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硝子細工と君の面影
筆を投げつけた
飛び散った 青い絵の具
反吐がでる
「綺麗なものはない」
そう思っている
なのに、綺麗なモノしか描けないんだ
はっ!
笑えばいいさ
君に会いたいと
不躾に 送りつけた
馬鹿だよな
「あの絵はいらないの」
優しく告げて
燃える炎にこいつを投げ入れたんだ
はっ!
笑えばいいさ
俺に会いたいと
愛想笑い 虜になった
阿呆くさい
「貴方が一番よ」
嘘すら響く
青いガラスのユニコーンを貰った
「この絵を描いて欲しいの」
はっ!
笑えばいいさ
今回も捨てられると決まってるのに……
どうせ君は誰も愛せやしないんだろう
そう思っていたのに
君はただ、彼一人を愛している
ずっと、ずっと
きっと、永遠に
まだ、帰ってこないだけ?
もう、此処にはいないかもしれない彼を
嗚呼……
俺は筆をとった
硝子細工に君の面影を込める
二枚の絵だ
一枚は君に贈ろう
もう一枚を持って
俺は消えるさ
君が好きだから