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第七章:逆転の皇女
紅蓮は、正式に皇女として認められた。
しかし、彼女は皇位を望まない。
「私は、権力が欲しいのではありません。真実が、正しく語られることを望むだけです。母の名誉を回復し、宮廷の偽善を正す。それだけです」
皇帝は、彼女に「鳳凰宮主」という特別な地位を与えた。
宮廷の改革を監視し、不正を裁く権限を持つ。
皇子の暁は、ある日、紅蓮の前に現れた。
「……すまなかった。お前を、悪女だと決めつけていた」
「いいえ。あなたも、守るべきものがあったのでしょう。私もまた、悪役を演じることで、真実に近づけました」
暁は、初めて紅蓮に笑いかける。
「お前は……本当に面白い女だ」
「それは、褒め言葉ですか?」
「ああ。兄として、これからよろしく頼む」