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00 フィナーレの幕開け

※この小説はフィクションです。実在の人物、団体、名称、ゲーム、魚類等には一切関係ありません。


「カレッタ・ラミレージ。本日をもって、君との婚約は正式に破棄する!」


 王子殿下が高らかに宣言する声が、学年末夜会の会場全体に響いた。


「ラミレージ公爵家は、他家とも結託して王政への謀反を企てた。さらに君自身、ここに居る令嬢に数々の嫌がらせを繰り返し、果ては俺の目の前で、直接手を下し害そうとした。俺の新しき婚約者となる彼女をだ」


 会場にあふれる学生たちは、事の成り行きを固唾を飲んで見守っている。


「これまで謹慎としていたが、正式な処分が決まった。ラミレージ家は反逆の罪で捕縛ののち極刑に処す。だが寮住まいの無力な学生だった君には温情が出た。学園から退学、貴族の身分を返上し、君は生涯を辺境の神殿に仕えて過ごすよう命じる。世俗社会からの……追放だ」


 決然と告げた殿下は、そこで初めて渋い表情を浮かべた。


「しかし……俺が長い間、君の本性を見抜けず誤解し続けていたことも確かだ。君は誰が相手でも直接対話することを重んじていたな。俺もそこは学ばせてもらった。そこで、今この瞬間だけ、君の自由な発言を許す。最後に言っておきたいことを、今ここではっきり言うといい」


 わたくしは、最大限の敬意をこめて、殿下に礼をした。


「ご厚情、痛み入りますわ。それではお言葉に甘えまして」


 顔を上げる。

 姿勢を正す。

 右手を改造ドレスの腰のスリットに。


 しっかりと掴んでそれを……愛用の『ハンマー』をドレスから引きずり出す。

 それを真っ直ぐ前へ掲げ、驚愕する殿下のその隣、彼女にひたりと視線を定めた。


「決着を付けましょう。さぁ、『ラスボス戦』のお時間ですわよ」




 ――これは、わたくしたちがこの世界で『幸せ』を掴むまでの物語。




悪役令嬢ものが好きなので、お約束を押さえつつ好きなものを詰め込んで書いてみました。

初投稿のため拙いところが多々あるかと思いますが、楽しんでいただけましたら嬉しいです。

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