ランク戦
自己紹介みたいなのはなかったけれども、レリアと話してたら女子だってみんなにわかっていただけたようで、何よりです。
「さて、新入生諸君。」
いつの間にか入ってきたランドレ先生が声をあげる。
「まずは、改めてお疲れ様。いやー今年は優秀な生徒が入ったようで何より。特に浅葱。200ptなんて初めてだぞ。よかったなー。」
なぜだろうか。
あまり褒められている気がしないのは。
「そんじゃあ、ランク戦といきますかー。」
先生の言葉にみんなポカーン。
唐突になんの脈絡もなくそんなこと言われたらそらそうなるよな。
かく言う私もその一人なんですけれども。
ーガラッ
「おい、ランドレ。ランク戦の説明は終わった…か…?」
教室に入ってきた見知らぬ先生は教室の異様な空気に顔を険しくした。
「おい、お前ちゃんと説明したんだろうな?」
「したよ。」
おいおい。あれのどこが説明だ。
説明のせの字もなかったぞ。
「…おい、浅葱。」
「はい、なんでしょう?」
「1位だったお前に聞く。こいつはちゃんと説明したか?」
指をランドレ先生に突きつけながら、その人は聞いた。
「いえ、全く何も。唐突にランク戦といきますかーと言われたもので、何が何だか。」
ースパァン!!!
私が答えた瞬間、その人はランドレ先生の頭をぶっ叩いた。
「分かるか!」
「え、これ以上にない程簡潔且つ分かりやすい説明じゃない?」
この担任本当に教師か?
「…もういい、俺が言う。」
そういうと、その人は説明を始めた。
「皆さん、初めまして。俺はグエン・ドラハール。この学院の教師の一人だ。お前らの担任がアホですまん。
改めて、ランク戦というものについて説明をさせてもらう。まず、ソウレイには独自の制度がある。それがランクだ。
ランクは一番下がD、一番上がSとなっている。ソウレイの生徒は全員がD〜Sのランクを持っている。そのランクを決めるものがランク戦だ。新入生試験が終わったばかりで慌ただしいが、今からそのランク戦を行う。今回のランク戦は最初のランクを決めるためのもののため、新入生だけだ。もし、結果が芳しくなくとも、これから先ランクを上げる機会は多くある。あまり気落ちしないでほしい。」
なるほど。
本当のわかりやすい説明ってこれだよね。
「さて、ランク戦だが、ボーダーラインみたいな明確な数字は存在しない。」
その言葉にみんながざわつく。
え、つまり、この数値を超えたらこの人はランクCです、みたいなのがないってこと?
どうやってランク決めてるの…。
「新入生試験と同じく、この学院の全教師がランク戦を中継で見ている。それを見ながら誰がどのランクに相応しいか決める。pt集めみたくやったら、実力が相応しくないやつが上にいき、逆に相応しいやつが下にいく、なんてこともあるからな。数字ほど頼れるものはないだろうが、逆に一番信用できないものだ。」
なるほど。その人が新入生でどれだけ点をとって上位に名を残しても、上のランクになるわけじゃないってことか。
ちゃんと自分達の目で確かめて決めてるのか。
「さて、ランク戦だが、お前達にはとあるクエストをやってもらう。」
クエスト、と聞いてさらにざわつく。
それもそうだ、クエストなんて新入生にやらせることじゃない。
「そうざわつくな。このクエストは依頼者が桜禅翁だ。つまり、ランク戦用クエストだから、そう心配しなくていい。ただ、何があるかは俺も知らん。」
最後に爆弾を落としていくな。
安心させてくれ。
「お前達をとある森に転送する。ついたらアーカイブを起動しろ。クエストが表示されるだろう。それをクリアしろ。それがランク戦だ。」
そういうと、足元に転送陣が現れる。
一息つく暇もないのかい。
「じゃ、かんばれよ。」
その一言を最後に、景色が変わった。




