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*** 405 精神障碍治療体制、大幅に拡充 ***

 


 この地球模範村には全世界からの視察団も殺到し、その後はスラさんを通じて世界中の国から神界に『特別模範村』設置願いが寄せられた。


 なにしろ、この模範村建設は全て神界の手で行われ、家具も家電も自動車も買ってくれる上に鉄道網も神界が造ってくれるのである。

 灌漑用ダムや揚水式発電所まで用意してくれるのだ。

 政府資金をほとんど必要としない最高の公共事業だったのである。


 しかもこの模範村は結界に覆われているために、如何に自然条件の厳しい地でも農業が行えた。

 まあゴビ砂漠よりも過酷な地はそうは無いだろう。


(因みにドドイツから日本に来る航空機はこのゴビ砂漠の上空を通ることが多い。

 高度1万メートルからでも砂しか見えないために、遠近感が狂ってすぐ傍にあるように見える砂漠の景色が延々数時間も続くのである)




 この模範村設置願いに対するアスラさまの回答は、


『入植者は難民に限ること』


『最低でも3000万人以上の難民・移住者受け入れ』


『3年以内の難民・移住者の当該国国籍の取得』


『模範村の税率上限20%』


 などを条件に認めるというものだったのである。



 多くの国がこの条件を聞いて衝撃を受けた。


 そんなことをしたら、選挙を通じて自国の大統領や首相が元難民になってしまうではないか!


 そう、この条件は民主主義選挙を行っている国では到底呑めるものではなかったのである。

 またしても、世界の民が金科玉条のように信じていた『民主主義』の不備が露呈してしまったのであった。



(余談:昔ある女子高で国語の入試問題に『次の四字熟語の四角に入る漢字を書け』という設問が出た。

 そうして、問題には『□科□条』と書いてあったのである。(←本当!)

 受験者のJCたちは、解答欄に『金』『玉』と書かされたのであった……)




 アフリカで圧政を敷いていた某大統領がこのアスラさまの条件を承諾し、当初は隣国からの難民20万人を、その後も難民受け入れを増やす計画を提示してスラさんに模範村設置を求めた。

 この要請に対して大地は2か所ほど模範村を造ってやったのだが、入植者は難民ではなく全て独裁大統領の出身部族の自国民だったのである。



 大地はシスくんらに指示してこの大統領を神界刑務所に終身刑囚として収監した。

 彼は大統領在任30年で初めて自分の命令が否定されたことに激怒し、あのアスラとかいう若造を反逆罪で死刑にしろと喚き散らしながら暮らしているそうである。


 もちろん後継者を巡ってすぐに内戦が勃発したが、首謀者たちは『幻覚の魔道具』を発動させた上で忽然と消え失せ、全員が神界刑務所に収監されていた。


 その後も詐欺申請は続き、アフリカ大陸全域でE階梯0.1以下の圧政独裁者たちが10人ほどと、その後継者候補たちが300人ほど行方不明になったが、一部の者が数年の刑期を終えて出所したときにはすぐに全員が逮捕されて失脚したそうだ。


 こうして地球の特別模範村は詐欺国家ホイホイにもなったのである。




「なあシス、中華帝国の難民受け入れに結構カネを遣ったけどさ、それでもまだとんでもなく余ってるんだよ。

 それで予定通りダンジョンでの疾病治療費用を値下げしようと思うんだが、そうするとますます来場者が増えるだろう。

 だからダンジョン治療施設の拡充と、案内人のための居住施設を造っておいてくれるか」


(畏まりました)



 タイ王国国軍の全面的な協力により、地球ダンジョンの受け入れ態勢は既にかなり整っていた。

 なにしろ30万人の軍人たちが週3日案内人として働いてくれるのであり、1日平均稼働人数は12万人を超えるのである。

 彼らが日に10人の世話をすれば、120万人の受け入れが可能になる。


 大地はタイ首相の了解を得て、300万人/日の受け入れ態勢に拡大するべく全世界から案内人20万人を募集することにした。

 採用条件は、もちろん人種国籍を問わず、65歳未満の成人であるということだけである。

 食事と住空間はダンジョン内で提供され、週休2日、日に8時間労働で給与は月に3000ドルであり、また採用者にはすべて『言語理解』の恩寵も与えられた。


 ただし、E階梯2.0以上という条件もついている。


 採用面接はすべてNY国連近傍の円盤施設で行われ、面接官はもちろんスクリーン上のテミスちゃんであった。




「ジョージジ・スミスミさん、残念ながらあなたはE階梯が足りないために採用は出来ません」


「なんだとこの野郎っ!

