僕と君が出会った時
落ち着いた空気になってきたのに対し、堂々と立ち上がる一人の女性が居た。
「では次は私が、私の名前は黒霧彩夏!お前ら男子全員後でまとめて相手してやらぁ、一人残らずかかってこいやぁ!」
「ちょ、ちょっと!流石に不味いよ!なんでいきなりそういうこと言うのさ!」
「あ?いいじゃねぇかちょっとくらい」
一人で謎の会話を生む女性、これには落ち着いてきた空気もまたざわつき始める。
「え、えーと、私は黒霧彩夏ってこれはもう言ってたか、能力はダブルです。」
「多分それじゃ伝わらないので私が説明するのですよ~」
そう言って空気の乱れを断ち切った先生、そういえば先生は自分の自己紹介とかはしないのだろうか。
「彼女の能力はダブルで二つの人格にまったく違う特徴を持った人なのですよ、詳しく言うと、性格が荒いほうは頭は悪いが身体能力が高いのですよ、逆に穏やかなほうは頭は良いのですが身体能力が悪いのですよ~、丁度二つあわせて丁度良いコンビなのですよ~」
先生の説明で大体は伝わった、とりあえず能力科はマジもんの能力を持っているらしい、証拠はないが流石にこんな盛大なドッキリは学校的にも生徒的にも得がないですし。
(んで.....どうしよう、僕は自分の能力知らないですし....)
一人頭を抱える僕に隣の黒霧彩夏が話しかけてくる。
「お?何頭抱えてんだ?よーし決めた!次お前が自己紹介しろ」
「いや、待ってよ!流石に頭抱えてる人にそういうことさせるのはよくないと思うんだよ!」
やはり変だ、これは普通に見て変だ、あまり近づかないで置こう。
「いいですよ、やります。」
これ以上面倒になるのはだるいのでもういっそ吹っ切れてやったほうがいいだろう。
「僕は英良瞬徒と言います、自分の能力は知りません。」
ここで場の空気が凍りつく。
だがそれは先生の一言で解けるのだった。
「英良君は知るはずないのですよ~、能力の詳細にもそれっぽい事書いてますからね~」
知るはずない能力とは、皆の期待と自分の期待値が上がっていく。
「英良君の能力は女体化、女体化した時とその記憶は引き継がれないのですよ~、ですからお互いの存在は知らないのですよ~、まったく、本当にだるい能力なのです」
大雑把すぎるがまぁ大体判った、つまり僕は女体化したときの記憶を持ってないし彼女も僕が戻ってる時の記憶はないわけだ。
確かに過去にそういう事はあった、自分のパーツが今はまったような音がした。
「・・・・・・ん、あれここはどこだ?」
僕が周囲を見渡していると一人の女性に声をかけられた。
「どうしたの?英良さん」
「・・・・あれ?君誰?てかここどこ?」
率直に気になった事を聞いてしまった。
「ん?あー、そうか、男子に戻ったんだね、改めて私は穂輔論銀崎って言うんだよ、名前特徴的でしょ?」
よく判らないが、とりあえず彼女は僕と話していたようだ。
「忘れてしまって申し訳ないです。」
僕は頭を下げ謝る、人を忘れるのは失礼な事だから。
「い、いや、仕方ないよ!能力の所為なんだしさ!私全然気にしてないし!それでいいでしょ!」
そういわれて顔を上げる僕、しかし全然判らない、この人は優しいのだろう、ただ、どこか僕を避けているような気がする。
「判りました、それでは、自分多分こっちからなんで、また明日会いましょう。」
「うん、また明日~!」
僕が見えなくなった頃。
「・・・・・変な子、女体化しててもあんまし口調変わんないな、やっぱ同一人物だからかな?」
彼女は一つの疑問を抱いていたが、それはのちに解決されるのだった。
どうも霧夢たいたいです。
今回は空白を大目にしてみました。
少しは見やすくなりましたかね?感想とかくれたら嬉しいな、てかどれか完結させないとそろそろやばいな。
まぁ疲労が溜まるでしょうけど気にしないで行きます。