表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/410

*** 35 レベル30へ ***

 


 社長室の電話が鳴った。


「ああわたしだ。

 そうか須藤淳さんが来られたか。

 すぐにお通ししてくれ」



 社長室に淳さんが現れた。

 少し息を切らしているのは相当に急いでくれたのだろう。


「お、遅くなりました!」


「いえいえ淳さん、十分に早いですよ。

 急にお呼びだてして済みませんでした」


「な、なにか問題でも?」


「いえ、実はちょっと大口の注文をするに当たって、受け渡しをお願いしている淳さんにも確認をと思っただけです」


「淳さん、これが大地さまが弊社に下さった注文書です」


「おおっ!

 ということは、アルスでの任務は順調なんですね!」


「ええ、おかげさまで今のところは。

 それでけっこう準備も進んでいますんで、この注文書の品の受け渡しが終われば淳さんにもアルスに来て頂けるかと思います」


「おおおおおおおおおお……」


「それじゃあよろしくお願いしますね。

 あ、佐伯さんへの連絡はどうしましょうか?」


「わたくしから連絡してもいいのですが、それでは佐伯さんが少々寂しい思いをされると思います。

 まだ夜7時ですので、今から連絡されてみられたら如何でしょうか」


「はい」




 佐伯弁護士はすぐに来てくれた。

 そうして静田から製材会社の概要を聞き、大地からその会社の買収の提案を聞くと、すぐに大賛成してくれたのである。


 まあ静田の予想通り涙も流していたが……





 大地はまた収納部屋に戻り、体感時間で1か月ほど魔法訓練を重ねた。

 アルスのダンジョンでも戦闘訓練を繰り返している。


 そうして或る日。


(ピンポ~ン、総合レベルが上がって30になりました)



「お、ようやくレベル30になれたか。

 ねえタマちゃん、確かこれでいろんなスキルや魔法をレベル6まで取得出来るんだよね?」


「ダイチおめでとう、これでまあ一人前だにゃ」


「それでさ、この収納庫には無いスクロールで取得したい能力があるんだけど、どうしたらいいのかな?」


「どんなスキルかにゃ?」


「まずはタマちゃんに手伝ってもらった『音声拡散』の魔法かな。

 それからあの妖精族が使ってる『錬成』のスキルと『念動』の魔法も使えるようになりたいんだ」


「ジャッジくん、構わないかにゃ?」


(はい、構いません。

 既に存在する魔法ですので)


「それじゃああとで、シスくんに言ってスクロールを作らせるにゃあ。

 それをイタイ子に言って、戦闘訓練の時にドロップさせるにゃよ」


「へー、そんな風にして作るんだ。

 それにしてもけっこう簡単に作れるんだね」


「まあ既にあるスキルや魔法だからにゃあ。

 全く新しいものだと、ツバサさまに頼んで作ってもらうんにゃ」


「なるほど。

 それじゃあ、新しいのが必要になったらメモしておこうか。

 いちいち頼んだらツバサさまもたいへんだろうから」


「うにゃ」




 こうして大地はアルスでさらに5日間を過ごし、スキルも魔法も無事ゲットしたのである。


「それじゃあまた自分を『鑑定』してみるか……


 あ、項目が増えてる……

 鑑定のレベルも上がったからか」



 *****************


 名 前:北斗大地

 出 身:地球

 種 族:ヒト族

 年 齢:15歳 男性

 適 職:ダンジョンマスター

 職 業:特命全権ダンジョンマスター(アルス中央大陸ダンジョン)


 総合レベル:30

 E階梯  :5.8

 思考能力 :5.2

 努力する才能:5.5

 行動力  :6.0


 殺人数 戦場:0 戦場外:0 正当防衛:0

 中・重犯罪数:0


 体 力:230(230)

 魔 力:350(350)

 攻 撃:60

 防 御:55

 敏 捷:45

 器 用:30

  運 :50


 加 護

  即死回避 帰還


 ギフト


  ジャッジメント


 取得スキル&魔法総数 : 99 (1,146,150G)


  スキル(身体系)


  アクティブ


  体術Lv6 剣術Lv6 棒術Lv6 投擲術Lv6

  騎馬術Lv6 回避Lv6 縮地Lv6

  命中率アップLv6 ロックオンLv6 

  身体硬化Lv6 柔軟Lv6 受け流しLv6

  時間加速Lv6


  パッシブ


  身体強化Lv6 防御Lv6 

  敏捷強化Lv6 動体視力強化Lv6 臭覚強化Lv6

  視覚強化Lv6 聴覚強化Lv6 夜目Lv6 


  スキル(耐性系:すべてパッシブ)


  物理攻撃耐性Lv6 精神耐性Lv6 痛覚耐性Lv6

  麻痺耐性Lv6 呪術耐性Lv6 毒耐性Lv6

  石化耐性Lv6 腐食耐性Lv6


  スキル(その他)


  アクティブ


  鑑定Lv6 気配遮断Lv6 

  索敵Lv6 消音Lv6 

  武器製作Lv6 防具製作Lv6

  道具製作Lv6 薬製作Lv6 錬金Lv6 

  修復Lv6 料理Lv6 演技Lv6

  隠形Lv6 手加減Lv6 地図作成Lv6

  描画Lv6 解析Lv6 測量Lv6

  威圧Lv6 遮音Lv6 虚偽看過Lv6

  暗記Lv6 短期記憶消去Lv6 

  認識阻害Lv6 コピーLv6 音声拡大Lv6

  国語理解Lv6 英語理解Lv6 数学理解Lv6 

  社会科理解Lv6 理科理解Lv6 

  栄養学理解Lv5(MAX) 医学理解Lv5(MAX)

