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東方魂恋録  作者: 狼々
第4章 幻獣
38/90

第37話 欲望のままに

どうも、狼々です!

今回は、あまりストーリーは進めません。


一回執筆中、約6000字が消えかかりました。

自動保存に引っかかってたので、サルベージ。

危なかった……!


冷や汗かきまくってました。焦った焦った。


UA数が5000いきました!

皆さん、ありがとうございます!



では、本編どうぞ!

妖夢が天を連れて、永遠亭の方向へ、超スピードで飛んでゆく。

今まで私が見た中で、一番の速さだった。彼女の必死さが伺われる。

今、私たちは博麗神社に向かっている。もうすぐで到着する。


この後、色々と確認すべきことがある。

紫への報告、人里の安全確認、他の幻獣は出ていないかの確認等……

思うだけでも疲れてくる。


天のことは妖夢に全部任せたほうが良いだろう。

……ただ、祈る。天の無事を。




博麗神社に着いて。


「紫、他の幻獣は?」

「なし。結果も見てたからわかるわ。天は大丈夫よ、霊夢」


紫の声が返る。

見ていたのならば、手伝え、と言いたくなるが、それはあまりしない方が良いとわかり、開きかけの口を閉じる。

何故なら、紫は緊急事態に対応してもらわないとならないから。


彼女の能力は、ほぼ万能。境界の専門外でなければ。

故に、残ってもらう必要があるのだ。


「そう。で……人里の方は?」

「被害は勿論なし。ただ、白黒の霊力の柱で若干名不穏を抱いたのがいる。もういっその事話した方がいいのかもね」


そう、か。

話した方が、万が一幻獣が人里に降りた時に、迅速な避難ができる。

むしろ、話してしまった方が危険の回避に繋がりそうだ。


「……話しましょう。さすがに、黒白の霊力の柱は隠せないわ。異変ね」

「そうね、幻獣異変、というところかしら? じゃ、早いこと話してきなさい」

「は~い」






飛び立って、多数ある人里へ。

皆に手伝ってもらいつつ、演説を行って、幻獣の説明をした。


勿論、少々のパニックになった。

幻獣がいきなり襲ってきた、という感じ程ではないが。

身の危険を知らされて、無理もない。


だが、皆で幻獣と命を賭して戦ったこと。

実際に今、命を落としかけている、一年前に来た外来人、天のことを話すと、途端に静かになった。


そして、こんな声が聞こえてくる。


「天さんは、頑張ってくれたんだろ!? 命を賭けて、皆を、俺達を! なら、安全なところにいる俺達がするべきことは、怒号を飛び交う環境を作ることじゃない! 信じて応援することだろ!?」