 ぶっ殺されたくなければ俺を採用しろっ!」


「そうやって自分の意に沿わないことがあるとすぐに激高されるためにE階梯が低いのですよ。

 その性格を治さない限りダンジョンで働くことは出来ないでしょう」


「手前ぇぇぇっ!

 覚えてろよぉっ!

 外に出たらその場の全員をぶん殴ってやるっ!」


「どうぞ」


 もちろんこの男はすぐに『幻覚の魔道具』を発動させてのたうち回ることになった。

 彼は生まれて初めて暴力や脅迫が通用しない経験をして衝撃を受けていたようだ。



「ジュンイチロウ・アヤノコウジさん、あなたのご本名はタロウ・スズキさんですね」


「なっ!」


「偽造パスポート行使は犯罪行為ですよ?」


「そ、そのパスポートは日本国政府が発行した正規のものだ!」


「あなたは日本の警察官のご出身で、公安調査庁に於いて潜入捜査官をされていらっしゃいますね。

 なるほど、日本は国家ぐるみの諜報活動のためには犯罪も辞さないのですねぇ」


「なっ! ななな、なにかの間違いだっ!」


「神界の鑑定機能は絶対です。

 それでは、あなたは偽造パスポート行使の罪で神界刑務所に3か月収監され、あなたに潜入調査を命じた政治家と官僚の氏名・役職も含めて公開させて頂きますね」


「や、やめろぉぉぉぉ―――っ!」




「ヴァン・フロマージュさん、あなたの本名はミシュラン・ガストロミーさんで、ご職業はフラフランス共和国対外治安総局(DGSE)の諜報員ですね」


「なっ……」


「あなたはまだDGSEを退職されていませんが、ダンジョンで働きたいというのですか?」


「な、ななな、何かの間違いだ!」


「いいえ、神界の鑑定機能に間違いはありません。

 あなたは偽造パスポート行使の罪で神界刑務所に収監されますのでご承知おきください」


「な……」




「ピッツァ・タコスさん、あなたは元CIA職員で、ご本名はビッグマック・ハンバーガーさんですね」


「ち、違う!

 お、俺はピッツァ・タコスだ!」


「あなたはアメリカの製薬会社ファイゾーに雇われてダンジョンに潜入して産業スパイ行為をするよう命じられたのですか」


「な……」




 間もなく『神界ダンジョン』のサイトには、これら偽造パスポートを使ってダンジョンで諜報活動を試みた国と機関名と人名のリストが掲載されたのである。


 潜入未遂犯が多かったのはインググランド(MI6)、フラフランス(DGSE、DGSI)、スイスイ連邦(内閣諜報局)、日本(陸幕2部別室、公安調査庁)、韓国(KCIA)、イススラエル(モサド)、トルトルコ(MIT)、イライラン(軍事情報部)、サウジジーアラビア(AIAA)などであった。

