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転生陰陽師は男装少女!?~月影の少女と神々の呪い~(ライト版)  作者: 水無月 星璃
第1章:男装の陰陽師、月影の秘密

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第2話:男装陰陽師は常世に堕ちる

今回も「あとがき」で遊んでおります!(笑)

夕暮れの西市(にしのいち)の空気って、まるで水の底に沈んでるみたいに重たい。

仕事場のある大内裏(だいだいり)のきらびやかさが夢だったみたいで、ここには足りないものが多すぎる。

特に、光。あと希望。あと、空気の質。

屋敷の裏門に立つ篝火(かがりび)が、風に揺られて今にも消えそうで、ちょっと不気味。


僕――朔夜(さくや)は、人気のない路地裏を音も立てずに進んでいた。

市場って夕方には閉まっちゃうから、この時間は人の気配ゼロ。

足音も殺して、まるで幽霊。いや、盗人(ぬすっと)? ……あー、比喩(ひゆ)が暗いな。やめよう。


……と、思った瞬間。

鼻先をかすめる、鉄のような匂い。あと、濃い妖気のにおい。


「……あ、なんかある」


嗅覚と霊感、ダブルで反応。間違いない。

そっと方向を変えて、臭いの発信源に近づく。


で、見つけたのが――

袋小路の奥にある、壁に彫られた奇妙な紋様。なんか……すごく嫌なやつ。


「呪文? 儀式の痕跡? いや、これは……呪いとか?」


知らない紋様なのに、見た瞬間、背中に鳥肌。

警告アラート100%。何これ怖い。

しかもそこから、むせかえるような妖気。しかも超濃縮タイプ。

どんなヤバい術者がやったのか、ちょっとだけ興味わいた、そのとき。


――風が吹いた。

香りが流れてくる。白檀(びゃくだん)伽羅(きゃら)乳香(にゅうこう)

懐かしくて、高貴で、なんか神殿っぽい匂い。


「この香り……まさか……!」


思わず深く吸い込んだ瞬間、世界がひっくり返った。


***


――眩い光。神殿。女神。そして、鏡。

夢の中で見た、あの光景が、パッとフラッシュバックした。

白木の神殿、太陽をまとったみたいな女神の衣。

その奥にあった鏡には、神代風の衣装を着た――男装のキレイな人。


……え、僕!?


「ツク……ミ……」


女神がぽつりと呟いた。聞き取れない。

でも、それ、僕の名前じゃない。


「姉様……! どうして……!」


鏡の中の“僕じゃない誰か”が叫ぶ。

胸がぎゅっと締め付けられて、思わず胸元を掴んでた。

女神が、ぞっとするほど冷たい笑みを浮かべて――


“ツグナエ。ソノ死ヲモッテ――”


パーンッ!と、目の前が真っ白に弾け飛んだ。


***


「ッ……!」


息が詰まる音が喉を突いて、そこで意識がビシッと戻った。

壁の不気味な紋様が、はっきりと目に飛び込んでくる。


(……あれ、夢じゃなかった……?)


いや、違う。

むしろ前世?みたいな感覚が、胸の奥をじわじわ侵食してくる。


(僕に……何を“(つぐな)え”と……?)


意味は分からない。

でも、それが確実に“僕”に向けられたものだってことは、なぜか分かってしまった。

手が震えてる。ギュッと握りしめて、深呼吸。


「落ち着け、僕……今は、目の前のことに集中……!」


気を取り直して、ふわっと漂ってきた香りの方を向いた。

袋小路の一角に、ひっそりと(ほこら)

その中に、白和紙に包まれたなにかが置かれていた。

おそるおそる手に取ると、白檀(びゃくだん)の香りがふわぁぁっと広がる。


(香料も和紙も……どう考えても高級すぎる!)


ゆっくりと和紙をめくる。

中身は――


「……髪?」


いや、束? まさかの女性の髪の束だった。


「うわ、しまっ――!」


触れた瞬間、紫の炎がブワッと燃え上がる。

同時に、壁の紋様が妖しく輝き出し、術式が起動。

地面がぐにゃりと歪み、僕の足元が崩れ落ちる――

 

――闇に、落ちた。


***

 

気がつけば、まったく別の場所。

ぬるっとした湿気。腐臭(ふしゅう)。どこからか聞こえる水音。

ぽっ、ぽっ……と青白い鬼火(おにび)が宙に浮かんでいる。


「ここ、どこ……?」


天井からは鍾乳石、壁には脈打つような紋様。ヤバすぎる。現世のものじゃない。


(って、この感じ……まさか、常世(とこよ)!?)


