対潜ヘリ
対潜ヘリ
「海亀、海亀、こちら海燕一番。どうぞ」
「… …」
「こちら一番、吊下式聴音器、推進音探知。当機から方位80度、感1~2」
「… …」
「標的は一軸推進、識別不明」
「… …」
「的針70度、的速…約3節」
「… …」
「こちら一番、了解。これより、二番に磁気捜索を実施させる」
「… …」
「こちら一番、了解。交話終了」
「二番、二番、こちら一番。どうぞ」
「一番、こちら二番」
「標的を聴音探知。方位80度、感1~2」
「二番、了解」
「現在、識別不明。的針70度、的速は約3節」
「二番、了解」
「これより二番は、南北に梯子形で磁気捜索を実施せよ」
「二番、了解…左旋回で貴機の後方に位置する」
「一番、了解…探知報告は、海亀に直接実施せよ。海亀指示だ」
「二番、了解」
「二番、こちら一番。どうぞ」
「一番、こちら二番」
「標的の方位、当機から78度に変化、感変わらず。的針的速変化なし」
「二番、了解…磁気捜索高度とした」
「一番、了解」
「…これより、磁気捜索を実施する…針路360度」
「一番、了解」
「海亀、海亀、こちら海燕二番。どうぞ」
「… …」
「こちら二番、磁気探知。発煙標識浮標、投下…標的は貴艦から方位310度、距離約4.5海里」
「… …」
「海亀、目視できない…視認できず」
「… …」
「二番、了解…右旋回で離脱する」
「… …」
「海亀、こちら一番。どうぞ」
「… …」
「一番、了解…左旋回で海域を離脱する」
二機の直升-9が離れた海域には、一隻の054A型だけが残る…
そして、前甲板のVLSセル一枚が、ゆっくりと開く。