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東方魂恋録  作者: 狼々
第2章 修行in白玉楼
17/90

第17話 相談

どうも、狼々です!

1日に、29日に注文した、紅魔郷、妖々夢、永夜抄が届きました!

待ち望んでましたよ。

早速プレイしたわけですよ。紅魔郷から。

すると、Windows10で起動しようとして、超高速のバグが起きました。かなり焦りました(笑)直りましたが。

結果なのですが、EASYなのにコンティニュー3回使いました! なんということでしょう!

弾幕ゲーム初めてなんですよ。これから頑張って上手くなります。

……先は長そうですが。

では、本編どうぞ!

朝になった。昨日もいつもの如く練習していた。

もう一ヶ月もこの生活リズムを続けているので、いい加減慣れてくる。

きっちり定刻通りに起きられた。

布団の中から出て、布団を畳んでしまおうとした時。


……ん? 何か体が動かな……固定されてるのか?

いつもはこんな感覚は全く無い。なので、俺は不気味に感じる。

原因を探ろうと、固定されてる布団をめくる。腕も大きくは動かせない。

腕の動かせる範囲で……



――妖夢がいた。妖夢が見えた。俺に腕を回している妖夢が。



俺はすぐさま布団を戻した。今俺の思考がパニック。

一旦落ち着くんだ、俺、素数を数えろ……1、2、3

――おい。1は素数じゃねえよ。残念なことに、ついに俺の思考も末期なようだ。

いや、まだ見間違いの可能性。妖夢によく似た人形が……

俺はそう思い、もう一度布団を覗く。


――変わらず妖夢がいる。『すう……すう……』と寝息を寝息を立てて。


見間違いでも人形でもない。正真正銘、本物の妖夢がここにいる。

ここは俺の部屋。布団には俺と妖夢。

俺は夜に練習して眠った。少なくともその時に妖夢はおろか、部屋には俺以外入っていない。

となると、その後だ。俺が寝ぼけて妖夢を部屋にお持ち帰りしたとかでない限り、

妖夢が自分の意思で俺の部屋の布団の中に潜り、腕を回したことになる。


……超恥ずかしい。今俺の心臓の速さがマッハ超えそう。

いや超えたら超えたで別の問題が……

そこまで思考を巡らせた時。俺の布団の中から。



「……んぅ……ぅぁ……」



と、妖夢の声がした。俺は動きを硬直させる。妖夢の様子を見るが、起きた様子はない。

……ああ、心臓が止まるかと思ったぞっ……!

あまり動かない方がいいか……? いや、ここは静かに抜け出して――


「んん……そら、くぅん……?」


あ。妖夢が起きた。オワタ、もうダメだ。

いや、まだ弁解の余地はあるはず。ここは俺の部屋なんだ。何も怖がることは――


「えへへぇ……天くん、だぁいすきだよ~……えへへ……」


甘々の声が耳元で出される。

妖夢に腕の回す位置を背中から首に変えて、強く抱かれた。


――ドクン、ドクン……!


――え、妖夢、今……


妖夢の言葉を認識する前に、抱かれたときから心拍数は跳ね上がっていた。

最初の心拍とは比べものにならない。五感の中の味覚以外の4つが彼女で満たされる

彼女の甘美な声で。甘い香りで。華奢な体で。端麗な容姿で。

ヤバイ……そろそろ、理性まで……!