一人の若者が、静寂を破って、皆を諭し始めた。

その声は、人里皆の意識を変え始めた。


「そう……だな。ここに来てたった一年の天さんが、俺達皆を守ってくれたんだ」

「そうだよ! 後で天さんにはお礼だ!」

「そうだ! 博麗の巫女達も頑張ってくれたんだろ? なら、天さんが元気になって宴を用意しないとな!」


再び、里がざわつく。

しかし、その原因は、先程と違って決して悪いものではなかった。

それを見た私たちは、ふと、笑みをこぼした。


―*―*―*―*―*―*―


「よし……終わりよ。いつ目覚めるかは彼次第。じゃ、そっちも診せて」

「あ、ありがとうございます。お願いします……」


シャツを開いて、妖夢の怪我の具合を診る。

お腹に、少し裂かれた跡がある。この形はきっと、爪。

大方、派手に引っかかれたのだろう。


出血の割には大した傷じゃない。

入院も必要ない。少し薬を投与すれば、一週間せずに治る。


「……わかったわ。今から薬を塗って、一週間もしたら治るわ」

「あ、ありがとうございます……」


ちら、と妖夢が横たわったままの天を見る。


天は、お腹に広く包帯を巻いていて、ひどい状態。

完全に治るかどうかもわからない。

でも、命が危険にさらされる状態ではなくなった。あのままだと、遅かれ早かれ死んでいたが。


「心配なのはわかるわよ。目が覚めるまでいていいから、彼のそばに居てやりなさい」

「あ……そうですか。ありがとうございます」


と言いつつ、またちらりと見ている。

どれだけ好きなのよ……


「……はい、終わり。もう私達は出るから、傷に響かない程度にならイチャついていいわよ。じゃ、行くわよ、鈴仙」

「はい、師匠。……では、思う存分イチャついてどうぞ?」

「なっ……! い、いや、イチャつくって――」


私の言葉の続きも聞かず、早々に部屋を出て行く鈴仙と永琳。


……ちらっ。

彼を見る。すー、すーと今は寝てしまっている。

彼の顔が見たい。こんな状況だと言うのに。


彼の横たわるベッドのすぐ隣に椅子を移動させ、顔を覗き込む。

……寝顔も可愛い。


そんなことを考えていると、突然、天が呟く。


「ぁ……かあ、さん……とう、さん……」

「ひゃぁっ!? ……お母さんと、お父さん、ですか?」


両親を呼んだ天君の顔が、不意に悲しそうな顔になった。

その瞬間、私の胸が痛みだす。


「かあさん、とうさん……いか、ないで……」

「ぁ……」


天君が、一筋の涙をこぼした。

つー、と一筋だけ。……何か、悲しいことがあったのだろうか。


前にも、聞いたことがない。

彼は、中々自分のことを話そうとしない。

以前、前の暮らしがどんな感じだったのかを聞いた時のこと。




「天君、天君は前に、どんな生活をしていたんですか?」

「ん? ……あ~、いや、俺のことは別に良いじゃないか」

「……でも、私は気になります」

「いいじゃん。俺の今の暮らしは、ここにあるんだから。昔より今だよ」




そんな会話をしたことがあった。

その後、何を聞いても、『別に良い』、『今とは関係ない』、とかで返された。

まともな返しをしてもらった試しがない。

……話したく、なかったんだろうか。


そう思うと、急に罪悪感に苛まれる。

今の天君の言葉を聞く限り、両親と何らかの事情で離れることになったのだろう。

……いつも天君は、信頼、信頼、って、互いの関係を大切にする人だった。






……そして、その信頼関係が壊れることに、人一倍敏感になっていた。

幽々子様と天君の抱擁の時を思い出す。


泣いてしまうほど、天君は思い詰めていたんだ。

普段は涙を見せようとしない天君が。


今は、無意識。それで、泣いている。

……一人で、背負わせている。


私は以前、頼ってくれ、と言った。

でも、こうやって隠れて泣いている。

私がこんなことにも気付けないから、私に話そうとしないのだろうか。


……好きな男の子の役に立てるなら、役に立ちたい。

励ませるのなら、励ましたい。


「大丈夫ですよ……私が、そばにいますからね」

「ぁ……」


涙をそっと拭いて、呟く。


私の言葉が天君に届いたのかはわからない。が。



彼が、少し笑った気がした。


それに嬉しくなり、彼の手を握りしめた。


―*―*―*―*―*―*―


……ゆめ。気持ちがいい訳じゃない、ゆめ。


あの時を思い出す。


両親が俺を――捨てた日のことを。


目の前で、両親と小さい頃の俺が会話している。


「ここで待っていなさい。すぐに戻ってくるわ」

「いい子にしてるんだぞ、天?」


両親の笑顔が浮かび上がる。





