『始まりのハーツ』
どうも~、ぽっぽです、今回が私の最初の作品、完全オリジナル作品です、どこまでできるかわかりませんが、できる限り頑張りますのでよろしくお願いします、
何もなく真っ白な世界、空も…海も、人もいない、そんな不思議な場所に、何故自分は放り出しされているのか……
体を動かそうにも力がはいらない…だが意識だけははっきりしている、
コツ……コツ……
足音……、その足音は、ただただ進んで行く、
コツ……コツ……コツ…コツコツ
自分の頭の前に立っている、白い少女がそこにあった、青年はその白い少女を見たことがある気がした、
「生きたいの?」
生きたい?…わからない…何故此処に居るのかも…わからない、
「不思議……まだ思い出せないの?…死んだんだよ?」
誰か死んだのか?………いや……俺が死んだのか?
「そう………あなたが命を繋いだの」
少女は涙を流していた…青年はそれを…感じとった、
「…あなたは…今からを生きるの……探すために…」
探す?……何を探せばいい…
「今は…わからないかもしれない……でもいつか……いつかわかるから…その時まで……おやすみ…」
青年は意識が遠のいていく……全てがわからなくなる一瞬…少女の声が聞こえた気がした……。
「…」
気がつくとそこはまだ白い世界…前と違うのは、少女が居ないのと、体が動かせることだ、
「…?」
少年は遠くに扉があることに気づいた、そしてその扉に何か違和感を感じた、
「…探すために」
少年は扉のある方へ歩き出した、
コツ…コツ…コツ…
一歩一歩…近づけば近づくほど自分の忘れていた記憶が蘇る、
コツ…コツ…コツ…
少年は何故自分がここに居るのか…それを考えていた…、自分は死んだ…だがここにいる…
「あの時…胸を……撃たれて…」
そう思い出し…撃たれた部分に手をやる…、血は付かないが撃たれた痕がある…、その傷は撃たれた時のままのようだ…、
「…やっぱり…死んだんだよな…」
死んだ理由も…ここにいる理由も…少年はわかっていた……、
コツ…コツ…コツ…
だけど…わかっているからこそ、少年はそれを受け入れた…、
コツ…コツ…コツコツ…
「………俺の血か…」
その扉は血がべったりと付いていた、その扉の奥に何があるのか…少年はわかっていた…、
「…自分が死んだその対価で…命を繋ぐ事ができるなら…」
ガチャ……
少年は血の付いたドアノブに手を伸ばし…開いた…、
「…じゃあな……美咲…」
その言葉を呟き…少年はその扉の中へ消えた…、
「………ゃん…」
ん?…なにか聞こえる…
「……いちゃん」
ちゃん?何だろう…まあきにすることじゃないか…
「お兄ちゃん!」
「うはっ!?」
痛さにビックリして起きようとすると、自分の上に乗って微笑んでいる少女に気づく…、
「目がさめた?」
「…随分と痛いモーニングコールだよ…」
「ほら~早く~、今日はお兄ちゃんがこの町にちゃんと住めるか、村長がとり決める大事な日なんだよ~?」
「確かにそうだけど…なんで君は俺なんかに世話を焼いてくれるんだい?」
「名前で呼んでって昨日言ったよ?」
「あっ!…ごめん…じゃあニーナ…どうしてかな?」
「好きだから」
「!?」
その言葉と同時に、頬にキスをされていた、
「ふふ♪」
「は~…調子狂うな~…」
確かにこの世界の事はまだ何も分からない、ニーナがいなければ死んでいたかもしれない、だがここまで人に振り回される事になるとは思わなかった、
「どうしたの?」
「え?」
「え?じゃないよ~…何考えてたの?」
「……ちょっと…昔の事だよ」
昔の事…、美咲はどうしてるかな……笑顔でいてくれているだろうか……、
「……お兄ちゃんは……帰りたい?……自分の世界に…」
ニーナが悲しそうに自分に問いかけてくる、確かに帰りたいと思う、だが感覚的にわかっていた…、もう自分の世界には帰れないと…、
「…帰りたいけど…帰れない理由ができちゃったからな、」
「どんな理由?」
少年はニーナの頭をなでながら、答えた、
「ニーナがよければいっしょに暮らしたいんだ、まだ知らない事はいっぱいあるけど…、俺がいてニーナが笑顔になるなら、俺は笑顔のニーナでいて欲しいから」
「!」
ニーナはびっくりしていた、だがすぐに熱い感情がこみ上げ、涙がぽろぽろと流れていた、
「…いっしょにいてくれる?」
「ああ」
ニーナは笑顔で飛びついてきた、
「俺は好和、これからよろしく…あ!まだいっしょに暮らせるか分からないんだよね」
「うん……行こ!!長老様が待ってるよ!」
「うわ!!早い!!早いよニーナ!!」
ニーナは好和の手を引っ張り長老様の所へ走った、
長老様の家まで行く途中で村人たちの小さな話声が聞こえた、
「アイツ誰か連れて来たぞ」
「ああ…人間はこの世界に来れないはずだろ?」
「確かにな…なんで居るんだ?まさか世界樹様に何かあったんじゃ…」
「分からない…村長に聞けば何か分かるはずだ、ついて行こう」
「そうだな」
その村人たちは少し後ろを気付かれないように付いて来る、他の村人たちも何人か付いて来ているのがわかった、
「ねぇニーナ…村長ってどんな人かな?」
「う~ん…村のみんなを守るために頑張ってるよ?」
「男の人?」
「ううん、綺麗な女の人!」
「女の人か…そっか…」
完結は随分先になるのですが、こんなものを読んでくれたら幸いです、