 また、アメリカの4大製薬企業を筆頭に、世界中の製薬企業350社からも偽造パスポートを使用した潜入が試みられ、未遂犯がすべて摘発されている。



 暫くして『神界ダンジョン』のサイトに神界からの声明が掲載された。


<神界声明>


『この度神界ダンジョン内で勤務する人員を募集させて頂きましたところ、別表の通り偽造パスポートを使用した潜入工作員の方が大量に送り込まれて来ました。

 その総数は46カ国から1280名にも及んでいます。


 再三申し上げますが、ダンジョン内の薬剤や機器はすべてダンジョン外に於いてはその効力を失います。

 また、ダンジョンの施療技術は銀河宇宙の最先端技術でありまして、現在の地球の科学力では解析することも理解することも不可能であります』



『今後、このような事態を避けるため、神界ダンジョンでは重篤疾病治療以外の若返り、美容、痩身などの施療を上記46カ国の国籍を持つ方には停止させて頂きます』



『また、現在神界ダンジョンには予想を超える方々にお越しいただき、アルス救済のために十分な食料購入資金が得られております。

 このため、来月より疾病治療費を現在の3万ドルから3000ドルに値下げさせて頂くことと致しました。

 今まで各国政府より既にお支払いいただいた施療費につきましてもこの新料金体系を適用させていただきます。


 差額分を現金で受け取られたい政府、または今後の施療費を差額分だけ削減されることを希望される政府の方は、このHP宛てにご連絡くださいませ。


 尚、この値下げ措置は、上記諜報員の潜入を企図された46カ国につきましては当面の間適用されませんのでご了承下さい』



『各国の政府関係者の方々に申し上げます。

 自国内の製薬企業からの偽造パスポートによる諜報未遂行為が今後も続いた場合、上記新料金体系の適用が停止されることがあります。

 また、既に適用停止措置を受けた46カ国に於かれましても、製薬企業からの諜報行為が続いた場合には適用停止期間が延長されることになります。

 今後は民間企業諜報員の不正行為の取り締まり強化をお勧めさせて頂きます』


                                  以上




 この声明の後、諜報員を送り込んで来た46カ国全てに於いて大統領や首相の辞任や弾劾が相次いだそうだ。


 これを見て数カ国では野党指導者が独自に諜報員をダンジョンに送り込んで来た。

 手っ取り早い政権奪取の手段だとでも思ったのだろう。


 だが、これも指示命令の様子が『神界ダンジョン』のHPで公開されてしまい、野党議員の離党が相次いでその政党は消滅の憂き目に逢っている。



 また、欧州ではUKやフラフランスを筆頭に、6カ国ほどの国が神界を相手に独占禁止法違反訴訟を起こした。

 これも手っ取り早い資金調達だとでも考えたのだろう。

 まあ欧州各国がいつも行っているお家芸でもある。



 この6カ国に対し、神界は訴訟継続中には重篤患者以外の受け入れを全て停止すると発表した。

『神界の活動が独占禁止法に触れると主張する国々に於いて、人道措置以外に当該国政府が違法と判断する施療を行うことを避けるため』という論理によるものである。


 おかげでフラフランスなどでは抗議活動がゼネストにまで発展し、またも大統領が辞任に追い込まれる騒ぎになっていた。

 もちろん交代後の政権により独占禁止法違反訴訟は直ちに取り下げられている。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 また或るとき、『神界ダンジョン』のサイトに神界からのお知らせが掲載された。



<お知らせ>


 このたび、神界ダンジョンでは精神障碍治療体制を大幅に拡充することと致しました。


(主な治療対象精神障碍例)


 恐怖症:

