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東方魂恋録  作者: 狼々
第6章 理想
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第60話 耳かき

どうも、狼々です!


さて、まず一言目に、謝罪から入らせていただきます。

前回、えっちぃ内容を書きましたね。

それに続いて……前回を遥かに超えるヤツを書いてしまいました。


すみませぇぇぇぇぇええん!


どうしてもぉ! 書きたかったんです!


言い訳をさせていただくと、最初はそんなつもりはなかったのです。ちゃんとストーリーに関わらせつつ、日常編のはずでした。

ですが、前回の白エプロンの回収をしていたら、気付いたらこうなっていました。


反省も後悔もしていません。謝罪しましたが。

あっ! ごめんなさい本当に悪うございました! だからその握りこぶしを(ピチューン


では、本編どうぞ!

 今日も同じように、早朝にお見舞。

 天が目覚めることを望み続けてはや三ヶ月。


 毎日病室の扉を開ける度にドキドキする。

 恋愛的な意味じゃなく、起きているのではないか、という淡い期待。

 紅葉も色付いてきた十月の今日。


 病室の扉の前で止まり、一旦深呼吸を。


「す~……は~……天~。見舞いに来たわよ~……って、あれ?」


 いつもの白ベッドの上に乗っている天が、いない。

 窓が開いていて早朝独特の、寒々しい風と青白い陽光が直接入り込んでいる。

 カーテンは風に揺れて、それの音だけが病室に静寂を(もたら)している。


「あ、れ……? 天は……?」

「天なら、昨日起きて帰ってったわよ。今までお疲れ様ね」

「……永琳」


 あの二色の分かれた奇妙な服が印象的な天才医者(ヤブ医者)が、いつの間にか扉を背に寄りかかっていた。

 ……全く、起きたんなら一言でも言いなさいよね。


「私は行くわ。じゃあね」

「あぁ、待って。今から言うこと、天に伝えてちょうだい。――――」

「……! わかったわ。責任を持って伝える」


 永琳からの伝言を預かり、永遠亭を旅立つ。

 あいつなら、やりかねないものねぇ……


 ―*―*―*―*―*―*―


 まだ起きる時間じゃない。

 俺はそう思うんだよ。

 確かに、早寝早起き朝ごはんとは言うよ?

 健康が大事なことはわかってるよ?


 でもさぁ……


「……わざわざ叩き起こす必要はないんじゃない、霊夢?」

「あら? まだ抵抗するのかしらね? 人に心配をかけるだけかけといて、自分が起きたら後は知りませんって?」




 俺が起きる時――


「ほら、起きなさい!」

「……んむぅ、あ、あぁ、霊夢。おは――ぐほぁっ!?」


 深くもない微睡みから抜け出そうとした瞬間、霊夢の拳が俺の腹にめり込んだ。

 文字通り、めり込んだ。めりっ、と。

 全ての臓器が振動し、明確な吐き気さえも催してしまいそうになる。


「うぐぉぉぉおおおお……!」

「あんたねぇ、少しは連絡くらい入れなさいよ、えぇ……!?」


 笑っている。確かに笑っているのだが、目が笑っていない。

 布団に横になっている状態から、馬乗りになって胸倉を掴まれている。


「ぐ、ぐる゛じい゛、から……!」

「へぇ、この期に及んでまだそんな口が利けるのね? 心配し続けた私は『苦しい』がいくら続いたと思ってるの? ふふふふ……!」

「よ、妖夢……だ、だすげ……」


 助けて。そう言おうとして、気付く。


「いねぇぇぇええ!」

「あらあら。報告よりも彼女の添い寝が優先なのね? あぁ、わかったわよ。今からもう一回眠るといいわ……!」


 首がさらに締められ、就寝とは別の意味で眠りそう。気絶とかで。

 