陰陽師の世界でもタブーとされる場所。死者が集う、異界。話には聞いてた。

でも僕、まだ生きてるよね!? 頬をつねってみる。痛い。OK、現実確認完了。


と、そのとき――背後から、ぬるっ……と嫌な音。

条件反射で、腰の刀を抜く。


「誰だっ!」


声が震えそうなのを、全力でこらえた。

闇の中、赤い目が、ずらり。無数。え、マジやめて。

姿は黒い塊。形は曖昧(あいまい)で、まるで闇そのものが動いてるみたい。


「……低級妖魔か」


呟いた瞬間、スイッチが入った。

刀に破邪(はじゃ)の力を注ぐと、銀の光が刀身を包み、全身にもふわりと宿る。

この力――僕が生まれつき持っていた、退魔の刃。

全部、こういうときのために鍛えてきた。


「来なよ……!」


一閃! 光の刃が闇を裂いて、妖魔を真っ二つ。

黒い液体が飛び散り、焦げた臭いが鼻をつく。

でも、止まらない。次から次へと、わくわく妖魔!


(もう、やめてよ……!)


でも、僕の体は止まらない。怖くても、足は動く。腕は振るえる。

――戦うんだ、僕は。

どんなに過酷でも、それが僕に課せられた宿命だから。

 

斬って、斬って、斬りまくる!

でも、さすがに疲れてきた……。

呼吸が浅い。腕が重い。刀が振れなくなってきた。

汗が目に入って、視界もぐしゃぐしゃ。


(ヤバい、集中が切れる……)


体勢を崩しそうになって、岩に刀を突き立ててなんとか立て直したけど――


「うそっ!?」


――刀、砕けた。

手の中に残ったのは、ただの(つか)

え、いや、ちょ、待って!?

武器がない。敵が迫ってる。術を()む余裕なんて、どこにもない。

赤い瞳が、獣みたいにギラギラと僕を狙っている。


「……終わった……」


力が抜けた。


(ごめん、志乃(しの)さん、師匠……)

 

そのときだった。


『朔夜』


耳元に、あの声。

温かくて、力強くて、心に火を灯す声。


『諦めるな。前を見よ』


(師匠……!)


あの日差し、あの木の床、(ちり)が舞う静かな道場――

全部が、一気に胸に(よみがえ)った。


「僕、まだ……やれる!」


咄嗟(とっさ)に、手に残った柄を投げる! 妖魔たちの視線が一瞬だけ、()れた!

今だ――!

目を閉じて、深く呼吸。胸に両手を当て、霊力を集中!


「――破邪、顕現(けんげん)せよっ!」


銀の光が、胸の奥からあふれ出す!

満月のような、でも鋭く清らかな光が、僕を包み、洞窟全体を満たしていく。

異形の紋様が、光に反応して明滅。そして――止まった。


空気が変わる。妖気が消え、清らかな空気が肺を満たす。

妖魔たちは、光に包まれて――消えた。音もなく。

 

……終わった、と思った。そのとき――

 

「ほう……これはまた、興味深い」


奥の闇から、誰かの声。低くて、乾いていて、でも圧がすごい。

香る白檀(びゃくだん)。漂う霊気。


(人間……?でも、只者じゃない)


「僕は陰陽師、安部朔夜(あべのさくや)!」


光をまとったまま、声の主に鋭く問いかける。


「お前こそ、何者だ!」

「ふむ……貴様の力、尋常(じんじょう)ではないな」


答えを濁しつつ、さらに驚きの一言を投げてきた。


「探し人は貴様であったか?」

「僕を、探して……? まさか……志乃さんをさらったのはお前か!?」


でも、その問いには一切答えず、代わりにまた、妖魔をけしかけてきた。


「常世へようこそ、陰陽師殿。貴様の力、試させてもらうぞ。――やれ」


再び現れる、今度は一段と強そうな妖魔たち。

そのとき、僕の中の記憶がフラッシュバックした。

なんかこの気配、知ってる……


「一年前……師と兄弟子を襲ったのも……お前か!?」

「さて、どうだったか? くだらぬ者どもなど、いちいち覚えておらぬ」

「……くだらぬ?」


……胸に、ブスッと刺さった。

怒りが、背中からぐわっと込み上げる。

僕の刃が光を強め、妖魔たちを次々となぎ倒す。

でも、敵は止まらない。むしろ、どんどん強くなる。

 

「見事だ。だが――まだ足りん」


声の主が、不気味に笑う。


「この世界を、常世(とこよ)に変える。それが我らの悲願」


その言葉が、脳に焼きついた。


「生者と死者の境を壊し、永遠の夜を創り出すのだ」

「なんで、そんなことを……!?」

「裏切られたからだよ。生者に。……愛した人に」


声が震え、でも怒りに飲み込まれていく。


「我を拒絶し、辱めた! 忘却こそが、生者の傲慢だ!」


(……この感じ、女性……なのか?)


