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転生陰陽師は男装少女!?~月影の少女と神々の呪い~(ライト版)  作者: 水無月 星璃
第7章: 常世の囁き、初恋の残照

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第3話:男装の陰陽師は母神の願いを継ぐ3

「あとがきカオス会議」あります!

「……何よ、これ!?」

「主!」

「……朔夜!!」


仲間たちが、次々と渦に飲み込まれていく。


「今助ける!」


僕は呪文を唱え、光の玉で仲間たちを包み込み、渦の中から救い出した。


「母様! こんなことをしたら、世界が滅びてしまいます!」


僕の声は、もう届かないのだろうか。

どうすれば、狂気に落ちた母を、この世界を救えるんだろう。


「……母様」


僕は剣を下ろし、静かに彼女に歩み寄った。


「私だって、父様には愛されていません。姉様にも、憎まれています」


感情を抑えたつもりだったんだけど、その声は思った以上に悲しい響きになってしまった。


「前世の私は、母様と同じでした。孤独と哀しみに、ずっと苛まれていたんです」

「……」

「だから、私なら理解できます。あなたの孤独を。あなたの絶望を」


でも、と僕は続ける。


「今の私には、仲間がいます。式神たち、雅姐さん、真白、紅子さん……みんなが、私を支えてくれています」


僕は、光の玉の中から心配そうに僕を見守る仲間たちを見つめた。


「母様には、そんな存在がいなかった。ひとりで、あの深い絶望と向き合わなければならなかったんですよね」

「……黙れ」


僕は母様の前に膝をつき、深々と頭を下げた。


「だから、私があなたの最初の理解者になります。あなたの痛みを、一緒に背負わせてください」

「……」

「そして、約束します。現世の人々に、死者への敬意を忘れさせません。あなたの統べる魂たちを、二度と蔑ろにはさせません」


僕は顔を上げて、まっすぐに母様を見つめた。


「どうか、復讐をお止めください。あなたの本当の願いは、ただ愛されることだったはずです」

「黙れと、言うておる……!」


イザナミの瞳が、わずかに揺れた。


「生者が死者に向ける愛など、ありはせぬ……」

「では、私が証明します」


僕は立ち上がると、みんなの方を振り返った。

みんな、不安そうに僕を見ている。

うん、みんなが思っていることは正しいよ。


(……ごめん)


