第3話:男装の陰陽師は東離宮の罠にはまる2
「あとがきカオス会議」あります!
そこへ、玄道が何食わぬ顔で戻ってきた。
「……これは、何があった」
僕の消耗した様子を一瞥し、その瞳の奥に異様な光が宿るのを、僕は見逃さなかった。
「何やら大きな力を感じたが……そなたか、朔夜」
どう答えればいいか、僕は迷った。
例え玄道がすべて見ていたとしても、素直に答えたくはない。
むしろ問いただしたいのはこちらの方だ。
そんな言葉が口を突いて出そうになる。
飄々とした玄道の顔を直視すれば、そのまま睨みつけてしまいそうだった。
すると、夜刀が僕を庇うように一歩前に出た。
「玄道殿、主は疲れております。申し訳ございませんが、今はご容赦を」
その鋭い視線に、玄道は一瞬だけ表情を歪め、ふっと息を吐いた。
「式神風情が」って聞こえた気がしたけど、気のせいかな。
「よかろう。そなたは休め。ここは後続の者に任せる」
「……はっ。ありがとうございます」
そう答えて、僕は被害者たちを振り返った。
(もっと、強くならなくちゃ……)
夜刀に支えられながらその場を後にする僕の背中に、玄道の刺すような視線が突き刺さっていた……
屋敷への帰り道、僕は今日の出来事を思い返していた。
(やっぱり、全部あの人の筋書き通りだったんだ……)
霊気混じりの妖魔の出現も、陰陽師失踪事件も。
他の事件にもきっと関わっている。
そう考えれば、全ての辻褄が合う。
目的は、僕の力を無理やり覚醒させること。
でも、その先にまだ何かを企んでいる。
その手の上で踊らされているみたいで、悔しくてたまらない。
そんな想いを持て余しながら歩いていると、ふと視線を感じた。
周りを見渡しても、式神たちの他に人影はない。
「主、どうされました?」
夜刀が不思議そうに聞いてきた。
「いや、なんでもない……」
そう答えながらも、纏わりつくような不快な感覚が消えない。
(この感覚、僕は知ってる……)
そうだ、これは幻視の感覚に近いんだ。
しかも、見る方じゃなくて、見られてる方。
一瞬、玄道かと思ったけど、僕の中のツクヨミの力がそれを否定していた。
きっとこれは神か、それと同等の存在の放つ気だ……
なぜかそう思った。
もしかして、姉様……?
そんなこと、考えたくもなかったけど。
慎重に気配を追う。
……違う。
これは姉様じゃない。
記憶の中にある姉様の神気はこんな感じじゃなかった。
少しほっとした。
でも……
(なら、別の神……ってこと……?)
僕は困惑を隠せなかった。
(とてつもなく大きな何かが、動いているのかもしれない……)
玄道や萩壺更衣だけじゃない。
もっと大きな、壮大な悪意に操られているような、そんな不気味な感覚があった。
「朔ぅ……大丈夫かぁ?」
気が付くと、狗が心配そうに僕を見上げていた。
他の式神たちも、一様に心配そうな顔でこちらを見ている。
いけない、いけない。
不確かなことで式神たちを不安にさせるなんて、主失格だ。
「ごめんごめん、大丈夫。何でもないよ」
そう言って微笑むと、狗は「そっかー」と言って無邪気に笑った。
その愛らしい顔を見ていたら、悩んでる場合じゃないって思えた。
もっと強くならなきゃ。
誰かの思惑通りになんて、ならないために。
大切なみんなを、この手で守り抜くために。
僕は夜空に浮かぶ月を見上げ、静かに、でも固く、そう誓った。
【あとがき】
カオス会議:第6章第3話「男装の陰陽師は東離宮の罠にはまる」編
登場人物
朔夜:神の力をちょっとだけ発動した。心身共に常時限界気味。ついでに恋の波状攻撃にも疲弊中。
真白:青春の甘酸っぱさ漂う忠犬親友+α枠。本編未出演だけど舞台袖でぜんぶ見てた人。
夜刀:主のためなら命もプライドも捧げます。今日も距離感バグってる過保護系式神。
玄道:黒幕か?な陰陽頭。圧がエグいクール系イケメン。本人曰く「まだオジではない」。ストーカー疑惑あり。
朔夜 (胃に手を当てて):
「……なんでこう、毎回“命の危機”を味わわされるんだろうね……陰陽師ってこんなハードモードな職業だったっけ?」
真白 (憤怒MAX):
「てか玄道!オレ、あの人マジで許せねえ!!」
夜刀 (低音でキッパリ):
「同感です。あの者、罠を仕掛けるとは……」
真白 (バチバチに怒りつつ):
「あの妖魔、人間を素材にしてたんだぞ!? どんだけ外道なんだよアイツ!」
夜刀 (冷静に分析しながら):
「主の神力を無理やり覚醒させるために、意図的に刺激を与え続けている可能性が高いですね……愚劣です」
朔夜 (涙目):