――けれど、それは偽り。


「うん、わかったよ! お父さん、お母さん!」


その偽りの笑顔に気付かない、俺。




――二人とは違って、心からの、偽りのない笑み。






つい、口からこぼれてしまう言葉。


「母さん……父さん……行かないで……!」



瞬間、ゆめが覚める。


目の前に広がるは、白玉楼。


白玉楼をバックに、妖夢が映っている。

これは現実のものじゃないとわかっていながらも、彼女の存在に安心する。


怪我、大丈夫だったか……


俺がそう思ってすぐ、彼女の言葉。


「大丈夫ですよ……私が、そばにいますからね」


柔和な笑みを浮かべた妖夢のその言葉は、俺を更に安心させ、幸福感を満たし、笑顔にさせるには、十分過ぎた。






やっぱり、俺は彼女が好きなんだ。


彼女の存在は、俺の中でかなりの大きさに膨らんでいる。

……檮杌にやられかけた時は、自分の命を差し出してでも、彼女を助けたかった。





本当に大切なのは、俺ではなく、彼女なのだろうか。


それなら、俺はなんて幸せなんだろう。


これは、現実じゃない。もう俺は死んでいて、ここは天国なのかもしれない。

俺が天国に行けるかもわからない。


けれど――






――好きな女の子の為に、命を尽くせたのは、よかった。


最初に庇ってもらった俺が言えることじゃないかもしれない。

けど、自分の命と引き換えにできるなら安いものだ。

そこまで考える程に、彼女が好きだということに、得も言えぬ幸福感があった。



「まだ、天君は死んじゃだめです。だって私は、天君のことを――」


彼女の言葉の最後は、聞くことができなかった。だが、こうであって欲しいという考えはあった。


「あぁ、俺も、妖夢のことを――」


そこで、俺の意識は引き戻される。


―*―*―*―*―*―*―


「ぁ……あぁ……」


目を開く。


景色は、つい最近見たことのある天井。


「生きてたか……また運のいいことで」


本当に。

腹に大きな穴が開いていたのに。

臓器に突き刺さって、出血多量で死んでもおかしくなかったのに。

ただ、ちくちくと腹を刺す痛みがある。さすがにどうともない訳ではないらしい。


起き上がることはできそうなので、起き上がろうと手を動かそうとして。


「……んんっ……」

「……うん?」


妖夢が、いた。

眠っていて、俺の胸に頭を乗せて。

そして、俺の左手を握りながら。


すやすやと寝息を立てている彼女の『素』の顔が、俺の目の前にあった。

可愛すぎる……!


「なっ……!」


愛おしさの増した彼女の顔は、俺の心臓の鼓動を急加速させる。


バクバクと鳴り止まない心臓がうるさい。

どんどんと上がってゆく体温が鬱陶しい。


紅潮してゆく自分の顔。

未だに加速する心臓のリズム。

妖夢の握ってくれている手の暖かさ。


彼女の魅力が溢れる顔から、視線を離すことができない。


「……ん、んっ……」


少し声を漏らして身をよじらせる。さらに顔に近づいてきた。

その動作一つにも、信じられないほどの可愛さ。

俺の頭の中は、彼女で占拠されていた。


「ぁ……っ……!」


理性の限界が近くなる。

このままだと、何をするかもわからない。

が、鋼の如き精神で何とか持ちこたえる。


「あ、あっぶね……!」


が、我慢できずに、彼女の顔を見てしまう。

依然として眠り続ける彼女は眠り姫のよう。

彼女の艶やかな唇に、色気を感じてしまう。


「う……ぁ……」


自然と、彼女を自分の方へ抱き寄せた。

自分の意識とは関係なしに、体が動く。


瞬間。


「はいは~い、何しようとしてるの? 発情しちゃってるの?」


ビクッ、と体を揺らして声のした方を見る。

そこには、扉の前に立っていた、永琳が居た。


「え、ええええ永琳!? い、いい、いつからそこに居た!?」

「貴方が、『生きてたか……』って言ってた時くらいから」

「一番最初からじゃねぇか!」


全く、危なかった。

永琳がじゃなく、俺が。

もし永琳がいなかったら、今頃俺は何をしていたかわからない。


「で、容態を説明しに来たら、貴方が発情してたってわけ」

「発情してねぇよ!」

「案外間違いでもなかったじゃない。妖夢の顔見て興奮してたじゃない」

「う……」


ちら、と妖夢の顔を見る。

破壊力の寝顔が、俺の理性を削り取っていく。

急いで目を逸らし、永琳に再び目を向ける。


「ほら、やっぱり」

「だから違うって言ってんだろ!」

「静かにしなさいよ。今起きられたらどうなると思う? 私が起きた妖夢に現状を伝えたら、社会的抹殺は(まぬが)れないわよ?」


卑怯過ぎだろ!

