第18話 武具大会
「セキ・ハズミ様・・・武具店“スライアー”の両手剣になります!」
事務局員から、大会で使用する武器を受け取った。
ついに武具大会当日になったのである。俺は皆や兄さん、そしてルーティーさんと一緒に大会の出場者受付に来ていた。
「当日に帰ってくる」という言葉を信じて待っていたが、彼女――――――ミヤは未だ戻ってきていない。
「それにしても…武具大会専用の闘技会場があるなんて、すごいよね♪」
歩きながらシフトが感激していた。
そして俺の横で、ランサーがボソッと呟く。
「もしかしたらセキ…。お前、ミヤちゃんに会えなくて寂しいんだろ!?」
「べ、別にそういうわけでは…!」
口では否定をしたものの、本当の所は図星だったので正直焦った。
「あの子の事ばっかり考えて、負けたりするんじゃないわよ?」
「頑張れよ、セキ!」
ソエルやセツナ兄さんがそう言ってくれた後、俺は皆と別れ、一人出場者の控え室に向かった。
控え室に入ると、剣士や格闘家。槍闘士など、戦士と名のつく連中がたくさんいる。また、出場者はやはり男が多いため、出場者控え室がかなりむさ苦しい場所と化していた。
お・・・?
控え室のベンチに座った時、一人の男が目に入った。そいつは、髪の色が真紅で右目に眼帯をしていた――――――俺より背の高そうな剣士だ。他の連中は緊張していたり興奮しているのに、そいつが持つエメラルドグリーンの瞳はとても落ち着いていて、無表情で遠くを見ている。
その時、俺は剣士としての勘で「あいつは、結構やり手だな」 と、考えていた。
「エントリーNo245番のセキ・ハズミ様はいらっしゃいますか?」
「はい!!」
係員から呼び出しがかかった。
いよいよ1回戦だとなる。
今はまず、余計な事は考えないでいこう!
そんな想いを胸に抱きながら、俺は表へ向かった。
※
もう始まっているかな・・・?
私は武具大会の会場に到着していた。この闘技会場はお城の敷地を通って行く場所だが、大会当日は国民が入れるように一部開放している。王族が自由に来やすくするためでもあるらしい。
兵士の一部に顔が割れている以上、慎重に行動しなければ…
普段は腰に巻いている上着のフードを、兵士とすれ違う時だけかぶって通った。
「ミヤちゃんは会場に到着したら、後から到着する依頼人を見張っていて!」
「依頼人…ああ、ミスエファジーナの王女様の事ですね」
「そう!…って、相変わらずミヤちゃんは冷静だね」
昨日、セツナさんとしていた会話を思い出していた。
彼曰く、お忍びで今回の件を依頼に来た王女様は、私と瓜二つの女性らしい。違うのは瞳の色だけであると。最も、目が見えない私にとって相手の姿かたちが似ていようと関係ない。
完全な客席だと兵士の目があるので、客席全体が見渡せる廊下の柱の側に向かう。
柱の側で待機し始めてから数分後―――――王族専用の席に、その王女様がやって来て座った。ルーティーさんの読み通り、母親のククラス女王が未だ来ていない。
私の情報とセツナさんやルーティーさんの情報をまとめると、敵の存在に気がついた女王は「病で床に臥している」という事を表向きな理由とし、本当は軟禁されているらしい。兵士が病を理由にして母親に会わせてくれないのを不審に思った王女が、以前から交流のあったルーティーさんの所に依頼してきたと、当の本人が言っていたらしい。
「ランサーとソエルちゃんが、大会で警備が手薄になった城へ向かって女王陛下の救出。シフトとルーティーさんが客席から。そして、君が客席全体を見渡せる廊下側から連中の動きを監視する。…よろしくな!」
そういった指示をセツナさんからもらっていた。
「あ・・・」
出場者の名前がちょうど呼ばれていて、その対戦相手にセキの名前が聴こえてくる。
セキ…試合、頑張ってほしいな…
そう思いながら会場を見つめていた。
※
「それでは、両者前へ!」
審判員の声が聞こえたのを合図に、俺は前に出た。
「名前がキモノ王国の野郎だからどんな奴かと思いきや…ヒョロヒョロのガキじゃねーか!」
目の前にいた挑戦者―――――ルード・ルミナスとかいう野郎が、俺に対して嫌味を言い放つ。
俺自身に関する嫌味は全く気にしていないけど…
自分の祖国・レンフェンを馬鹿にするのは腹立たしかった。
「相手を挑発する作戦を実行するって事は、槍の実力がないって事かな?」
嫌味は飽きるくらい言われたことがあるので、怒りを顔には出さない自信があった。
「・・・ガキがいきがりやがって!」
その台詞とほぼ同時に、開始の合図が審判からされた。
「一発KOで終わらせてやるよっ!!!」
そう叫んだ奴は俺に、立ち向かってきた。
…つば飛ばすなよ…。汚いっての!
