災難 (桜子視点
今回はさくちゃんこと桜子視点です。
大きな紙を見に行った杏奈が呆然として
「あ、離れた」
と呟く。
「そうね。でも1組と2組だから体育は合同じゃない。」
すると、目を大きく開いてそうじゃん!とでも言うように手を叩き
「だよね!!よかった」
と言った。
裏を返せば体育しか合同じゃないのに……やっぱりこの子ちよっとバカなのかしら。
新しいクラスの新しいホームルーム。
先生は50歳くらいの厚化粧の女の先生だった。(あだ名はケバい+バハアでケババアと言うらしい)怖いくらいがちょうどいいやと思う桜子にとっては当たりだったと言えよう。
自己紹介などもひと段落し係り決めが始まった。
なんの係りにしようかな、楽なのがいいや。と考えていると
「片瀬さん」
とケババアに呼ばれた。
「はい」
と反射的に答える。
「我が校では、1クラスから1名ずつ生徒会のメンバーを排出するようになっています。1年生の時に選ばれた人3年間生徒会のメンバーとして活動してもらいます。もちろん昼休みや放課後も活動を行うので部活動には残念ながら入れません。」
……嫌な予感。
「片瀬さんは、中学校では生徒会長でしたよね?」
背中を冷たい汗が伝う。
「ぜひ、この重要な役を片瀬さんにお願いしたいのですが」
一応、私に頼む形になっているがこれは確実に強制だ。
目が、早くはいって言いなさいよ。と言っている。
私の高校生活は、早くもお先真っ暗だ……