 赤面恐怖症、悪魔恐怖症、国恐怖症(アメリカ、中華帝国、ロリシア、ドドイツ、フラフランスなどに対する恐怖症)、アルコール恐怖症、暗所恐怖症、生埋め恐怖症、意見恐怖症、宗教恐怖症、特定生物恐怖症(犬、猫、馬、鳥、アリ、ハチ、蜘蛛、カエルなどに対する恐怖症)、色恐怖症(特定の色に対する恐怖症)、宇宙恐怖症、嘔吐恐怖症、音楽恐怖症、外国人恐怖症、階段恐怖症、回転恐怖症、海洋恐怖症、科学技術恐怖症、化学製品恐怖症、影恐怖症、学校恐怖症、雷恐怖症、ガラス恐怖症、加齢恐怖症、老人恐怖症、癌恐怖症、寒冷恐怖症、高温恐怖症、換気扇恐怖症、機械恐怖症、帰郷恐怖症、奇形恐怖症、寄生虫恐怖症、狂気恐怖症、巨大建造物恐怖症、霧恐怖症、金属恐怖症、茸恐怖症、雲恐怖症、群集恐怖症、スマホ不携帯恐怖症、血液恐怖症、結婚恐怖症、広場恐怖症、口臭恐怖症、高所恐怖症、特定人種恐怖症、孤独恐怖症、子供恐怖症、コンピュータ恐怖症、細菌恐怖症、魚類恐怖症、酸味恐怖症、死恐怖症、歯科恐怖症、視線恐怖症、失敗恐怖症、疾病恐怖症、醜形恐怖症、数字恐怖症(4、13、666など)、集合体恐怖症、食事恐怖症、植物恐怖症、性行為恐怖症、新奇恐怖症、聖遺物恐怖症、赤面恐怖症、接触恐怖症、洗浄恐怖症、先端恐怖症、肥満恐怖症、対人恐怖症、異性恐怖症、知識恐怖症、注射恐怖症、月恐怖症、鉄道恐怖症、電気恐怖症、電話恐怖症、疼痛恐怖症、道路恐怖症、橋恐怖症、体臭恐怖症、日光恐怖症、虹恐怖症、大蒜恐怖症、発言恐怖症、火恐怖症、髭恐怖症、飛行機恐怖症、美人恐怖症、不潔恐怖症、閉所恐怖症、便恐怖症、墓地恐怖症、水恐怖症、毛髪恐怖症、薬品恐怖症、雪恐怖症、夢恐怖症、地震恐怖症、霊魂恐怖症、恋愛恐怖症、若者恐怖症、笑われ恐怖症等。


(なんという恐怖症の多さだろうか……

 地球人は常に何かに恐怖を感じて暮らす気の毒な人々だったのである)



 精神疾患:

 ADHD、双極性障碍、LD、睡眠障碍、パニック障碍、若年性認知症、ヒステリー症、統合失調症、強迫性障害、チック、摂食障碍、自閉スペクトラム症等。



 神界ダンジョンにお越しいただければ、これら全ての恐怖症や精神疾患は完治致します。


 施療費:お1人様300ドル。(複数恐怖症、精神疾患治療可)




 作者註:自閉スペクトラム症とは

 自閉スペクトラム症は、正常な社会的関係を構築することが出来ず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる精神疾患。

(アスペルガー症候群もこの自閉スペクトラム症に含まれる)


 A.他者と関わるのが苦手で、考えや感情の共有が困難。

 言葉によらないコミュニケーション(例、アイコンタクトをとる、身振りや表情から相手の感情を推し量る)が困難。

 対人関係を発展させる、維持する、理解するのが困難。


 B.行動、興味、活動の対象が限られていて、特定のパターンを繰り返す。

 反復動作や復唱が多い。

 頑固にいつもの習慣に拘り、変化に抵抗する。

 興味の範囲が非常に狭く、それだけに集中する。


 AとBの両方の症状がある場合、自閉スペクトラム症と診断される。

 尚、本人に自覚症状はほとんど無いため、自らの判断で精神科に行くことは無い。



【強迫性障害と自閉スペクトラム症、ヒステリー症の複合症状の例】


 例えば『なろう』の感想送信欄には『良い点』『気になる点』『一言』という項目があるが、作品を読むたびにこの3つの欄全てに記入して送信しなければならないと思い込む。


 その際に、『良い点』は「おもしろかった」などと小学生並みの極めて短い平易な言葉を書くが、『気になる点』のためには必死になって矛盾点(と勝手に思ったもの)を探し出し驚くほどの長文を書く。

『一言』の欄にもその言葉のイメージから罵倒やイチャモンを書かねばならないと固く思い込んでいる。

『いつも更新を楽しみにしています』といった『一言』を書くことは思いもよらない。


(因みに、『良い点』と『気になる点』は見かけ上4行のスペースである。実際にはもっと書けるが。

 だが『一言』だけは5行のスペースなのである。実にフシギだ。

 これによって、『一言』はひとことではなく、たくさんのイチャモンを書かねばならないと思い込む単細胞読者も多いと思われる)