「いや、それマジで、ヤバイ、か、ら……! かはっ! はぁっ、はぁっ……!」

「……はぁ、冗談よ。どれだけ本気にしているのよ」

「その言葉をそっくりそのまま返してやるよ。もう少しで窒息だったぞ」


 首を離され、呼吸ができることに喜びと感謝。生きてるって、素晴らしい。

 いつもの気だるげな霊夢の顔に戻っていて、そこには疲れたとは別の、沈んだ感情が見て取れる。


「ホンっと、どれだけ見舞いに行って、心配して帰ってを繰り返したと思ってるの?」

「す、すいません。……ありがとう」

「えぇ、まぁ、いいのよ。今度お賽銭頂戴な」


 さり気なくお賽銭の徴収の約束を取り付ける霊夢。

 その表情には、先程の陰りはなかった。

 けれども、またすぐに影が差す。


「……永琳からの伝言よ。『霊力爆発、今度やったら普通に死ぬ・・・・・』、だってさ」


 ……まぁ、そうでしょうね。

 今生きていられることが不思議なくらいだ。


 俺の体だからわかるが、もう右腕が限界に達してしまっている。

 永琳、幽々子や翔、妖夢にも言っていないが、神経が完全に元通り、というわけにはなっていない。

 多少の後遺症……痺れが、残っている。


 指から腕全体に至って、全てに痺れが伴っている。

 今、バレないように必死になっている。箸を持つのさえ、少しバレそうなのだ。

 バレたら、どうなることだか。まぁ、いつか治るだろうしな。


 そんな右腕が、もう一度霊力爆発なんてしたら、絶対に形も戻らないだろう。

 ……いざとなれば、左腕を犠牲にすればいいのだが。妖夢が許さないだろうし、なしだな。


「了解。使うなってことだな」

「そういうことよ。じゃあ、伝えたからね。私は戻るわ」


 障子に手をかけ、今にも出そうという霊夢に。


「あ! 待ってくれ。……黒幕の一人、叢雲からの襲撃があった。今は撃破して、紫に預かってもらっている」

「……詳しくお願い」


 障子の前から移動し、俺の目の前に正座。

 その表情は真剣そのもので、一片の迷いや弱気はない。

 畳の匂いが一層強くなった気がしつつ、事情の説明をする。

 一から十まで、全て。


「――ってわけだ。妖夢も俺も、治療は自宅療養。現在治療の真っ最中だ」

「……あのねぇ、あんた、どんだけ怪我すれば気が済むわけ?」

「はい、返す言葉もありません」


 全くもってその通りである。

 自分でも、何でこんなにも怪我をするのか、わからない。俺が聞きたいくらいだ。


「じゃ、私は帰るわ。誰かさんが報告をしてなかったり、予想以上に大きな出来事があったから、伝えに行かなきゃ」

「め、面目ない」


 溜め息を吐きながら、障子を開けて去っていく。

 ペタペタと遠ざかっていく足音と共に、白の陽光が強く、畳の匂いが弱くなった。

 さて、気付いたらいつも起きる時間。

 朝ごはんを作りに、台所へ。


「おはよ~、よう、……む……?」

「ぁ、っ……あ、あんまり、じっと見ないで、ください……恥ずかしい、です……!」


 俺が声をかけて、耳まで真っ赤にしながら、彼女自身の全身を隠す。


 清潔感溢れる白のエプロンに身を包ませ、か細くも整った体型を強調させている。

 いつもは“さらし”を巻いているのではっきりしていないが、今はさらしを巻いていない。

 本来の大きさの胸は標準かそれより少し小さいが、俺はそんなことはどうでもいい。

 恋人の、裸が、白のエプロン一枚を隔てて、目の前にある。


 そのことによる興奮は頭をショートさせる。

 さらに、背面は殆ど隠されておらず、一糸まとわぬ、と言っても過言ではない。

 白い雪のような肌は、形の整ったお尻にさらなる魅力を持たせ、一層妖艶に見せる。


「は、裸、エプロン……?」

「ぅうう……はっきり言わないで、ください……!」


 はっきり言って、超萌える。

 かなり興奮するのだが……


「あ、危ないだろ! 油が跳ねたら……」

「今日の朝食には、油は使ってませんから、大丈夫ですよ。……その、ありがとうございます。そういうところに気が向く天君が、私は大好きです」


 恥ずかしがりながら、裸エプロンでその告白は、かなりそそられる。

 自制が難しいにもほどがある。今すぐにでも爆発してしまいそうだ。

 さすがに朝からは……な?


