第1章 第1話
ガールズラブと言っていますが、そんなに強くないです。
「好きです。つき合ってください。」
ここは、私立椿姫女学院。名のとおり女子校である。そしてここはある意味有名な学校だ。
しかし特別、偏差値が高いわけでもまたお嬢様学校でもない。学校の規則がちょっといや、かなり変わっているためだ。この学校は、幼等部~高等部まである全寮制学校。そして、階級を☆の数で分けている。と、ここまでが入学する前の保護者に、伝えられる部分だ。ここから先は、入学した生徒のみに伝えられることだ。階級の分ける基準は頭の良さ、生活や勉強・授業への態度、彼女のありなしの総合評価になる。ここで、おどろいた人もいるだろう。ここで女同士がつき合うのは、あたり前なのである。ただし、つき合わなくてもいいのだが、ほぼだいたいの人が誰かとつき合う。なぜなら、階級があがりやすいからだ。そして☆の数が多いほど、待遇がいいからだ。階級は4つに分かれている。
☆1 ☆2 ☆3 ☆4 と呼ぶ。しかし☆4は通常幻と呼ばれている。
なぜなら、とてもめずらしいからだ。今まで約10万人をこえる人が入学したが、幻になった人は、10人にもみたないのである。このようにとても不思議で、奇妙で、変なので、そのヒミツがもれないように、外出は基本禁止!ただし条件付きでOK。
☆1は×。(外出できない。)
☆2はテスト100点(5教科)、彼女あり、ヒミツを話さないという証明書を書くこと。
☆3は彼女あり、ヒミツを話さないという証明書を書くこと。
幻は条件なし
しかし☆1、☆2、☆3は幻といっしょなら、OK。もしズルをしたり、約束をやぶったり、すればお仕置き部屋にてお仕置きを受ける。(これは校則をやぶっても同じ。)
主人公の北川 由香は☆3でもっとも幻に近いが、彼女がいないため☆3のまま。しかし幻になりたくて、中等部の入学式後に、大好きな親友に告白した。それが一番初めの1文である。
「え、うち?」
そう親友の渡部実咲は答えた。
「そう、みさ。だめかな?」
「えっーと。そのー。」
「なるべくなら、今すぐ返事がほしいの。」
「・・・・・わっわかった。いいよ。」
「ありがとう。じぁさっそく校長の所、いこ!」
「うん。」
ちなみに、彼女ができた場合なるべくすぐに校長にいわなくてはいけない。レベル分けのためだ。2人は校長室のドアをノックした。コンコン
「失礼します。」
「入っていいぞ。」
校長がそう言う声が聞こえたので、2人は中へ入った。
「なんだ?」
「私たち、つき合うことにしました。」
北川がそう言うと、
「あー、なるほど少し待ってろ」
と、校長は言った。それから、校長は机から1枚の紙をとりだした。
「えっーと・・・北川は、☆3で渡部は、☆1か。・・よし。」
校長は2人に近づき、それぞれに1つ☆バッチをわたした。
「やった。」
「え、うちじゃない、私もですか?」
渡部は驚き、聞いてみた。
「あぁ?そうだが?」
校長はそれがどうした、という感じで渡部に問いかけた。
「あ、いえ、べつに。」
渡部は北川に聞こえないように、小声で言った。
「み、さ?どうしたの?」
「ううん、なんでもない。」
「じぁ、寮に戻れ。寮にはこっちから、連絡しておく。」
「はい。」
2人がそう言い、
「失礼しました。」 バタン
と、校長室を出た。そして、そのまま学校を出た。
「ゆか?どっちいくの?こっちでしょ」
渡部は、そう言いながら3本の道のなかで左の道をさした。しかし、北川は中央の道を進んでいた。
「うん、歩いて帰ろうと思って・・・」
あぁそうだ、寮までは少し遠いため、だいたいの人はバスを使う。
「みさはどうする?」
「うちもいくよ。」
そうして、2人は歩き出した。しばらくしてから、
「やっと、幻になれた・・・・」
北川がだれにたずねるわけでもなくつぶやいた。
「うれしい?」
「もちろん!」
「なんで、そんなにうれしいの?」
「だって、親と約束したから。」
「え?」
渡部が、おどろいたのを北川は感じ、言葉を付けくわえた。
「あのね、小さいころ私はね、どうしてもここに行きたかったの。でも、『レベル分けなんて、差別してる所なんてダメだ。』って言って許してくれなくて。『そんなにどうしても行きたいなら、交換条件として幻になること』っと言われたの。」
「2つ聞いてもいい?」
「うん。」
「ここのなにが、よかったの?」
「全部。設備も、校則も、制服も、教育方針も、授業の雰囲気も、何もかも全部。」
「小さいころからそんなこと考えてたの?」
(み、みさ、痛いところ突いてくるな。あんまり言いたくないけど・・)
「う、うん。小さいころから、私ズレてたから。ところであと1つは?」
北川は、これ以上痛い所を突かれないように、わざと話を変えた。
「あ、なんで幻なの?」
「あぁそれは、お金がもらえるから。」
「え・・う・そ・・」
「ほんと。私の家、貧乏だから。」
(そんなの・・ひどすぎるよ・・自分の娘を・・まるで道具みたいに・・するなんて・・)
「みさー?みーさー?」
北川は固まっている渡部を呼んだ。
(それにゆかは、どうしてあんなに平気でいられるの?・・ふつうさらっと言えないよ。・・・どうして・・)さー?みーさー?みーさー、みさってば、みさ!!!
