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はじめに
校長先生の話、長いなあ。
今日から華の女子高生の私、榎本杏奈はまだ真新しいのであろうパイプいすをギコギコいわせながら先生の話に耳を傾けていた。
赤崎高校、入学式。
私たちが3回生となるまだ新しい私立校だがそれなりにい偏差値は高く、山の自然に囲まれている全寮制の学校だ。親元を離れて自立したいと感じる時期の高校生たちにとってそこそこの人気を誇っている。
校長先生の話にもそろそろ飽きてきた私はきょろきょろとあたりを見回し、
「あっ」
っと小さく声を上げる幼稚園からの腐れ縁、片瀬桜子とばっちり目が合ったのだ。くちぱくで
「さくちゃん!!」
と呼びかけるも、前向きなさい!と手で追い払われてしまった。
しかたがないので前を向いて先生の話を聞こうとすると、ちょうど話が終了したところであった。
これから楽しい高校生活が始まる
そう思うと期待で胸がいっぱいになった。