「と、取り敢えず、着替えてこい。寒いだろ? 作っとくから、気にすんな」

「す、すみません。ありがとうございます。正直、少し寒かったのですよ……あはは」


 はにかみながら、妖夢が自室へ戻っていく。

 可愛げ溢れるその姿に俺もつられて笑顔になりながら、朝食を作る。


 ―*―*―*―*―*―*―


 時は飛んで、修行の終わり。

 裸エプロンをしてしまったことに恥ずかしさを覚えながらも、相模君に感謝。

 天君を見る限りは、多分……興奮してくれていた。

 彼女として、恋人として、異性として、嬉しい。


 天君が座って、疲れを前面に出している。

 無理もない、三ヶ月全く動かなかったんだから。


 その時、私は天君を虐めたい衝動に駆られた。

 確か、耳が弱かったはずだ。あの時の面白さと天君の可愛さを思い出して、一人で悶てしまいそうになる。

 揺れ動く心を押さえつけ、天君に気付かれないよう、後ろから忍び寄る。

 すぐ後ろに来て、そのまま抱きつき、耳元で囁く。


「天君……夕食が終わったら、天君の部屋で待っていてください」

「う、あ……わ、わかった。待っていればいいんだな?」


 ふふふ……弱いのに、必死で強がってる。

 その姿がとても愛らしくて、可愛い。母性本能をくすぐられてしまう。


「ふふっ、ありがとう、ございます……」

「ぁ、ぁ……」


 やっぱり、これはいい。

 やっている側として、とても目も耳も保養となる。

 心が癒やされている気がする。くすぐったい。




 夕食が終わって、片付けまで終わってから、彼の部屋に。

 障子を開けると、律儀に待ってくれている。


「ありがとうございます。お待たせしました」

「あ、あぁ、それはいいんだが……どうしたんだ?」


 天君の問に答えず、既に敷いてある布団の上に正座。

 持ってきたもの・・・・・・・を準備しつつ、膝枕の準備。


「さぁ、天君。どうぞ!」

「いや、どうぞって……耳かき・・・か?」


 そう、耳かき。しかし、ただの耳かきではない。

 耳かきをした後に、存分に虐め倒す。もっと可愛い姿を見せてほしい。

 天君には、虐めたいし……恥ずかしいけれども、虐められたい。

 前回は私が虐められた側なので、今日は思い切り虐め倒す。


 静かに頭を預けてくれる天君。

 膝の上にかかる重さに、多大な安心感も感じる。


「じゃあ、今から始めますね~?」

「あ、あぁ、頼むよ」


 まずは右耳から。カリカリと音を立てて、(さじ)で掬い出していく。

 掬い出したら、紙に集めていく。棒を動かす度に、彼の反応を楽しめる。

 彼に話しかける。勿論、耳元で囁くように。


「ふふ……どうです? 気持ちいいですかぁ……?」

「ぁ、それヤバ……あ、あぁ、ありがとう」


 匙を動かす度に、天君の顔が恍惚としたものになっている。

 その表情を見ると、私も興奮してしまう。


 そして、優しく息を吹きかける。


「……ふぅ〜」

「ぁぅ、は、ぁっ……!」


 ピクピクと彼の体が跳ねて反応している。

 その愛らしい姿を見ると、何か卑猥なことをしているのではないかと錯覚する。

 自然と私の吐息も荒くなり、つい欲情してしまう。


 大体が救い終わり、心地よい時間の終わりを惜しむ。


「はい、終わりです。……あと一つで」

「あぁ、わかっ――!」

「……はむっ」


 右耳を、甘噛みする。

 予想通りというべきか、彼の反応は最高だ。

 あの弱々しい、抵抗の限りを尽くそうにも、快楽に負けていく姿。

 ……私も彼に限ってはそうなので、あまり言えないのだが。


「なに、して……!」

「きもひいいれふよね? いいんれふよ、ひょういきになって? はむ、んむっ」

「いや、正直も何も……ぅぁっ!」


 軟骨、耳たぶと一つ一つ甘噛みしていく。

 自分の求愛行動だと思いつつ、必死に彼に求愛する。

 メスからの求愛行動は珍しいけれど、一応そういう鳥がいる……らしい。

 幻想郷にいるのかどうかはわからないけれど。


 さて……じゃあ、一番楽しみにしていることにいこうかな?


「……れろっ」

「~~~! いや、それは――!」


 耳の中を、舌先で丁寧に舐め回す。

 円を描いて、一箇所を重点的に、時々甘噛みも混ぜながら。

 彼の反応を見る限りでは、快感を感じてくれている……と思う。

 私も、ちょっとどころでなくエッチな気分になっている。快感も、攻める側だけど、ある。


 ちゅる、れろ、ぴちゃ、とわざと音を立てて、彼の耳に直接送り出す。


「それ、エロすぎだろ……! うぁ……あ、ふっ……!」


 一旦耳から舌を離し、囁く。


「さっきから、全く抵抗してませんね? 本当は……気持ちいいんでしょう?」

「そりゃそうだが……理性が限界なんだよ……!」

「……いいんですよ? 爆発させちゃっても」


 それだけ言って、再開。

 彼の、声を我慢しながらもどうしても漏れる、という声が大好きだ。

 あの心をくすぐられていく感覚。ゾクッときてしまう。


 右耳を拭き終えて、左耳へ。


 最初は耳かきから。終わったら、甘噛みと耳舐めに。

 耳かきが終わって、暗示のように囁く。


「今から、始めますね~……?」

 

 その瞬間、彼の体が何もしていないのに、小さくピクッと跳ねた。

 期待してくれているのだろうか……? そうだと、嬉しい。


 右耳と同じく、左耳も。

 呻き声にも似た声から、私の大好きな漏れる声まで、様々な声を出してくれる。

 やはり、虐め倒すのもいいなぁ……


 左耳が終わると、彼の体はクタッとして、力が抜けた。

 あ……やりすぎた、かな?


