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旦那ちゃんと嫁ちゃん

旦那ちゃんと嫁ちゃんのエピソード1.1

作者: 山本大介
掲載日:2021/12/01

 はじまりは切ない。


 楽しかった結婚式と旅行も終わり、福岡空港へ着き、旦那ちゃんと嫁ちゃんは彼の実家に一泊する。

 2人らしい結婚式の思い出を肴に、旦那ちゃんと嫁ちゃんは両親とともに話に花を咲かせる。

 その夜、眠れない旦那ちゃんは、ぼんやりと半身を起こす。

(住み慣れた家・・・明日からは・・・いやいや、近いから親とはいつでも会えるだろ・・・まったく)

 ふと、感傷的な気持ちが込み上げてくる。

 嫁ちゃんは静かに寝息をたてている。

(新しい生活・・・嫁ちゃんとともに・・・か)

 旦那ちゃんはくすりと笑い、布団にくるまって、強引に目を閉じた。


 40過ぎての新生活。

 なんだか、むずがゆくもあり、ちょっぴり寂しい。


(幾度かお邪魔した嫁ちゃんのマンション、今日からここが我が家になるんだ・・・マスオさんか・・・俺)

 ふと、旦那ちゃんは思った。

(一般的なお嫁さんって、こんな感情を抱くのかな?だとしたら、貴重な体験・・・か)

 ともに生きていく喜び、でもそんな、自虐的な感情も込み上げてくる。

「ただいま」

 嫁ちゃんが言った。

「・・・ただいま」

 旦那ちゃんも続いて言った。

 今日から、ここで生きていく。

 分かっていたけど、いざ現実となると不思議な気持ちになる。

 少しだけ目の周りが熱くなり、鼻がむず痒くなった。

 

 引っ越しや手続きなど慌ただしく日々が進んでいく。

 市役所に転入届を出した日、旦那ちゃんは、そっかそうなんだと思った。

 現実が実感となる。

 でもそれは瞬間、感傷的になる暇もなく忙しい毎日を2人は過ごした。


 ある日の旦那ちゃんの休日、嫁ちゃんはその日は仕事だった。

 誰もいない部屋は寂しい。

 大きく伸びをする。

 さてと何するかな。

 きょろきょろと部屋を見渡す。

 慣れない部屋の景色。

 ここが旦那ちゃんの家。

 パチンと自分の両頬を叩く。

「さてと」

 洗濯をし、寒空に洗濯物を干す。

 部屋でコーヒーを飲む。

「さあてと」

 膝を叩いて旦那ちゃんは立ちあがる。

「パチンコでも行くか」

 旦那ちゃんは歩きだす。


 こうして今がある。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「爆発しろ!」のテンプレを忘れて仕舞う程の、おセンチ中年ダンスィーっぷり♪ …………そして、台無し感満点のヲチぃーっ!wwwwww
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