキラした瞳で見つめてくる、メイド服姿の可愛らしい女の子。


え、ここどこ? 私の安アパートじゃないことだけは確か。

というか、自分の手が、なんかちっちゃくてモチモチしてるんですけど!?


混乱する私に、その子は天使のような微笑みでこう告げた。

「アリア様、お目覚めですか? よかったですわ、三日もお眠りになっていたのですよ」


アリア様……?

えっと、私、佐藤じゃなくて月並ねむなんですけど……。


鏡を見せられて、私は本日二度目の衝撃を受けた。

そこに映っていたのは、夜空みたいな色のウェーブヘアに、海の色をした大きな瞳を持つ、どう見ても13歳くらいの美少女。


(え、誰この美少女!? ……って、これが私!?)


状況を整理しよう。

どうやら私、月並ねむは、異世界に転生してしまったらしい。

しかも、アリア・ルミナ・アクアティアという、このアクアティア公国の公女様として。


お父様であるアクアティア公爵レオン様は、私が転生して意識を取り戻す少し前に、謎の病で倒れてしまったらしい。

お母様は、私が物心つく前に亡くなっていて、他に兄弟もいない。


つまり……。


「アリア様、明日から、公爵様が回復されるまで、アリア様に領主代行をお願いいたしますね」

さっきの天使(侍女のセーラちゃん、19歳 () )が、にっこり笑顔で爆弾を投下してきた。


(……はいぃぃぃぃぃぃ!?)


無理無理無理! 絶対無理だから!

中身、ただの平凡な事務員だったんだよ!? 得意なことなんて、データ入力と上司へのお茶出しと、内心での毒舌くらいだよ!?


絶望で目の前が真っ暗になった私。

そんな私を救ってくれた(?)のが、お父様の書斎で見つけた、一つの仮面だった。


顔の上半分を覆う、優美なデザインの仮面。

額には、アクアティアの紋章である「三日月と波頭」が刻まれている。


「これは、父上の……『領主の仮面』……?」


まるで何かに導かれるように、私はその仮面を手に取った。

そして、恐る恐る、顔に着けてみると――。


不思議と、背筋がピンと伸びて、さっきまでの不安がすぅっと引いていくのを感じた。

まるで、もう一人の自分が、内側から湧き出てくるみたいに。


(これなら……これなら、もしかして……)


こうして、元OL月並ねむ改め、新米領主代行アリア・ルミナ・アクアティアの、胃が痛くなること間違いなしの異世界ライフが、幕を開けたのであった。

前途多難ってレベルじゃないけど、やるしかない……よね!?

プロローグ、読んでくれてありがとう! アリア様の仮面生活、いかがでしたか? 「え、このわたし、大丈夫そ?」って思ったそこのアナタ! ……うん、私もそう思う! この先、仮面がズレたりバレたり、ドキドキの展開が待ってる……はず! アリアの奮闘を見守りたいな、と思ったら、そっとブックマークで応援してくれると嬉しいな♪


少女系も頑張って書きます!(達見 理)

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― 新着の感想 ―
Xから来ました〜。 キャラが明確に立っていて共感できるし、ユーモアさもあってとても読みやすいです!プロローグからバランスが取れていて良いと思います。
仮面領主アリア、がんばれ。
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