「……なぁ、妖夢。さっき、爆発させていい、とか言ってたな」

「え? え、えぇ、言いまし――きゃぁっ!」


 いきなり彼が飛び起きて、私を押し倒す。 

 昨日と同じ光景にドキドキして、拘束される。


 そして、彼も私と同じように耳舐めと甘噛みを始める。

 抵抗しようにも、してもらうことへの期待と拘束によって、できない。


「ふぁぁっ……! ぁ、うぁ、ぁっ……!」

「……ほら、どうだよ。さっきまで涼しい顔してやってた行為を、自分がやられるのは……?」


 彼のいつもより低い声が、さらに妖美な魅力を帯びて、感度が増してしまう。

 全身が言うことを聞かないで、快楽に身を委ねようと、早くも自分の理性は陥落してしまおうとしている。


「ぁっ、あん、ああっ!」

「……結局妖夢も、抵抗してねぇじゃねぇかよ。気持ちいいのか……?」


 一瞬覗いた彼の顔が、今までで一番意地悪な笑いを浮かべている。

 嗜虐(しぎゃく)的な笑みは、私の声を漏らすのをさらに促進させる。


「あっ……! そ、れ、だめぇ……!」

「だめ、とか言っておいて、身をよがらせて。説得力の欠片もないな?」


 彼の舌の動きがさらに激しくなり、頭の中を直接舐め回されている感覚が訪れる。

 その時、悟った。これは、快感に身を任せた方が、幸せだと。

 彼にめちゃくちゃにされた方が、私自身、幸せなのだと。


「ぁ、ああ、それ、きもひいい、れふ……!」

「……っ! エロすぎだろっ……!」


 そう耐えるように天君が言うと、舌使いがまた一層激しくなる。

 暫くその舌使いに幸福を感じていると、全身から何かが湧き上がってきた。

 それの正体は、寒気のようで、不快感のようで、実際は底知れない快感。

 今までの波で、一番大きい快感がくる。そう、予感した。


「んぁっ! もう、らめれしゅ! あ、きて――んあぁぁぁああぁ!」


 ビクンッビクンッ!! と、体が勢い良く跳ねた。

 それは一回ではとどまらず、何回も、持続的に。

 大きな快感の波が去っても、小さい波が何度もきて、全身が小さく震えっぱなし。


「あ、あぅ、あぁぁ、あっ……」

 

 漏れる声しか出ておらず、きちんと声が出せない。

 そして、はっとなった天君が見えた。


「……あ、お、おい! 大丈夫か!?」


 そう叫んで、私の腰をとって起こそうとする。

 自分の中で、危険警報が鳴った。そして、さらなる未知の快感の訪れの予感に、恐怖した。


「あ! だ、だめです! 今貴方に触れられたら――ふにゃぁぁぁあああ!」


 彼に持ち上げられた瞬間、私は猫のような叫び声をあげ、再び大きな快感の波に襲われる。

 大きく体が揺れ、痙攣する。

 快感の高波が、小さく余波を残して震えさせ続ける。

 全身を鋭く貫き、私の脳をダメにする。この快感を覚えたら、もう元には戻れない。

 そう、確信できた。 


 でも、今更もう遅い。

 今日のところは、自分の欲望に忠実に、彼に全てを受け止めてもらおう。


 彼の腰に自分の足を巻きつけ、彼の足の上に自分が座る。

 腕は彼に回し、思い切り抱きつく。が、力が入らない。

 彼を離したくない、と言わんばかりに密着する。


「しょらぁ……だいしゅきぃ……」

「うあっ、それ……! お、おい、妖夢!」


 呂律も回らない中で言って、自分の中からふっ、と残り僅かな力が抜けていった。

 崩れ落ちるところを彼が支えてくれる。

 あぁ、やっぱり彼は、優しい。


 彼の優しさの温もりに包まれながら、意識が飛んだ。

ありがとうございました!


……自分で書いててなんですが。ヤバイですね、これ。


他の小説投稿サイトのR15作品や、一般的な小説のR15基準、ハーメルンのR15作品等、色々探しました。

探した上で、これはR15の範囲内、大丈夫だろうと判断致しました。

もしかしたら、運営様から怒られてしまうかもしれませんが。

その時は、削除又は問題箇所の編集ということで。


よろしくお願いします。


ではでは!

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