プロローグ
この物語は、フィクションです。
また、この作品は主な登場人物である5人の若者それぞれの視点で物語を進めていきます。
誰がどこの語りをしているかは、後ほど掲載致しますので、よろしくお願いします。
「ついに・・・・!!」
薄暗い研究所の中にある一室で、一人の科学者が声を張り上げる。
その言葉を聞いた他の科学者達が、その銀髪の科学者の下へ集う。
「ついに・・・ついに完成させたんですね!!私達・・・!!!」
「・・・ああ」
その視線の先には、紅い色の石が置かれている。
「ミカジ博士・・・。この偉大な発明品をどのように呼ぶとしますか?」
その台詞の後、この博士や周りの人間達も黙る。
「・・・・じゃあ・・・」
ミカジ博士の重たい口が開く。
「僕らの一族にちなんで、この石をこれからはこう呼ぼうと思う・・・!!」
「・・・それは・・・一体・・・?」
彼の助手や他の研究者達は目を丸くしながら本人を見る。
「この石を・・・”マカボルン”と名づけよう・・・!!」
その台詞の後、科学者達は大いに盛り上がる。
彼らが今交わしていた会話――――――この会話が、本当にあった事実なのかはわからない。
だが、俺達が産まれる2000年以上前、レッドマカボルン族がこの”マカボルン”を創ったのは、まぎれもない事実だ。
そして、この会話から数千年後・・・俺達の物語が始まる――――――――
この度は「紅の鳳凰」をご覧いただき、誠にありがとうございます。
プロローグだけではどんな内容なのか全く掴めないかもしれませんが、このシーンが間違いなく”全ての始まり”ともいえる大事な場面です。
今後とも、ご一読をよろしくお願いいたします。