「よ、よう……む……!」

「……へ?」

「……え?……あ」


さっきまでよりもはっきりとした声が聞こえた。思わず間の抜けた声が漏れる。

妖夢は寝ぼけてたのか。よかった……いや、よくない。


「ひ、ひゃあああ! す、すみません!」


そう言って彼女は俺からすぐに離れる。

……それもそれで、その、少し寂しいというか……


「ちょっと待って落ち着こうか!」

「あう……あ……」


妖夢の顔は限界まで紅潮していて、まともに声も出せていない。


「妖夢、ここは俺の部屋だ。妖夢は何をしに来た?」

「あ、いや、えっと……」

「……わかった。混乱してるようだし、落ち着いた時にでも話してくれ。俺は先に朝食作ってるよ」

「ひ、ひゃい!」


俺は妖夢の慌てた返事を聞いてすぐに部屋を出る。

妖夢に紅潮した顔を隠すようにして。

俺の心拍は今まで生きてきた中で、一番強く、速くなっていた。


―*―*―*―*―*―*―


私はもう重症だった。

天君のことで頭がいっぱい。もっと一緒に居たいと思う。

もっと話したい。もっと顔を見ていたい。もっと触れていたい。

そう考えるけれど、いざ彼と会うと上手く言葉が出せない。

心拍数は上がり、顔は紅潮。思考も溶かされる。

話した後はどうしようもなく喜んで、次を楽しみにして、終わったことを寂しく思う。

早く修行の時間にならないかな……そうすれば、長い時間二人きりでいられるのに。


私はそう思いながら、彼のいる台所へ向かう。

私の中がとても満たされて、自然と笑顔が溢れてしまう。


―*―*―*―*―*―*―


俺が台所へついて数分後、妖夢も追いつき、二人で作り始める。

朝食を作ることに集中しようとするけれど、無理な話だ。

かといって、さっきのことについて聞くわけにも……いや、聞かないわけにもなぁ……


「……な、なぁ」

「ひゃい!」

「……どうしたんだ? 今朝は俺の布団の中に入ってるし、今は俺の言葉に過剰に反応するし」

「え、えっと、ですね……その、だめ、でしたか……?」


そんなに上目遣いで悲しそうにされると……な?

上目遣いって小動物的な雰囲気が出て断るにもできないよね。


「い、いや、その……別に嫌な訳じゃなかったし……ただ、心配だったんだ。二つの意味で」

「二つ、とは?」

「一つは、妖夢に何かあったのかって意味で。一つは……身勝手なんだが、俺が嫌われたんじゃないかって意味で」

「……私、あの時言いましたよね。天君のその辛そうな目は見たくない、と。今の天君はその目をしています」


俺には返す言葉がなかった。


「私は天君のことは嫌いになんてなりません、絶対に。私から言わせてもらえば、天君がその目と表情をする方が嫌です。天君が心配になるのは私もなんです。……その顔をされると、逆に嫌いになってしまうかもしれません」


妖夢の言葉は俺の心に刺さって、抜けない。

じわじわと心に痛みを残していく。ゆっくりと。しかし、確実に。


「……そう、だよな。やっぱり妖夢は、俺のことが――」




「何で分からないの!?」




妖夢の怒号が聞こえる。こんな声は今まで聞いたことが無い。

俺は目を見開いて彼女を見る。目にははっきりと怒気を宿している。

敬語もなくなるくらいに、怒っている。


「私は天君を嫌いにならないって言ってるの! その顔をされると、胸が締め付けられるの! 天君が苦しいのはわかってる、でも! 私は同じくらい悲しくなる! 泣きそうになる! その顔を見せられると、私は信用されてるのか不安になる! 相談もできないほど信頼されてないかと思っちゃう!」

