天使の梯子に 作者: 薄雪草 ある二月の冬の日 北風が吹く空の下に 丘の上から見ていると 雲の間からそっと静かに 白い光が降りてきたのでした それは次第に輝きを増していき 陽光のカーテンみたいになりました 天使の梯子というらしいのです 白い羽の天使たちが 微笑んでいるのが見えました それならば…… 天使さん、そこにいますか ほんの少しの間でいいから 心を預かっていてくれませんか 地上は今、とても寒いから このままでは凍ってしまいそうです 冬が去り、春になり 厳しい寒さがもういいよと終わりを告げて 再び明るい陽射しが感じられるという その日が来るまで それまで預けていてもいいですか 今、風に乗せて 送りました……