相手は槍闘士。リーチが長いという点ではこちらの方が不利だが、上手く懐に飛び込めば場外に吹っ飛ばすのはわけない。上手く攻撃を避けながらその機会をうかがっていた。その一方…
初戦が始まれば彼女の姿が見えると思ったが…なかなか見当たらないな
戦いをしながら客席を見渡していた。しかし、そちらの方に気を取られていた俺はそれを逆手に取られた事に気が付かなかった。
「スキあり!!!」
相手の台詞と同時に、槍の矛先が俺の脇をかすった。
「くっ・・・!!」
かすっただけとはいえ、脇から赤黒い血が滲みだす。
骨まで届いていなそうだが…少しまずいな…!
傷を負った事で苦戦し始める。
一方で客席では―――――――
「セキってば、よそ見ばっかりしているから…!」
「まずいわね…。あれはおそらく、客席を気にしているせいかも」
「…やっぱり、ミヤが来ているか気にしていたんだね…」
シフトとルーティーさんが話していた。
「兵士が不穏な動きをしている気配はなさそうだけど…本当に、武具大会中に事が起きるんですかね?」
「武具大会は奴らにしてみると、強い者を始末する絶好の狩場。…出場者も観客も、優勝者を決める決勝戦だけは必ず見に来るでしょうから、その時が正念場よ!」
ルーティーさんはそう言いながら俺の試合を見ていた。
最初は上手くかわしていたのに、先程入れられた傷もあり、スキができやすくなっていた。
あまり長引かせると、タイムアップになってしまうし・・・長期戦は不利だな・・・
息を切らしながら思った。すると―――――――
「セキーーーーーー!!!!」
俺の名前を呼ぶ声が、観客のいる客席から聞こえてきた。
振り向くと、客席の一番後ろのさらに奥にある廊下から、身を出して叫んでいるミヤがいた。
「ボーッとしちゃ駄目!!集中するのっ!!!余計な事を考えさえしなければ、あなたは勝てるから!!!」
とても必死な表情をしていた。どうやら、彼女は駆け付けて俺の試合を見ていてくれたようだ。
試合開始前に、あれだけ「余計な事は考えない」って誓ったのにな…
ミヤが俺に渇を入れてくれたことで、俺の中で何かがふっ切れた気がした。そして、俺は相手の瞳を見てゆっくりと剣を構えた。
「これで・・・決める!!!」
※
最初はどうなるかと思った…
試合開始直後は周りを変に気にしていたのか、隙だらけのセキだった。しかし、私の言葉が届いたのか…彼は剣の構えを変えて、そしてあっという間に勝利してしまった。
よかった…
私は内心でものすごく安堵した。
この武具大会では”対戦相手を死なせてはいけない”というルールがある。しかし、これは裏を返せば「死ななければどうなってもよい」ということを意味する。
かすり傷を負っていたけど・・・骨折られたりとかしなくてよかった・・・。
途中、すごく興奮していた私は自分の状況をすっかり忘れていた。
「…やはり、仲間に会いに来ていましたか…」
背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
この声・・・!
振り向いた直後、私は背後にいた人物に首を絞められた。
「あの夜以来ですね、お嬢さん」
「・・・・っ!!」
迂闊だった…。
セキに叫んでいた時に身を乗り出し、その上フードで顔を隠すのをすっかり忘れていたのだ。
この声は・・・あのときの!!