 こうした強迫神経症患者は、多くの場合はアスペルガーを併発しているために、その感想を読んだ作者が何を思うかなどとは斟酌したことがない。

 症状が重い場合は、作者が自分の意見に従って是正しないことに激怒して驚くべき攻撃的文章を送り付けて来る。

(アスペルガー患者の指摘に反論してナニかを納得させることはほぼ不可能である。そういう疾患なのだ)


 最近こうした精神障碍を持つ人で感想欄が溢れているために、『感想は読ませていただいていますが、返信は控えさせて頂いています』(=病的なイチャモン感想を読みたくないので感想欄は見ていません)という作者コメントが増えて来た。

 もちろん『感想受付停止中』の作品も多くなって来ている。


 因みに、今の感想記入欄には運営さんの『1項目の入力から送信できます。感想を書く際の禁止事項をご確認ください』というコメントがついている。

(以前は無かった)

 このことをもってしても、病んだひとたちのイチャモン感想が激増していることがわかる。


(この添付されている禁止事項の中には『作者に対する誹謗中傷』というものがある。

 運営さん……

 こういう誹謗中傷を送り付けて来る人ってね、テスト結果だの成績だの人事評価だのが悲惨で、それをもって世の中は俺を正当に評価していないって憤っている人が多いんだ。

 それで酷いイチャモンを送り付けることで代償行動や鬱憤晴らしにしてるんだよ。

 だから『誹謗中傷』っていう言葉は読めもしないし意味もわからないと思うよ?

 自分の無知を認めるみたいで悔しいから辞書も引かないだろうし。

 これ、『作者の人間性に対する非難』とか『イチャモン』とか『言いがかり』とか『うっぷん晴らし』って平易な言葉に書き換えてあげた方がいいんじゃないかな……)



 そもそも、『投稿作品が面白くなかった』と感じた場合には、『その作品を読むのを止める』というのが正常な人間の行動である。

 筆者は1000以上の投稿作品を読み、その半数は途中で嫌になって読むのを止めているが、イチャモン感想を送り付けたことは一度も無い。

(実は感想そのものを送ったことも無い)


『面白くなかった!』『これこれの点を是正せよ!』という抗議文をわざわざ送り付けるヒトにはかなり深刻な狂気を感じるのである。


 さらに言えば、ファンレターのような感想にもある種の狂気を感じることがある。

(以前、『感激しました。ボクの先生になって下さい』という感想を受け取ってトリハダが出たことがあった)



 もしどうしてもイチャモン感想を送り付けたくなったら、水分とカルシウムをたっぷり摂り、ついでに好きな料理を腹いっぱい食べよう。

 そうすれば健常者の怒りの感情はほぼ雲散霧消する。

 攻撃衝動とは多くの場合物理的生理学的な現象なのだ。


【ご参考:怒りの衝動を抑える方法(筆者の場合)】

 水をたっぷり飲む > カルシウム摂取 > 腹いっぱい食べる > 2人エッチ >>>> 1人エッチ


 因みに筆者は『暴力的、対決的なシーン』を書く際にはなるべく空腹時に書くようにしている。

 和やかなシーンを書くのは食後が良い。(←本当!)


 ただし、いつもナニかに怒ってるヒトにこのことを教えてあげるとさらに激怒する。

 彼らにとっては自分が怒っている理由は100%自分を怒らせるナニかのせいであって、自分に原因があるとは全く考えないのだ。

 ヒステリー患者の典型的症例である。



 また、誤字脱字報告も盛んなようである。

 ただ、筆者の経験からすると、その誤字脱字報告の3分の1ほどは報告そのものが間違っているのである。

 なぜあの人たちは自分が主張する『正しい』言葉が本当に正しいかどうか確認してから報告しないのだろうか?

 それでも誤字脱字を指摘したい動機は何なのだろうか?


