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アトリ  作者: 忘憶却
記者の覚え書き
3/4

狂人の行方③

 あいつに戦う理由を聞くと

 命のやりとりは楽しく、

 人を殺すことは実感できるのだと。


 ここ数日、

 戦場の小さな安全地帯を伝えられ、

 そこから奴の戦い振りを見ていた。


 十数人の部隊を相手に、

 単身突っ込んで行く。

 相手には魔術使いが数人いた。

 雷火が襲う。

 すると、あいつが懐から紙を取り出し

 それを開いた。

 

 あれは、紙に魔術を封印した、

 使い切りの魔道具だ。


 紙は塵と化し、消えていくのと同時に、

 魔術は跳ね返る。

 そうして相手の魔術師が相殺する

 僅かな間に、もう一枚開く。

 一人で膨大な量の魔術を開く。

 それを対処するのに必死である。

 相手部隊と距離が近くなり、

 次の紙を開こうとした瞬間、

 あたり一面が暗くなる。

 あいつは、即座に明かりを放つ。


 視界が晴れるとすでに取り囲まれていた。

 あいつから円を描くように近くから大凡、

 盾持ち、両手武器、銃、魔術使いと

 囲んでいる。


 どう見ても、無理だろう。

 絶対に殺される。

 そう思っていた。


 斧や大剣が襲いに、踏み込む。

 と、そいつらの足元が弾け吹っ飛んだ。

 地雷、あの暗闇の時か。

 にしても、踏み込んだ全員が跳ぶとか、

 仕掛けるのが早すぎる。


 突然の爆音による、部隊の一瞬の硬直。

 奴は、それを見逃さず、

 左手でナイフを投げ込み、

 魔術師を仕留めつつ、

 右手で背中の長物を抜き、

 目の前の盾持ちと大剣たちを切り裂く。


 部隊の半分が消え、機能しなくなれば

 あとはおしまい。


 そんな戦いっぷりを私に見せて来た。

 終始不気味な笑みを浮かべながら。


 やっぱり狂ってやがる。


 

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