声と感じた”気”によって、自分を襲っている相手が、10日前に城の城壁付近で会った兵だと私は悟る。
その兵士によって首を絞められながら、私の身体が宙に浮いていく。
「あれから街中を探させましたが…なかなか見つからなくて苦労しましたよ」
そう言った後、何かが破れるような音が響く。
すると、そいつの手がどんどんでかくなっていくのであった。そう、私やセキ以外の皆が恐れている「敵」とは―――――魔物の集団だったのだ。
私があの夜、2人の兵士と遭遇した際、瞬時に魔物の気を感じ取っていた。その事から、「このミスエファジーナには魔物がかなり多く入り込んでいて、狙いはこの国を乗っ取る事ではないか」と、私は読んだ。
こいつの腕が魔物の腕に戻ると、私の首を絞める力がより一層強くなる。
「・・・かはっ・・・!!」
次第に意識が遠のいていく。
「我々の邪魔はさせない…だから、ここで死んでもらおう!」
もう駄目か・・・
心の中で半ばあきらめかけていた瞬間―――――――
何かにひびが生える音がしたかと思うと、私の首を絞める力がきつくなるのが止まった。
「な…なんだこれは!!」
男は辺りを見回す。
すると、何かの釘付けになったかのように同じ方向を見続ける。
「ギャァァァァァァァァッ!!!!」
そう叫んだかと思うと、血を吐いて倒れてしまった。
鈍い音と共に奴から逃れた私は何が起きたのかさっぱりわからず、その場に座り込んだ。
「ミヤ!!大丈夫か…!!?」
私を呼ぶ声・・・。
気がつくと、目の前にはフィズの姿があった。
「フィズ・・・あなたが助けてくれたの・・・?」
私が息を切らしながら話すと、
「・・・ああ」
そう答えてくれた。
また会えるとは思いもしなかったし、助けてもらえて正直嬉しかった。
「…貴様も、今の瞬間を見たようだな…」
フィズがそう言うと、顔を上げて視線の先にいた人物―――――――セキを見上げていた。
「セキ!!」
会うのが少し久しぶりで、何から話せば良いかわからなかったが、とにかくやっと会えた!!という気分だった。
「ミヤ…久しぶりに会えたのは嬉しいけど…それより、この状態は一体?何で魔物が…兵士に化けていた…?何故ミヤが…襲われ…?」
「セキ・・・」
彼の声で、どれだけ動揺しているのかがよくわかった。
パニックになるのは当然のこと。セキにだけは”この事態”について全く話していなかったのだから―――――――
「・・・じきに真実を知ることになる。だから、今は武具大会の事だけに集中することだな」
フィズがセキに一言だけ述べ、その場を去ろうとしていた。
「ちょって待てよ!!!」
セキがフィズに向かって叫ぶ。
「あんたは一体・・・?」
「ミヤの昔なじみ…それだけだ」
そう言ってフィズは去っていったのである。
その後、私は次の試合を控えるセキのために、出場者控え室に向かっていた。
私は彼に自分が何故10日近くいなくなっていたのか、あの魔物は何だったのか等の全てを打ち明けた。本当は「事が落ち着くまでセキには話すな」とセツナさんに口止めされていたが…あの光景を見てしまった以上、何も知らないというわけにもいかない。次の戦いで余計な事を考えさせないためにも、こうするのが最善の策だと私なりに考えたのだ。
「・・・ごめんなさい、セキ。でも、セツナさんの気持ちはわかってほしいの。自分の弟をこんなことに巻き込みたくなかったらしいわ・・・」
「身近な人を巻き込みたくない」って気持ち・・・何となくわかるから・・・
私はそう思いながら俯き、足元を見つめていた。
「俺は・・・一人だけ仲間はずれだったことに対しては何も思っていない。ただ・・・」
「・・・ただ?」
「ミヤ・・・君をこの手で守れなかった自分がすごい情けないんだ・・・」
「セキ・・・」
“守る”――――――そんな言葉、私が知る限りだと初めて聴いたのかもしれない。
今までの私は「自分の身は自分で守る。他人は一切信用せずに頼らない」と考えて生きてきたので、「自分を守りたい」と思ってくれたのがものすごく嬉しかった。
