表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生陰陽師は男装少女!?~月影の少女と神々の呪い~(ライト版)  作者: 水無月 星璃
第10章:相剋の果て、世界の黄昏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/84

第1話:男装の陰陽師は決戦の覚悟を決める3

「あとがきカオス会議」あります!

「行ってらっしゃいませ。ご武運を」

「朔夜様、気をつけて!」


紅子さんと竜胆丸に見送られて屋敷を出ると、神気とも妖気ともつかない不気味なプレッシャーが、さっきよりずっと強くのしかかってきた。

真っ昼間なのに、空は薄暗く、大内裏へ続く道は不気味なほど静まり返っている。


慎重に大路を進み、大内裏の正門の前で僕たちは足を止めた。

問題発生だ。

陰陽師の僕や真白、僕の式神たちは入れるけど、ただの白拍子である雅姐さんは、ここから先には入れない。

仲間としてずっと一緒にいるもんだから、立場の違いをすっかり忘れてた……。

僕のバカ!


「さて、どうすっかな……朔夜?」

「うーん、雅姐さんだけここで待っててもらうわけにもね……」


僕と真白が、堅く閉ざされた門を見上げて唸っていると、


「アタシにかかれば、こんなもの、どうってことないわよ」


と言って、雅姐さんがふわりと甘ったるい香りを漂わせながら、門番の方へ色っぽく歩み寄っていく。


え、マジで?

この香り、知ってる。

確か、催眠に使うヤツだ……。


呆気にとられる僕をよそに、雅姐さんは門番に親しげに話しかけた。

門番も白拍子の常連さんだったらしい。

彼女が甘い声で何かを囁き、上目遣いでニッコリ笑いかけたかと思うと……。

あれだけ厳格そうだった門番は、骨を抜かれたみたいにだらしない顔で、あっさり門を開け放った。


「……雅姐さん、一体何をしたんですか」

「やだ、朔夜ちゃん、そんな呆れた顔しないでちょうだい。ちょっと『お話』しただけよ」

「……この国の防衛、本気で大丈夫かよ」


僕と真白が本気で国の守りを心配する横で、雅姐さんは「ふふん」と得意げに鼻を鳴らした。


なんとか全員で中に入り、僕たちは内裏の入り口、金陽門の前で再び足を止める。

門の向こうには、白い砂利が敷き詰められただだっ広い庭があって、その遥か先に、威圧感を放つ正陽殿が見えた。 あそこから漏れ出してくる気配は、もはや神々しさなんて欠片もなくて、禍々しいだけだ。


「みんなは、ここで待機してて」


僕は静かにそう告げた。

心配そうに僕を見つめてくる真白に、できるだけ穏やかな笑みを向ける。


「真白、大丈夫だよ。でも、万が一の時は、手筈通りに頼む」


その手筈とは、雅姐さんの作り出す特殊な結界「幽玄領域」に、アマテラス姉様を僕と夜刀ごと閉じ込めてもらうこと。

僕たちが姉様を足止めしている間に、みんなには都に溢れ出す妖魔を叩いてもらう。


「……わかった。こっちは任せとけ」


真白は短くそう答えたけど、その瞳は不安で揺れていた。


行くな。

お前一人に、そんな危ない役目、背負わせたくない。


言葉にしなくても、彼の気持ちが痛いほど伝わってくる。


(ごめん、真白。でも、これは僕にしかできないことなんだ)


