大学ゼミ
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飾り気のないゼミ室で、三人のゼミ生達が研究テーマを話し合っている。
A「中国海軍系でいいかな?」
B「今、世間を騒がしてるからタイムリーでしょ。いいんじゃない」
C「今後の展開を考えれば、研究しておく必要がある」
三人のゼミ生達は、各々頷く。
A「で、具体的に何やる?」
B「南シナ海辺りがホットでしょ、どう?」
C「確かに、海南島は注目に値するね。空母専用港湾の開発、原潜の増強とかね」
A「空母か原潜のどちらかにしようか?」
B「南シナ海の聖域化を言う評論家がいるよね」
C「でも、中国の聖域はもうあるし、ポイントがブレる」
A「渤海?」
B「北海艦隊を口にする評論家はいないよね」
C「空母も原潜も、あの地域が中心なのに…」
三人のゼミ生達は、各々溜息。
A「まぁ、いいや。…で、空母?原潜?」
B「空母の話は最近聞かない。米空母と比較にならないってね」
C「どうかしてる…問題はそこじゃない」
A「元々が発展途上の中古空母だ」
B「そこだ。カタパルトなしのポンコツと言われる所以」
C「本体じゃない。運用能力を蓄積してる訳だし」
A「日本海軍は多くの空母を運用してた」
B「評論家達は口を揃えて海自の相手じゃないって」
C「本気か?ゼロ戦でフランカーに?」
三人のゼミ生達は、各々苦笑い。
A「じゃ、原潜で?」
B「深海の南シナ海に、新型原潜の海南島への多数配備」
C「イコール聖域構築じゃない。それは将来的な話さ」
A「これも運用能力の蓄積?」
B「中国は以前から原潜を持ってる」
C「昔からあの海域は深々度の訓練海域の筈」
A「確かに海図上、他にない。…多数配備は訓練目的か」
B「評論家の中国原潜評価は低いけど…」
C「この時も、深々度での集中運用や戦術は向上している」
三人のゼミ生達は、各々消沈。
A「中国海軍系でいいかな?」
B「今、世間を騒がしてるからタイムリーでしょ。いいんじゃない」
C「今後の展開を考えれば、ノイズを省いて、精確に研究しておく必要がある」
A「で、具体的に何やる?」
飾り気のないゼミ室で、三人のゼミ生達が研究テーマを絞込み始める。