 最近、『誤字脱字の報告は、それが本当に誤字なのか確認してからお願いします』というあとがきを読んで膝を叩いて激しく同意してしまった。



 以前、『送り仮名が間違っている!』という誤字脱字報告を放置していたら、『せっかく教えてやったのに何故直さない!』という抗議文が送られて来たことがある。

 そこで仕方なく『広辞林には、このように私が使った送り仮名の用例も載っていますよ』とお返事を書いてやったところ、『俺も俺の周囲の奴もそんな言葉の使い方はしたことが無いのでやはりお前が間違っているのだっ!』というお返事が来たのだ。

 そのときにはかなりの狂気を感じて寒気がしたものである。

 やはり精神疾患患者はその主張も文章も『病んで』いるのだろう。


 さらに言えば、『何故誤字脱字を指摘しなければならないのか?』『何故指摘されたら筆者は直さなければならないのか?』という根本的な点を考えたことがあるのだろうか?

『全ての誤りは俺が正してやらねばならないのだ!』と思う自分に狂気を感じてはいないのか?

 そういう読者の誤字指摘の多くが間違っているというのは大いなる皮肉であろう。



 また、『誤字脱字のご指摘は誤字脱字報告機能でお願いします』という投稿者の要請も散見するようになってきた。

 実は誤字脱字報告機能には作者からの返信機能が付いておらず、また自分のイチャモンを載せることも出来ないのである。



<これを嫌って誤字脱字報告機能ではなく、わざわざ感想欄で誤字脱字を指摘して来る人の心理の推測>


・自分の指摘に対し、感謝の返信が欲しい(いわゆる『構ってちゃん』)


・イチャモンを見つけることが出来ずにせめて誤字脱字の指摘することで代償行動にしようとしている。

(論理的文章構成力が無いためにイチャモンすら書けない人もいるのだ。

 このケースではやはり誤字脱字の指摘そのものが間違っていることが多い。

 自分の知らない言葉を見ると誤字と認識するのである)


・イチャモンを追記する機能が無い『誤字脱字報告』は使いたくない。


 ということで、感想欄で誤字脱字を指摘しようとする人は相当に病んでいるものと思われるのである。


(運営さんは、感想欄に『良い点』『気になる点』『一言』に加えて『イチャモン』という記入項目も付加してみたら如何だろうか。

 この『イチャモン』感想を集めて表紙などに『狂気のページ』を作ったら実に興味深いと思う)



 さらに、『感想受付停止中』の作品は面白くないから読まない(=攻撃出来ないので読む意味が無い)、というひとは一度精神科を受診されることをお勧めする。

 一度でも受診しておけば、ヒステリー症が嵩じて駅などで包丁を振り回して暴れても刑期が短くなる可能性が高いのだ。

 被害者は堪ったものではないが……


 精神疾患閑話休題。





 この新施療はやはり爆発的な人気を集めた。


 どうやら精神科や心療内科は世間体や医師、看護師などとの対面もあって、対人恐怖症患者には敷居が高いが、ダンジョンの施療は個室で機械的に行われるために行きやすかったらしい。

 なにしろ入国管理官は映像上の人物であり、施療も音声指示通りに部屋に入って光を浴びるだけなのだ。


 これらのことがネット上で明らかになると、対人恐怖症患者たちはダンジョンに殺到した。

 周囲には『花粉症を治して貰って来る』などと言って、新施療を受けに来るらしい。


 ダンジョン施療室には案内人付きと案内人無しの音声指示のみのコースがあるが、こうした精神疾患治療希望者は圧倒的に案内人無しを選ぶそうだ。


 その結果、特に対人恐怖系の精神疾患が激減したために、世界中で交わされるSNS等の通信量も大幅に減少し、日本ではヒッキーも不登校もコミュ障もほぼ絶滅したとのことである。


 どうやらみんな、ネット匿名でなくともリアル世界でマトモな社会生活が営めるようになったらしい。

 やはり現代地球人は相当に“病んで”いたのである。



 ついでに『なろう』に於ける不快感想、イチャモン感想も激減し、そのために読者数が3割減って感想数も100分の1以下になったそうだ……





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