「わ!!!!」
渡部は北川の問いかけにやっときがついた。
「みさ、さっきからずっと呼んでたのに・・・」
「あっ!ごめんー(さっきの声はゆかの声か・・)」
「それにどうしたの?立ち止まってたけど・・・」
「ううん、なんでもないよ。それより行こ。」
「そうだね、行こっか。」
しばらく2人は、無言で歩いた。そして寮に着いた。
「入ろっか。」
「そうだね。」
2人は寮の中へ入った。すると寮長が北川たちを待っていた。
「やっときたね。待ってたよ。2人ともおめでとう。」
「ありがとうございます。」 「ありがとうございます。」
2人は、それぞれお礼を言った。
「じぁ、来て。」
寮長は、とある場所へと2人を連れて行く。
・・・・・・・・・・・・・
「・・あ、あの・・・」
渡部が、沈黙を破り、寮長に問いかけた。
「なんだ?」
「どっちに行くんですか?」
渡部の問いに続けて、北川も続けた。
「そっちは食堂ですけれど・・・」
「いいの、いいの。付いてくれば分かるから。」
「ねぇ、みさなんか変じゃない?」
北川が、寮長に聞こえないように小声で渡部に聞いた。
「なにが?」
「だってさっきから、誰にも会わないじゃん。」
「た、たしかに。」
「なんか、怪しくない?」
「さぁ、着いたよ。」
そこは、真っ暗な食堂だった。
「あの、どういうこ」
「さぁ、入った入った。」
寮長は、北川がしゃべり終わる前に2人を中へ押した。
「うわ!」 「きゃ!」
いきなり押され、2人は驚いた。
パーン、パン、パン、パッパン
「え!?」 パチ
またもや2人が驚くと、そのとき電気がついた。
「昇格おめでとうー!!2人とも。」
と、言うたくさんの声が聞こえた。
「えーーえっえっっとえぇー!?」
渡部は、あまりにも突然すぎてパニくっていた。
「どっどっどどうどうい」
「みさ、まず落ちついて。」
北川は、実に冷静に対処した。
「え、あ、うん、ごめん。」
「で?どういうことなの?」
「それ、うちのセリフ。」
北川が渡部のセリフをとって聞くと、森と山沢と寺沢が答えた。
「だってゆか、私たちみんなが昇格したとき祝ってくれたじゃん。」
「もちろん、みさも同じだよ。」
「だからこれは、お返し。」
「なるほどね~。」
説明を聞き、北川が納得してたら足音が聞こえた。
バタバタバタ・・・・・・・
「ハァ、ハァ、ハァ。」
「こっこっ。」
「校長ー!?」
そこにいた、全員はあまりにも驚き、おもわず叫んでしまっていた。
「北川、ちょっといいか。」
「は、はい?!」
「ちょっと、こっちへ。」
と校長はいいながら、北川の腕をつかみ、食堂からつれだした。
スタスタスタスタ・・・
「えっちょっと、こっ校長!?」
「・・・・・。」
スタスタスタスタ・・・
「校長!いったいどうしたんですか。」
「えっ、あーすまん。お前に渡しておきたいものがあって。」
すると校長はポケットから、箱を取り出した。
「これだ。これには、お金が入っている。直接、親に渡してくれ。」
「えっ、は、はい、わかりました。」
「もう、戻ってもいいぞ。」
「しっ失礼します。」
北川が戻ると宮本と上田が声をかけた。
「あっ、ゆか、帰ってきた。」
「ゆかがいないと、つまんないよ。」
―1時間後―
「そろそろ、2人を新たな部屋へと案内したいんだが。」
「はい、わかりました。」
渡部がそう言うと、田中が
「寮長、私たちもついて行ってもいいですか。」
と、言った。
「あぁいいよ。」
トコトコトコトコ・・・・・・
「ここが北川の部屋だ。」
「わぁーすごいー。」
北川がそう言うと、寺沢、上田、渡部と続けていった。
「わぁ!すげ!」
「ねぇ、ゆかゆか、ダブルベットだよ~。」
「ほんとだ、すごい。」
「渡部、お前の部屋はそこだ。」
と寮長はいいながら、向かいの部屋を指差した。
「ありがとうございます。」
ここである程度、寮の部屋の位置を書いておこう。廊下を挟み、両側に部屋がある。北側から、北川、寺沢、高橋、林、和田、雪村、そして同じく、北側から、渡部、竹田、森、宮本、塔ノ沢、平沢とっこんな感じだ。彼女たちは、北川の部屋を見たあと自分たちの部屋へと戻っていった。
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