男の立場として、絶対に勝てないこの状況。

屈服するしか……ない、のか……!


「はい、いいこいいこ。で、貴方の傷。もう塞がってるわ」


……はい?

『もう塞がってる』? あんなに穴が開いた腹が?

今も包帯が巻かれているのに?


「試薬、使ったわ♪」


にっこりとした笑顔で言う。

……俺はもう少しで死んでしまうようだ。

さよなら、皆。さよなら、妖夢。

俺はどうやらここで死ぬ運命らしい……


「そんな安らかな表情しないでよ。私が使ったのは、『治癒機能活性化』の薬。霊力がすごい勢いでなくなる分、治癒能力が飛躍的に上がる。貴方の中のお友達が、霊力を提供してくれたのよ。感謝しなさいよ?」


栞が……?

いつの間に知り合ったのだろう。

少なくとも、前の三日で知り合った様子はない。


「いやぁ……別に褒めてくれていいんだよ?」

「ありがとー、わーい、たすかったよー、さすがしおりさーん」

「ひどいね!?」


やはり栞はいじり甲斐がある。

話してて面白い。


「……で、貴方がここにいるのは三日。よかったわね?」

「お、おう……この前と同じ日数ってのもちょっと納得いかないが……」


これで三日なら、前の時はもっと早く帰れたよな……?

暇すぎて死にそうだったというのに。


「それより、これ」


永琳が近寄って、俺に何かを差し出した。




それは、二つのペアネックレスだった。


「それ、血で汚れてたから、二つとも洗っといたわ。気遣いができる永琳さんに感謝しなさいね」

「あ……あ、ありがとう! よ、よかった……」


このネックレスは、本当に大切にしようと思っていたものだ。

妖夢との共通点、っていうか、そういうものを持てる気がしたのも理由の一つ。


「……ホントに妖夢が好きなのね」

「……ああ、好きだよ」


俺は至って真面目に答える。

自分のこの思い。やっと気付いたこの思い。

ぼかしたくないのだ。


「せいぜいお幸せに。もう私は部屋を出るわ。あとは好きになさい。無理したら許さないけど」


そう言って、永琳は足早に部屋を出る。


再び、二人きりに。

彼女はまだ、眠り続ける。

愛しい。可愛い。愛でたい。


そう思っていたら、彼女を撫でていた。

やめておけばよかったものを。

彼女は、顔をほころばせて、身をよじらせる。


「……んっ……」


艶っぽい、色っぽい声を出した妖夢は、いつもより魅力的だった。

俺の瞳には、もう妖夢しか映っていなかった。

……どうやら、もう既に、俺は妖夢に夢中になってしまっているみたいだ。


「っと、そうだ……」


先程永琳から受け取ったネックレスを、自分の首にかける。

そして、もう一つのネックレスを、妖夢の首にかけようとする。


「……しょ、っと」


かけている途中、俺の手が、妖夢の首に当たる。

すると。


「……んんんっ……!」


ビクンッ、と彼女の体が震えた。

顔は紅潮していて、息も荒い。


……おかしい。


耳元で、囁く。


「……おい、妖夢。起きてんだろ?」

「ぁぁっ……! ――いつから、気付いてました?」


やはりか。妖夢が目を開けて、俺と目を合わせる。

まだ紅潮した頬と、とろりとした目が、俺の理性を狂わせかねない。

思いが、爆発しそうだ。


「ついさっき。で、そっちはいつから起きてた?」

「……最初から、です」


あ……?

ってことは、さっきの永琳との話も……!


「い、いや、俺は欲情したってより、ええと、その――」

「天は、私を女として見てるの……?」


いっ……!

なんて質問なんだ……!