「……いや、そんなことは――」

「だったら!  もっと私を頼ってよ! そうじゃないと、私は……逆に天君に、きら……われた……かと……」


そう言って、妖夢の瞳には涙が溜まり始める。

その涙が、さらに俺の心を痛めつける。


「妖夢……」

「わた、しも……天君には、きらわれたく、ないの……!」

「……それこそ無いな。俺が妖夢を嫌おうにも嫌えないからな」

「私も、そうなんだよ? もっと、頼って……?」

「ああ、……そうさせてもらうからさ、もう泣かないでくれよ」

「ひっく……うん、ありがとう……ごめんね?」

「いいんだよ。元々俺が発端だしな。悪いのはどちらかというと俺だ。俺の方こそごめんな?」

「……うん、いいの」

「――ありがとう」


妖夢の泣き顔は、あまり見たくない。

見ていると、心が苦しめられる。喉も絞められたように痛く、苦しい。




朝食を終えて、妖夢との修行を始めようとした時。


「ねぇ、天。ちょっと私の部屋に来てもらえない?」

「ああ……修行が終わってからじゃダメか?」

「できるだけすぐに聞きたい事があるの。何とかできない?」

「……ってわけだから、ごめんな、妖夢。ちょっと行ってくるよ。すぐに戻ってくる」

「……へ? あ、はい……」


妖夢が見せた顔は、あからさまに沈んでいた。

――まるで、俺が近くにいないで悲しいと言うように。

さすがにそれはないよな。


――ない、よな……?



幽々子と共に彼女の部屋へ入る。

幽々子が話を切り出す。


「ねぇ、妖夢の様子はどう?」

「……何か、昨日の問題は解決した。けど……別の問題ができたな」

「何があったの?」

「今日の朝、俺が起きた時に布団の中に妖夢がいた」


幽々子は目を見開いて驚き、たっぷりと10秒近く硬直していた。

無理もない。俺だって驚いたんだ。俺よりも親しい幽々子の反応は当然だろう。


「貴方、もしかして……妖夢に、その……手を出し――」

「違ぇよ! 絶対疑われると思ったよ! ……俺は、俺の部屋で寝た。その時に俺以外の人物は確認していない」

「妖夢が自分からってこと……?」

「俺も信じられないけどな。そうとしか考えきれない」

「……他には?」


……ある。あるっちゃある。けど……不確定だし、何より恥ずかしい。

頑張って表情には出さないようにしていたが、幽々子は僅かな俺の表情の変化も見逃さなかったようで。


「……あるのね? なんなの?」

「……いや、言うのは、その……恥ずかしい、し……何より本当かどうかもわからない」

「……貴方、妖夢に何をしたの? いくら何でも、していいことと悪いことがあるでしょ? 区別だってつくわよね?」

「おい待て幽々子。どうして俺が全面的に悪いことになってんだ。まだ内容言ってないだろ」

「天が勿体ぶるからでしょ。さっさと言ってしまいなさいよ」


……やっぱり恥ずかしい。でも、言うしか無い、か。


「……妖夢が寝ぼけてて、布団の中で俺に、だ、抱きついて……その……だ、『大好き』って言ったんだよ……」


……ああもう! 恥ずかしいにも程があるだろ! 

……あれ? 幽々子の視線がなんか生暖かくなったような……

幽々子はフッ、と柔らかな笑みで言う。


「……おめでとう。もう私からは何も言うことはないわ。頑張りなさい」

「俺からは数え切れないほどあるよ! 話を終わらせようとすんじゃねぇ!」

「もう頭が逝ってしまったようだからね。私達にはもうどうすることも――」

「家族同然なんだろ!? 諦めるなよ! 頼れ、って言い出したのは誰だったよ! ああ!?」

「……そう怒らないで頂戴。嘘かどうかを確認しただけよ」


俺嘘吐いてるって疑われてたのかよ。

それもそれでどうかと思んだがどうだろう幽々子?


「……それって、本当なの? 聞き間違い……とかは?」

「ないな。耳元で言われたから間違えようがない」

「……本当かどうかわからない、っていうのは?」

「寝ぼけてたからな。真偽はわからない。それこそ、妖夢にしかな」

「……わかったわ。もう十分よ。一応妖夢に聞いてみるけど、大体の見当はついたわ。貴方は心配する必要はない。修行に戻っていいわよ。悪かったわね。あと、妖夢も呼んできて頂戴」

「……いや、見当ついたなら、俺に教えてくれても――」

「呼んできて頂戴。あまり不確定要素を教えても意味がないでしょ」


……圧力がすごい。聞くな、ってオーラが溢れてる。

ちょーこわい。


「あー……わかったよ。悪かったな、呼んでくるよ」

「ええ、ありがとう」


俺は外に出て妖夢のところへ戻る。

妖夢は俺に気がつくと、あからさまに表情を明るくする。

――まるで俺と一緒にいることが嬉しいと言うように。


「妖夢、幽々子が部屋に来なさいってさ」

「……わかり、ました。先に始めていて下さい」

「おう、わかった」


妖夢は再び沈んだ表情に戻り、玄関へ向かう。

――俺は、妖夢に求められてる……のか?