  診断Lv5(MAX)

  薬学理解Lv5(MAX) 植物学理解Lv5(MAX)

  昆虫学理解Lv5(MAX) モンスター学理解Lv5(MAX)


  パッシブ


  気配察知Lv6 危険察知Lv6 

  異言語理解Lv6 罠感知Lv6 


  対敵デバフ(パッシブ)


  時間遅延Lv6 スロウLv6 恐怖心付与Lv6



  エキストラスキル


  物理防御力アップLv6 物理攻撃力アップLv6

  魔法防御力アップLv6 魔法攻撃力アップLv6

  経験値獲得アップLv6 敏捷アップLv6

  器用アップLv6 成長促進Lv6 

  魔力消費半減Lv6 回復促進Lv6



  魔法


  火魔法Lv6 風魔法Lv6 水魔法Lv6

  氷魔法Lv6 土魔法Lv6 光魔法Lv6

  空間魔法Lv6 雷魔法Lv6 飛行魔法Lv6

  補助魔法Lv6 重力魔法Lv6 

  睡眠魔法Lv6 錬成Lv6 念動Lv6


 使用ダンジョンポイント


 スキル・魔法 :  1,146,150

 地表ダンジョン: 25,018,220

 ダンジョン拡張:     2,145

 樹木除去・転移:    13,000

 シス分位体  :     1,000


 小計: 26,168,815


 保有ダンジョンポイント


 11,973,831,185



 *****************





 地球時間で県立高校受験日の2日後、大地は地球に転移して中学校に行った。

 私立高校も受験した者がほとんどだったが、クラスメイトたちの雰囲気は有体に言って最悪だった。


「も、もうダメだ……」


「お、俺第一志望が県立なんだけど……」


「なんであんなにいきなり出題傾向が変わるんだよ……」


「あんなに頑張って暗記したのに、ほとんど無駄になった……」


「あ、あたし、半分ぐらいしか解けなかった……」


「な、なあ、大地はなんか余裕だけど、何点ぐらい取れたんだ」



「ん? まあまあ出来たけどな。

 それにみんなそう悲観することはないぞ。

 みんなが出来なかったっていうことは、それだけ平均点も合格点も下がるんだから」


「そ、そうだといいんだけど……」



 その日の授業は、県立高校の入試問題の解説に終始した。

 教師が問題の狙いや解答を言うたびに、あちこちからため息が漏れている。



「それじゃあ県立高校を受験したひとは、ネットで見たであろう正解をチェックした結果をこの用紙に記入してくれ。

 通知表との相関を出して来年度の受験指導の参考にするからな」


 また一斉にため息が漏れた。



(うーん、どうするかな……

 中学には実際の点数は分らないだろうから、全科目の正答率が90%程度になるようにテキトーに書くか……)




 中学校はこれから卒業式までは午前中授業になる。


 大地はエネルギーバーなどで簡単な昼食を済ますと、アルスに戻った。


 クラスメートたちからはファミレスでのダベリに誘われたが、今は一刻も早くレベルを上げたかったのである。




 アルスでの作業や修練は順調だった。


 静田が用意してくれた物資は淳経由で続々と届いていたし、果樹園予定地の木も2500本の処理が終わっている。


 また、『乾燥の魔道具』での乾燥処理も進んでいた。


(でもこれ……

 含水率20%まで乾燥させるとけっこうひび割れも出来るんだな。

 それじゃあ試しに『錬成』と『念動』を使って、このひび割れを埋めてみようか……)



 大地は目の前に横たわるヒノキの丸太を『錬成』で柔らかくしてみた。


 あー、なんか木が自重で潰れて断面が楕円形になっちゃったよ。

 これじゃあマズイよなぁ。

 どうすればいいかな。


 試しに木を立てて、周りを土魔法で固めてみようか。

 土の部分の内側がなるべく滑らかになるようにして……


 それじゃあ『錬成』で柔化。


 お、木の体積が減って行ってる……

 なんか10%ぐらいも減ったぞ。


 そうか、内部の空洞や導管が潰された分、体積が減ってるからか。

 はは、節まで目立たなくなってるよ。


 でもあんまり柔らかくし過ぎて年輪まで無くなると材木として寂しいよな。

 その辺りの加減に気をつけてと……


 おお、かなりいい感じになったわ。

 これならよさげだな。



 あっ!

 MPが1割近く減ってる……


 そうか、この『錬成』って作業量が多い分MP消費も多いんだ。

 うん、これからはこの処理を毎晩やって、どんどん気絶して行こう。

 はは、最大MPも増えるし立派な材木も増えるしで一石二鳥だわ。



「収納くん」


(はい)


「この乾燥の済んだヒノキの丸太を全部君の収納庫に入れておいてくれ」


(畏まりました)




 モンスターたちとの対戦も順調だった。


 今では同時に8体を相手にしていたし、相手のモンスターもスライム族、ケイブバット族、ホーンラビット族に加えてゴブリン族やコボルト族も参入している。

 もちろんレベル6になった各種のスキルも戦闘中に試していた。


(これ、やっぱり『時間加速』の使いでがいいなぁ……

 反応速度や攻撃回避速度を何倍にも出来るのは最高だよ。

 レベル6だと通常の8倍ぐらいかな……)



 途中何度か地球に戻ったものの、アルス時間で50日経過する頃には、大地のレベルは32になっていた。



「さてみんな、明日から2日間俺は地球で用事を済ませて来る。

 戦闘はお休みだけど、木の処理は頼んだぞ。

 もちろん穀物粥は作っていいし、お菓子とジュースもダンジョンの収納部屋に入れておくからな」


「「「「「 はいっ♪ 」」」」」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