「ありがとう、セキ。そう言ってくれただけで、すごい嬉しいわ」
「ミヤ・・・」
「次の対戦、頑張ってね!」
私はそう言ってセキを見送った。
一方、城へ向かっていたソエルとランサーは・・・
「ルーティーの読み通り、城の警備が手薄になっているわね・・・」
「それにしても、魔物をたくさん送り込むとは・・・どこかに強力なパトロンでもいやがるんだろうな・・・」
ランサーが考え込みながら言う。
「今はとにかく、ククラス女王を助ける事が先!!・・・その話は黒幕を捕まえてからはかせればいいじゃない!」
「・・・だな。行こうぜ!!」
ソエルの意見に同意したランサーは、止めていた足を再び動かすのであった。
※
あれから2回戦・3回戦と勝ち抜き、次が決勝という所まで進んでいた。
まさか、決勝まで勝ち残れるとは・・・ここまで来れただけでも、十分嬉しい。ミヤの「頑張って!」の言葉が効いたのかな?
「エントリーNo245番のセキ・ハズミ様!表へお願いします!!」
係員からの呼び出しがかかる。
「はい!!」
俺は返事と共に表へ出た。
「ついに、決勝戦を迎える事になりました!!!数々の強豪を打ち破り、この場にたどり着いた勇者達に登場してもらいましょう!!!」
審判員の声がスピーカーごしから聞こえる。
「まずは、エントリーNO.245番!武人の国レンフェンからの勇者、セキ・ハズミ!!!」
その台詞の後、すごい歓声が聞こえてきた。
…公の場で名前を呼ばれるのって結構ドキドキするな…
「対する相手は、国籍・民族は不明!しかし、その瞳で全てを見通す、隻眼の剣士フィズ・マドルド!!!」
俺の決勝戦の相手は―――――あの時、魔物からミヤを助けた男フィズだった。
そして初戦の時、「やり手だな」と感じていたエメラルドグリーンの瞳をした隻眼の男。こいつと戦う事になるとは・・・。
「それでは決勝戦・・・はじめ!!!」
開始の合図と共に俺達2人は走り出した。
剣と剣が重なり合う音が会場内に響く。細い腕をしているくせに、力がものすごく強い。振り切られた俺は、1歩2歩後ろに下がる。
「・・・少しはできそうだな・・・」
低い声でフィズが言った。
「…それより、あんた。ミヤの幼馴染だったんだな」
「…それがどうかしたのか」
「いや、さっきは彼女を助けてくれて・・・ありがとうの言葉も言えなかった」
「…何も訊かないのか…?」
その言葉に一瞬戸惑った。
“魔物がたくさん入り込んでいる”という事実は、依頼人とルーティーさん・セツナ兄さんや仲間たち。俺や皆しか知らないはずなのに、どうしてこの男もそれを知っていたのか。しかし・・・
「…訊かないさ。あんたがどんな手を使って魔物を倒したか気になったが、大事な仲間であるミヤを助けてくれた…それだけで信じるに値すると思ったんだ」
そう言うと、無表情だったフィズ(あいつ)の表情が少し緩んだような気がした。
「うぉぉぉぉぉ~!!!!」
これが“戦士の雄叫び”とでもいうのだろうか。
俺たちは剣と剣をぶつけ合っては離れて、どちらも互角な戦いを繰り広げた。一方、王族関係者の席では―――――――――
「くそっ・・・!何て・・・何て不愉快な音なんだ・・・!!!」
拳を握り締めながら悔しそうな顔でつぶやく男がいた。
今回の事件の首謀者・アーケード将軍だ。そして、そいつが兵士たちに密かに命令を下す。
今まで剣を振るった事は何度もあったけど、その大半は魔物相手だった。人間相手にここまで白熱した戦いをするのは、生まれて初めてだ。しかし、観客のざわつきが少し変わったなと感じて辺りを見回わすと…闘技場を城の兵士が取り囲んでいた。
「民衆よ、よく聞け!!今この場にいる2人は女王陛下のお命を狙っている、不届き者だ!よって、この決勝戦を中止し、こやつらをひっ捕らえる!!」
王族関係者の席からアーケード将軍とかいう中年男性が叫ぶ。
「あの野郎っ・・・!!!」
ミヤが言っていた「決勝戦で奴らが動き出す」とは、この事だったのか・・・!!しかも、自分達で女王陛下を軟禁しておいて、俺らに罪をなすりつける気かよ!!!