僕はそう呟いて、みんなに背を向ける。

そして、母様にゆっくりと歩み寄った。


「私が、あなたを愛していることを。娘として、あなたを心から慕っていることを、証明します」

「やめよ! 何をする気だ!?」


僕の腕が、母様へと伸びる。


「触れれば、そなたも常世から永遠に出られなくなるのだぞ!?」


僕は「わかっています」とだけ言って、微笑んだ。


「永遠に、私があなたのお傍にいます。それが、私の愛の証です」


そう告げた瞬間、みんなが口々に叫ぶのが聞こえた。


「朔夜、ダメだ!」

「主!お止めください!」

「朔夜ちゃん、止めて!」

「朔夜様!ボクを置いて行かないで!」

「朔!」

「朔夜さま!」


みんなの悲痛な声に、一瞬手が止まる。

でも、もうこれしか方法が思いつかないんだ。


意を決して母様に触れようとした瞬間、母様が後ずさりして、僕から距離を取った。


「やめよ、ツクヨミ!」

「母様……?」

「もう……よい……」


母様の瞳から、ついに涙が溢れ出した。

同時に、世界を飲み込もうとしていた瘴気の渦が、彼女の元に収束して、跡形もなく消えていく。

『黄泉返り』の術が解かれたんだ。


袖で涙を拭い、母様は深いため息をついた。


「……娘を本気で犠牲にしようとする母親が、どこにおる……」

「やっぱり、母様は優しいです……」

「このような仕打ちを受けて、よくもまあ、そんことが言えるものだ」


自嘲気味に呟く母様に、僕は笑顔を見せた。

つられて、母様もふっと微笑み返す。

母と娘の、和解の瞬間だった。


「ツクヨミ……愛しき、我が娘よ……」

「母様……」


母様の身体から、黒い瘴気がゆっくりと消えていく。

復讐という名の呪いから、彼女はついに解放されたんだ。


「……アマテラスとスサノオは、息災か?」


落ち着きを取り戻した頃、ぽつりと、母としての言葉が漏れた。


「……スサノオは、神界で大暴れして現世に追放された後、現世でも暴れて封じられたそうです」

「まったく、仕方のないやつじゃ……」


母様は疲れた表情のまま、懐かしそうに笑った。


「ならば、スサノオはしばらくそのまま反省させておけ」

「はい……それから、アマテラス姉様は、その……」


僕が暗い顔で言い淀むのを見て、母様は何かを察したようだった。


「……あの子は、支配者としての重圧に、ずっと苦しんでおったからのう」


母様の目から、また一筋の涙がこぼれ落ちた。


「どうか、あの子を救ってやっておくれ。そしてそなたも、どうか幸せに……」


その顔は、慈悲深く優しい、母の顔だった。


次の瞬間、萩壺更衣の身体から神核がするりと抜け出し、光の玉となって常夜宮の奥深くへと吸い込まれていった。

母様は長い苦しみから解放されて、安らかな場所へと還っていったんだ。


母様の支配から解放された更衣は、ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。

僕は、彼女の乱れた着物を整え、その肩にそっと上着をかける。


「さあ、帰りましょう」


こうして、常世で起きた事件は、本当の終わりを迎えた。


***


現世へと戻った僕は、常世へと繋がっていた壁に手をかざす。

ツクヨミの力で、二度と現世と常世が交わることがないように、強力な封印の結界を張った。

禍々しい紫の光を放っていた紋様は輝きを失って消え去り、後には埃っぽい壁だけが残された。


(母様、あなたの想いは決して忘れない。もう二度と、蔑ろになんてさせないから……)


夕闇が迫る金烏京の空を見上げる。

白い三日月が、まるで僕たちを見守るように浮かんでいた。


(兄様との約束も、絶対に守るから……)


僕は、愛する人たちとの思い出を胸に、新しい一歩を踏み出す。

――この穏やかな夜が、次なる嵐の前触れだと知るのは、もう少しだけ、先のことだった。

【あとがき】

カオス会議:第7章第3話「男装の陰陽師は母神の願いを継ぐ」編


登場人物紹介

朔夜:壮大な母娘喧嘩に終止符を打った神様系陰陽師。今日も今日とて満身創痍。

真白:親友ポジションから恋愛戦線へ駆け上がるワンコ系男子。でも強力なライバルが多すぎて震えてる。

夜刀:一途な忠犬系式神。今回、主に“置いていかれた感”MAX。珍しくスネモード。

雅:頼れるサバ女系舞姫姐さん。からかい甲斐のある子たちに囲まれてご満悦。

竜胆丸:ツンデレ半妖式神男子。本編ではずっとデレだったので、あとがきで本領発揮?

萩壺更衣イザナミ:今章のラスボス・母神イザナミの支配から解放された寵姫。え、解放されたよね?

※狗&狛は疲れすぎてお昼寝中。寝る子は育つ。


真白 (元気爆発):

「いや~、めでたい!なんかわかんないうちに呼ばれて、ピンチになって、気付いたら終わってたけど、めでたい!」


竜胆丸 (ちょっとオコ):

「てかさ、ボクたち、萩壺更衣がイザナミ様だったなんて聞いてないんだけど?」


真白 (ビックリ):

「え、萩壺更衣がイザナミ様!?そうだったのか!?」


雅 (ケラケラ笑いながら):

「やだ、真白ちゃん、わかってなかったの?更衣が覚醒したときに、朔夜ちゃんが“イザナミ様の神核”って言ってたじゃない」


夜刀 (クールに):