俺は、俺が少しだけそうであることに期待しているとは気付かない。


―*―*―*―*―*―*―


「失礼します、幽々子様」

「ええ、入って頂戴」


妖夢が私の部屋に入る。

……さっそく本題に入ろうか。


「ねぇ、妖夢。貴方、最近様子がおかしいじゃないの。何かあったのでしょう? さすがに気付かない、なんてことはないわ」

「……いえ、何も――」

「嘘。私は貴女の主人よ。さっきも言った通り、気付いていない訳が無いでしょう?」

「……本当に、何も……」

「……天のことで何かあるの?」


天の名前を口にした瞬間の妖夢の顔が少し固まる。一瞬だけ。

だけど、私はそれを見逃さない。


「なるほど。やっぱりそうなのね。」

「いえ、違いま――」

「違うってことは、他に何かあるってことになるけど、何? 私にも言えないようなことなの?」

「……そう、です。天君のことで、少し……」

「……天君が嫌いなの?」

「い、いえ! 決してそんなことは……!」


妖夢が必死になって否定を始める。

その必死さから、本心からそうであると推測ができる。


「じゃあ、何なの?」


私も予想はついている。多分、合ってもいるだろう。

けれど、私はあえてそれを妖夢の口から言わせる。……私に言えないようじゃ、何もできないだろうから。


「え、えっと……その……」


妖夢は答えを言うのを渋り、頬を赤らめる。……やはりそうか。

そして10秒程経って、言葉を繋ぐ。


「え、っと……彼――天君のことが、少し……気になってまして……」

「……それはどういう『気になってる』なの? 能力が? 才能が? それとも他だったり、心配とかの意味?」


少しでも濁っている答えは受け付けない。

ちゃんと、自分の口からはっきりとした言葉として言ってもらう。

私が発言して、赤くなった頬が一層赤くなる。

頬だけでなく、耳まで真っ赤だ。……あら、可愛いわね! ていうかどれだけ想ってるのよ……




「そ、天君のことが、その……す、好き、なんです。……一人のい、異性、として……」




そこまで言うと、妖夢に限界が来たようで、顔を俯かせる。

ふふ、ホント可愛いわ……虐めたくなるほどに。


「彼のどこが好きなの?」

「……ひたむきさと、心の強さです。彼の努力は折れません。どんなに辛いことがあっても妥協しようとしません。……彼はこの一ヶ月ずっと、夜に一人で刀の練習をしていたらしいんです。……カッコイイ、そう思ったんです」

「……それだけ、なの?」

「いえ、違います! 彼にはもっと良い所が沢山あります。優しさだったり、真っ直ぐな目だったり。数えだしたらきりがありません。……私は、彼の全てを好きになったんだと思います」


あらあら……これはまた正直なことで。少しぐらいはぐらかしてもいいだろうに。

そう思って、妖夢に聞いてみる。


「ねぇ、何でそんなにはっきりと言うの? 少しは隠すものじゃない?」

「……隠したく、ありません。彼が好きなことは、隠したくないんです。彼のことが本当に好きじゃない、みたいに思われたくないので……」


聞いてるこっちまで恥ずかしくなってくる。

妖夢の純情は破壊力抜群ね……一種の兵器よ、これ。


「まぁ、貴女が天を好きなことはわかったわ。私からはこのことを彼に言わないと約束する。……いつか、彼に好きと言えたらいいわね」

「はい!」


妖夢の屈託ない笑顔。

私が男だったら、これだけで惚れてしまいそうね……


あの男はどうなのかしらね? ねぇ、天?

ありがとうございました!

活動報告に、これからの更新ペースについて書きました。

これからに関わってくるので、お手数ですがご覧になってください。

ではでは!

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