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3


部屋から出たあと飛び出すように屋敷を出た悠希はひたすら走った。悠希は月華が持ってきたボールを見て自分が悪天候の外に出た理由と自分の身に何が起きたのかを思い出したのだ。悠希の身に起きたことそれは…






カッパを着た上で懐中電灯を片手に悪天候の中を悠希は子供たちがよく遊び、家の近くにある広場に来ていてボールがないかと探していた。運が良ければ飛ばされることなくまだこの広場にあると悠希は考えたからだ。


「……やっぱり飛ばされちゃってるか」


運悪く飛ばされてしまったのか悠希がいくら広場の中を探してもボールが見つかることはなく、悠希は残念そうな表情をしつつこの後どうするかを悪天候の中、棒立ちしながら考え始めた。


「っ…!」


どんな時、巻き起こる突風。悠希はその突風を受けて立っていることができずに尻餅をついてしまう。


「凄い風だな…」


悠希は立ち上がり、突風が吹いた方向へと目を向けた。


「…ってあれ?風があっちにばっかり流れて」


悠希は風が突風の吹いた方向にだけ流れていることに気がつき、その方向をじっと見つめながら呟いた。


「……もしかして」


悠希は何かを思い付いたのか風が吹く方向へと駆け出した。同じ方向にしか風が吹いていないのならこの風が向かう方向にボールは飛ばされたのだと悠希は考えたからだ。


「あ、あった…」


走りながらもボールがないか注意しながら前へ前へと突き進んでいった結果、悠希は一本の樹の枝にボールが引っ掛かっているのを見つけ、立ち止まった。ボールはバレーボールよりも少し小さく黄色だった。


「少し高いな…でもあの子にとって大切なものだから此処で諦めるわけにはいかない」


先程よりも強い風が吹き、たっているのもやっとな状況な上に少し高い位置に引っ掛かっているボール。そのボールを取ろうと悠希は背伸びをして手を伸ばす。すると悠希の指先がボールに触れ、ボールは樹の枝を離れるように落ちてこようとするが風に煽られて飛んでいってしまう。


「っ…待て!」


それを見た悠希は慌てボールを追うように駆け出した。だが風の勢いは凄く軽いボールはまるで吸い込まれるように飛んでいってしまい、例え悠希がボールと同じ条件下に置かれていて悠希が駆け出していてもボールに追い付くこと出来ずにいた。


「…光…?やった!あれなら」


そんな時、悠希とボールが向かう先に一筋の光があることに気がついた悠希は何処か表情を緩ませた。悪天候のせいで前の状況がよくわからず断定はできないがこの光は建物から漏れる光と推測し、その建物にボールが当たれば簡単にボールを確保できると悠希は思ったからだ。


「なんだよ…あれ…」


だがそんな思いも虚しく悠希は視界に入ったものを見て大きく目を見開いた。遠くからだと分からなかったが建物から漏れている光だと思っていた光はそうではなく、小さな光の玉を中心としたブラックホールだったのだ。悠希はブラックホールを見て驚きのあまり立ち止まりそうになったがこのままではボールが吸い込まれてしまうと思って更に足を動かした。


「っ…」


悠希の頑張りも虚しく悠希がボールを捕らえる寸前のところでボールはブラックホールへと飲み込まれていき、悠希自身もボールの後を追うような形でブラックホールへと飲み込まれた。


「うわぁぁぁ!」


飲み込まれた悠希が出てきた場所は不運にも崖の上で悠希は転がり落ちるように崖から落ち、所々に傷を作って頭を強打し気を失ってしまったのだった。

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