「しかも、神力、暴走ギリギリで止めたのに、全然倒せなかったんだけど!?ちょうどいい感じの制御とか、無理いいいいいいっ!!」
真白 (肩を掴んで力強く):
「朔夜、めっちゃ頑張ったじゃん!オレはお前が戦う姿、ちゃんと見てた。すっげえキレイでカッコよかったぞ!!」
朔夜 (顔を赤らめつつ):
「き、キレイとか、カッコよかったとか……急に変なこと言わないでよ……!」
夜刀 (即・割り込む):
「主が神気に包まれたお姿、神々しさと儚さが同居しておりました。実に尊く美しく、永久保存すべき光景でした。というか、すでにしております」
朔夜 (ちょっと引いてる):
「……夜刀、また勝手に録画してたの?」
夜刀 (さらりと):
「もちろんです。あと、絵巻物として写し取りたいですね……」
真白 (牽制かと思いきや乗っかってる):
「お前ズルい!オレにもコピーよこせ!!」
朔夜 (全力拒否):
「絵巻物もコピーも、そもそも録画も絶っっ対ダメ!!」
夜刀 (残念そうに):
「ダメですか(次はバレないように気を付けよう)……では、今までの録画を元に写真集でも作りましょう」
真白 (目を輝かせて):
「朔夜の写真集!?欲しい!!」
夜刀 (バッサリ):
「あげませんよ?」
真白 (ふくれっ面):
「ケチ!!」
朔夜 (ジト目で):
「二人とも……ちょっとキモイ」
玄道 (またいつの間にか背後に立ってる):
「……やれやれ、騒がしいな」
全員:
「玄道!?!?」
朔夜 (ゾッとしつつ後ずさり):
「ちょ、もう勝手にあとがきに出てこないでくれません!?」
玄道 (淡々と):
「組織のトップを呼び捨てか……まあよい。部下の管理も私の責務だからな。様子を見に来たまでだ」
真白 (にじり寄りながら怒りのオーラ):
「お前、これ以上朔夜に何かしたら許さねえからな!?しかも、仲間を犠牲にしやがって……!!」
玄道 (表情変えずに一言):
「これは、朔夜にとって必要な犠牲だ。些末なことは気にするな」
真白 (怒りMAX)
「些末だとっ!?」
夜刀 (怒りの微笑):
「……鬼畜な貴方には些末でも、優しい主にとっては心身の負担が著しいのです。主の御身に何かあれば、許しませんよ……?」
玄道 (目を細めつつ嫣然と微笑む):
「ふん、式神風情がよく吠える。その極限を乗り越えてこそ、神の力を制御できるのだ。むしろ感謝してほしいくらいなのだが?」
朔夜 (耳を塞ぎながら):
「無理無理無理、話が通じないタイプだよ、この顔だけイケオジぃいいい!」
玄道 (真面目な顔で):
「私はイケてはいるがオジではない。まだ25だ」
朔夜 (絶望):
「イケてるは肯定しちゃうんだ!?てか、僕からしたら25歳はオジだから!!」
夜刀 (ショック受けてる):
「……主、私の実年齢は彼より上なのですが……」
玄道 (ガサガサと設定集を拡げて):
「ふむ……式神・夜刀、外見年齢23歳。なんだ、見た目は私と2つしか変わらぬではないか」
朔夜 (慌てて):
「だ、大丈夫!2つの差は大きいから!それに夜刀は見た目もっと若く見えるし!全然オジじゃないから!!」
夜刀 (ちょっと頬を染めつつ):
「主……もっと言ってください」
朔夜 (噴き出して):
「……ブフォッ……!!」
真白 (怒り頂点):
「てか、お前らなに和んでんだよ!?おいこら玄道!本気で一発殴らせろ!!いや殴る!!いや爆破する!!」
夜刀 (即座に気を取り直して反応):
「真白殿にまともな指摘をされる日が来るとは……ですが、同意します。やるなら証拠隠滅まで完璧にする必要がありますね」
真白 (ヤル気満々で):
「おう!!」
朔夜 (全力て制止):
「ちょっと待って!?あとがきで事件起こさないで!?本編の筋変わっちゃうから!!」
玄道 (くるりと背を向けて):
「ふふ……勝てると思うなら、やってみるがいい。私はいつでも受けて立とう。だが、今は火急の用があるゆえな……次の“試練”にてまた会おう、朔夜」
真白 (震える拳を握りしめて):
「くっそ~~~逃げられた~~~!!」
夜刀 (静かに抜刀準備):
「次こそは、主に危害を加える前に仕留めます」
朔夜 (膝をつきながら):
「せめて胃が治ってからにして!?あとやるなら本編でやって!?」
◇◇◇
玄道様、もはや黒幕なの隠す気ゼロ。
真白VS.夜刀の恋バトルも過熱して、朔夜の試練は続くよどこまでも!
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