今この顔で、この質問をされたら、色々とまずい。

いや、深い意味はない……はず。正直に答えろ。やましい気持ちなんて全くないんだ。


「……ま、当たり前だ。妖夢はかなり可愛い女の子なんだ。女の子として意識するなってのが無理だな」

「え……か、かわ、いい――ぁっ!」

「ん……妖夢?」


妖夢は顔だけでなく、耳まで赤くなる。

そして、少し様子がおかしくなる。

それに気付いた時には、既に遅かった。





妖夢は、俺に抱きついていた。


「よ、ようむ――!?」

「もう、我慢、できない……! 天君!」


俺の胸に思い切り抱きついて離れない。


俺の心臓は、さっきまでとは比べようもないくらいにうるさかった。


ドクンドクンと激しく音を立てていて、妖夢に聞こえそうだった。

俺も、顔が紅潮しているのがわかる。


「ど、どうしたんだ……?」

「……私を、抱き締めてください。お願いです」


もう、俺は限界だった。

大体、こんな反則級の妖夢に、抗えってのが無理な話だ。


「妖夢!」

「ぁっ……!」


思い切り、抱き締めた。


妖夢が本当に俺のことを好きなのかどうかはわからない。

けれど、妖夢から抱きしめて欲しいと言ったのだ。

なら。関係ない。


俺の思いをそのまま込めて。


―*―*―*―*―*―*―


私が手を握って、天君の寝顔を堪能していた。

それで、顔を彼の胸に乗せていると、ひどく安心感があった。

そんな最中。彼が突然に起きた。


「ぁ……あぁ……」


ビクン、と驚いて、寝たふりを決行した。

我ながらなんて馬鹿なんだろう……あの時。天君の狸寝入りがバレた時。

天君にああ言っておきながら、今は、自分も同じ事をしている。


少し声を出しながら、彼の胸に深く顔を押し付ける。

全く、こんな状況だというのに、どこまでも私は強欲だ。


そして、そのままやり過ごそうとした時、永琳が声を出した。

天君はひどく驚いた様子で反応していた。どうしたのだろうか?


会話を聞いていて。

天君が私に、その……よ、欲情していたらしい。

私としては……正直、とても嬉しい。


『あ、私を異性として見てくれてるんだ』、って感じがするから。


そして、私の心臓が止まるんじゃないかと思う発言が。


「……ホントに妖夢が好きなのね」

「……ああ、好きだよ」


思わず、叫び声を上げてしまいそうだった。

彼の口から。私を『好き』だ、って……

私の思考は、ここから蕩けていたのかもしれない。


彼の手が、私の頭を撫でてくれる。得も言えぬ安心感が。


そして、彼がネックレスをかけてくれた。ああ、やっぱり優しいな、と思った瞬間。


彼の手が、私の首元に当たった。


彼のことをひどく意識していた私は、声が出るのを必死で我慢した。

けれど、無駄だった。


「……んんんっ……!」


声も少し出てしまったし、体もビクンと震えてしまった。

バレた……? いや、大丈夫だろう。


そう思って、油断していると。


「……おい、妖夢。起きてんだろ?」


耳元で囁かれた。いつもよりも低い声が、私の耳の中で反響する。

普段より魅力的な彼の声。ドキドキが増してしまう。


このままだと、いずれバレるので、早めに白状した。


だが。私の思考は、既に手遅れな状態だった。

さっきの永琳との話を掘り返し、彼に聞く。

さらには。


「天は、私を女として見てるの……?」


本当に、何を考えていたのだろう。

そして、彼も何を思ったのか。


「……ま、当たり前だ。妖夢はかなり可愛い女の子なんだ。女の子として意識するなってのが無理だな」


限界。もう、吹っ切れてしまおう。

何もかも投げ捨てて、欲望のままに身を委ねようか。

そう思って、彼に夢中で抱きついた。強く抱き締めた。


彼も当然戸惑っていた。けれど、同じように、強く抱き返してくれた。


あぁ……この感覚だ。この湧き上がってくる幸福感。

私は、この幸福感がずっと続いて欲しい。


そう、願った。

ありがとうございました!

R15でこれはセーフ……ですよね?

セーフであることを祈ります。


最近、ずっと前に食べていた、『CHOICE』というビスケットを再び食べてまして。

意外に美味しい。甘くて。

知ってる方はいるんでしょうか。


今後、前・後書きに雑談を入れていきたい今日このごろ。


ではでは!

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