兵士達が少しずつ近づき、俺とフィズを拘束しようとする。
くそ!無駄に抵抗すると、本当に暗殺犯だと認めてしまうことになってしまう・・・!!
悔しかった俺は、己の拳を強く握りしめる。
四方を取り囲んでいた兵士たちは俺達の元へ徐々に近づき、拘束するための縄を持ち出していた。
「お待ちなさい!!」
どこからともなく、女性の声が聞こえた。会場が一瞬で静まる。
声の主が誰かと、聞こえた方へ向いてみると―――――――ソエルやランサーと一緒にククラス女王陛下がいた。
「女王陛下!・・・ご無事でしたか!!」
「白々しいですわよ、アーケード将軍」
奴の台詞を陛下が一喝した。
すると、俺達や民衆の方へ向いて話し出す。
「皆さん、この2人は暗殺者でも反乱を企てている不埒者でもありません!むしろ、反逆者といえるのは・・・そこにいるアーケード将軍です!!!」
「な、何を言って・・・」
奴は思いっきり動揺していた。
陛下の言葉を聞いた観客がざわめき始める。
「私は、将軍が魔族と通じこの国の兵士を魔物と入れ替えている事を偶然知りました。それに気づいたこの男は・・・原因を“病に臥せた”と見せかけて、私を軟禁していたのです!!」
そうか!それで、ソエルとランサーが女王陛下を助けに行っていたんだ…
あの2人が陛下と一緒にいた理由がようやく理解できた。すると、陛下の隣でランサーが口を開く。
「悪いけど、将軍!あんたがとある地で魔物に兵士を殺させ、その魔物を兵士に化けさせる瞬間を見たっていう目撃者もいる!!だから、もう言い逃れはできないぜ・・・?」
奴を挑発するような言い方で話す。本当か否かはわからないが・・・。
「許さん・・・」
ポツリと声らしきものが聞こえた。
「許さん・・・絶対に許さんぞぉぉぉ!!この国は・・・この世界は、わたしが支配するんだぁぁぁっ!!」
アーケード将軍がそう叫んだと思うと・・・手に持っていた水晶のようなモノを天に掲げた。
突然、雷が落ちたような音がした。それが俺のいたすぐ目の前だったので、必死になって避ける。煙が晴れてくると―――――――そこにはこの闘技場を埋め尽くすくらいはある巨大な魔物がいた。
「ふははははは!!こうなったら、この会場に集まった戦士共をまとめて始末してくれるわ!!!」
その蜘蛛みたいな形をした魔物は、腕(足?)を振り上げ客席に向かって振り落とす。
「キャァァァァァァッ!!!」
悲鳴と共に、パニックとなった観客が一斉に逃げ出す。
「ソエルとランサーは、観客の避難誘導!!!だから、セキ・シフト・セツナ・ミヤちゃん!その魔物は任せたわよっ!!」
客席から前に乗り出してきたルーティーさんが、俺達に向かって叫ぶ。
「ちょ…!俺まで避難誘導!!?」
「今日、この会場では魔法が使えなくなる結界が張ってあるの!!!私がそれを解除するように頼んでくるから・・・陛下を避難させたら戻ってきなさい!!!」
「了解♪」
ルーティーさんの指示に同意したにか、ウィンクしたランサーはソエルと一緒に観客の方へ走り出す。
いかがでしたか?
次回は魔物との戦いから始まるのですが、実は物語で結構重要な部分が次にあったりします。
それの全容がわかるのはまだまだ先ですが、是非読んでください!
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