「異変があればすぐに駆け付けます。どうか、ご無理はなさらず」


夜刀の静かで力強い声と、みんなの覚悟に満ちた視線に背中を押されて、僕は一人、正陽殿へと足を踏み入れた。



***



正陽殿の中は、淀んだ神気が渦巻いていて息が詰まりそうだった。


帝や偉い人たちが、神妙な顔でずらっと並んでいる。

その中心、玉座に座っていたのは、黄金の瞳を持つ、息を呑むほど美しい女性。

光そのものを纏ったような神々しい姿。

でも、その身から放たれるオーラは、清らかな神気なんかじゃなく、穢れきって瘴気みたいになっていた。


「……ツクヨミ」


かつて姉と慕った神様は、憎しみに歪んだ顔で、僕の名を呪いのように呟いた。

再会の言葉なんて、交わす暇もなかった。

姉様は、問答無用で僕に襲いかかってきた。

「大神の呪い」に完全に心を喰われた彼女は、もう話し合いができる相手じゃなかったんだ。


「主!」


殺気の奔流が僕に届く、その寸前。

夜刀が殿内に飛び込んできて、僕の前に滑り込む。

そして、抜き放った刀で、姉様の攻撃を鋭く弾き返した。


「夜刀、助かった!」

「ご無事で何よりです」


彼の背中が、こんなにも頼もしいと思ったことはない。


「……小賢しい」


姉様が忌々しげに呟いた瞬間、正陽殿からとんでもない量の瘴気(悲しいけど、もう神気じゃなくて瘴気って断言する)が迸り、黒い濁流となってあっという間に金烏京を覆い尽くした。

真っ昼間なのに、太陽は光を失い、世界は真っ暗な夜になったみたいだ。


「朔夜!」


外で待機していたみんなが、ただならぬ気配に駆け込んでくる。

殿内では、帝や重鎮たちがなす術もなく震えあがっていた。


「この人たちと、都の人たちを頼む!」


僕の叫びに、みんなはすぐさま散り、人々を守る結界を張り始めた。


「雅姐さん、お願い!」

「わかったわ!」


僕の合図で、雅姐さんが呪文を唱える。

彼女を中心に空間がぐにゃりと歪み、異空間への扉が開いた。


「幽玄領域、展開!」


僕は姉様を巧みに誘導して、夜刀と一緒にその空間の歪みへと飛び込む。

雅姐さんが作ってくれた、決戦の舞台。

ここで、僕たち姉妹の、そしてこの世界の運命を賭けた戦いが、今、始まる──。

【あとがき】

カオス会議:第10章第1話「男装の陰陽師は決戦の覚悟を決める」編


登場人物

夜刀:忠臣にして恋人候補?本編ではクールだけどあとがきでは色んなデレを拗らせてる、拗らせイケメン式神。

竜胆丸:今日も今日とて安定のツンデレ式神。実はめちゃくちゃ真面目くん。

狗:元気印の子犬系式神。重い雰囲気を緩和してくれるムードメーカー。

狛:おしゃまな子犬系式神。しっかり者だけど見た目の雰囲気はゆるふわ癒し系。


狛 (耳をペションとしつつ):

「うう……都が変な空気で尻尾がゾワゾワするのですううう」


狗 (尻尾の毛を逆立てて身震いしつつ):

「大丈夫か、狛?ホント嫌な感じだな」


夜刀 (キリっと登場):

「お前たち、しゃんとしないか。主が命を懸けた戦いに臨まれるのだ。私たちがお支えしないでどうする」


狗&狛 (ビシッと背筋を伸ばして):

「は、はい!」


竜胆丸 (不貞腐れ気味):

「……みんなは良いよな。朔夜様の傍で役に立てるんだから。俺なんて留守番だもんな……」


狛 (こぶしを握りつつ一生懸命訴えて):

「でもでも、紅子様の護衛だってとっても重要なお役目ですよ!」


狗 (ニヤニヤ):

「紅子姉ちゃん、優しいしキレイだし、役得じゃん♪」


竜胆丸 (頬をポリポリ):

「ま、まあ、紅子さんは美人だけど……じゃなくて!大事な役目なのもわかってるし、紅子さんに何かあったらボクも嫌だけど……」


夜刀 (フッと笑って):

「たったひとりで護衛を任されたのだ。お前はそれだけ主に信頼されているということだ」


狛 (コクコク頷いて):

「ですです!」


狗 (ニカッと笑って):

「だってさ!」


竜胆丸 (少し赤くなりつつゴニョゴニョ):

「ま、まあ、そういうことなら、任されてやってもいいけど……」


夜刀 (真面目な顔になって):

「紅子殿に何かあれば、主が悲しまれる。しっかり頼んだぞ」


竜胆丸 (キュッと補油場を引き締めて):

「うん、わかってる」


狛 (ニッコリ):

「というわけで、お話はついにアマテラス戦へ!」


狗 (気合を入れて):

「オイラたちの活躍、見守ってくれよな!」


全員 :

「「「「「第2話もお楽しみに!」」」」


◇◇◇


今回は式神回でした!

お気に入りの式神は居ますか?

教えてくださったら活躍増えちゃうかも!?

引き続き、応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