「……頭の作りがシンプルな真白殿には難しい話だったようですね」


真白 (プチッとキレて):

「は!?夜刀、てめえ馬鹿にすんなよ!」


夜刀 (ニヤニヤ):

「すみません、つい本音が……」


真白 (顔を真っ赤にして):

「お、お前なあああああ!!」


朔夜 (うんざり):

「ああ、もう二人ともやめろって!ちゃんと説明しなかった僕が悪かった!ごめんて!」


萩壺更衣feat.イザナミ (湯呑片手にいつの間にか居る):

「ほんに仲の良いことよのお……ズズッ」


朔夜 (ビックリ):

「え、更衣様!?じゃなくて、母様!?常世で眠りについたんじゃないの!?なんでしれっとお茶啜ってんの!?」


萩壺更衣feat.イザナミ (そ知らぬ顔で):

「寝るのも飽きたわ。それに常世は暇すぎてのお」


朔夜 (困惑):

「だからって僕の渾身の結界、軽々越えて来ないでよ。自信無くすわ……あと、更衣様にちゃんと体返してあげて……」


萩壺更衣 (ニコニコ):

「大丈夫ですわ。私の意識もありますの。むしろイザナミ様のお陰でたまに“私TUEEEE”できて楽しいですわ♡」


朔夜 (引いてる):

「えええ……喜んじゃってるよ、この人……」


雅 (楽しそうに):

「まあ、朔夜ちゃんにも現世にも、ちょっかい出さないなら良いんじゃない?」


萩壺更衣feat.イザナミ (嬉しそうに):

「おお、そこの白拍子は話がわかるではないか!」


竜胆丸 (不貞腐れ気味):

「ねえええええ、ボクたちまた置いてけぼりなんだけど!?」


朔夜 (苦笑):

「ごめん、ごめん。後で甘味屋連れてくから、機嫌直して?」


竜胆丸 (実は甘党):

「甘味屋!?…‥ふ、ふん。そんなんじゃ誤魔化されないけど、まあ行ってやっても良いよ?」


真白 (目を輝かせて):

「はいはい!オレも!オレも甘味屋行きたい!」


朔夜 (ため息):

「わかったよ。もうみんなまとめて連れてく。式神全員と、雅姐さんと、今いないけど紅子さんも!」


雅 (はしゃぎながら):

「きゃ~!嬉しい♡さすが朔夜ちゃんね!」


夜刀 (珍しく不機嫌):

「……お供しますよ。もう主に置いて行かれるのはごめんですから」


朔夜 (焦り):

「えええ、夜刀怒ってる!?え、なんで!?」


夜刀 (ジト目):

「今回は特に、“お一人で” 色々と無茶をされてましたからね」


真白&雅&竜胆丸 (頷きながら):

「「「ああ、それは確かに」」」


朔夜 (めっちゃ焦って):

「えええ……だって、さすがに母様相手はさ、みんなには厳しいかなって……」


夜刀 (哀しそうに):

「御身を犠牲になさるのは、本当にやめていただきたい……」


朔夜 (滝汗):

「あ、あれはその、不可抗力というか……うう……ご、ごめん。もうしません……」


萩壺更衣feat.イザナミ (ニコニコ):

「ふふ……ツクヨミは愛されておるの。安心したから母は帰るぞ」


朔夜 (半泣き):

「ちょっ、母様、この空気の中置いてかないで!?ちょっとは助けてよ!」


萩壺更衣feat.イザナミ (ニコニコしつつ退場):

「自業自得であろう。自分でなんとかせい。ではまたの……」


朔夜 (涙目):

「ホントに帰っちゃったよ!もう!元はと言えば、母様のせいだからねえええええ!!」


◇◇◇


頑張ったのに怒られて納得のいかない朔夜でした(笑)

次章はついに玄道と対決!

怒涛のボスラッシュに朔夜のSAN値はガリガリ削られてます。

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