彼女もかつて、誰かを深く想っていた。

でも、それが壊れてしまった。


(だからって、世界を巻き込んじゃだめだろ……!)

 

「その力……異質なもの。常世(とこよ)と生者の世界を繋ぐ唯一の鍵。我らの悲願に必要不可欠」


僕の中の何かが、強く反応した。


(僕の力……? いったい、何を言ってるんだ……?)


そのとき――待機していた妖魔たちが一斉に動いた!


「――ッ!」


反応が、間に合わない!

両手で身をかばいながら、死を覚悟する。


(志乃さん、師匠、兄様、真白(ましろ)……ごめん――)

【あとがき】

カオス会議:第2話「男装陰陽師は常世に堕ちる」編


登場人物:

朔夜:男装陰陽師。ギリギリ主人公してる。精神はもう限界突破。

真白:陽キャ親友。あとがき出演回数が主人公並み。

夜刀:式神兼ボディガード。主命至上主義。だが残念系。

女神:現世混乱メーカー。夢とトラウマのエキスパート。

???(新キャラ):第二話のラスボス感出してた謎の誰か。あとがき未出演(※無許可NG)


女神:(登場SE:無音+香煙)

「ツグナエ。再び堕ちよ……闇の深淵へ――」


朔夜:(即ツッコミ)

「また出たーーー!! いやもうさすがに慣れたけど、会議からも退いてくれません!?あとセリフ地味に変わってません!?」


真白:(うしろで爆笑)

「てか、“堕ちよ”ってアンタ本文で1回も言ってなくね!? 普段の口癖? それとも販促ワード!?」


夜刀:(静かに眼鏡を押し上げる※眼鏡は幻覚)

「主。女神の発言パターン、すでに4種確認済み。すべて呪詛系」


朔夜: ぐったり)

「え、そんなにあるの……?じゃあそのうち“堕ちよ(亜種)”とかも来るの……?」


真白:(指折り数える)

「堕ちよ・極、堕ちよ・裏、堕ちよ・ファイナル、とか来るな。絶対」


女神:(ニヤァ)

「……お楽しみに」


全員:

「やめろーーーーー!!!」


夜刀:(真顔)

「主。ところで“女性の髪の束”を握って異界転送とは、あまりにも危機管理が甘い」


朔夜:(涙目)

「いや、僕だってアレ触る予定なかったし!? ていうか、白檀の香りに釣られただけだし!?」


真白:(ド正論タイム)

「“お高そうな香りにつられて罠起動”って、映画やドラマで最初に死ぬ人のムーブだよな……」


朔夜:(崩れ落ち)

「やめてぇぇぇぇぇ……」


真白:(急に真顔)

「でもさ、刀が砕けたとき、オレ、マジ泣いたんだけど」


夜刀:(珍しく同意)

「私も。主の心が折れかけた瞬間、式神リンクがざわついた」


朔夜:(小声)

「……あれ、ガチで怖かった。てかもう、しんどかった」


女神:(遠くから聞こえる)

「苦しみは、神への供物……」


真白:(ツッコミ怒号)

「やかましいわ神ーーーー!!!!」


朔夜:(やや復活)

「でも、師匠の声が聞こえた時、ちょっと泣きそうになった……」


真白:(うなずく)

「“諦めるな”って、シンプルだけど強い。師匠……マジで師匠……」


夜刀:(硬い声)

「……主に再び刃が宿った時、私は確信した。次、主を傷つける者がいれば――」


朔夜:(慌てて遮る)

「ストップ!夜刀、ストップ!また物騒なセリフ禁止!!」


真白:(苦笑)

「ほんと、夜刀ってたまに過激派パパになるよな」


女神:(ラストだけしっかり現れる)

「それでも、運命はまだ始まったばかり――貴様の“鍵”としての意味……まもなく明らかになろう」


朔夜:

「……だから、ネタバレをやめろってば!!!」


真白:

「“次回予告 in あとがき”やめてくれぇぇぇぇ!!」


夜刀:

「常世は深い。されど、主の心はそれよりも――」


朔夜&真白:(同時に)

「ポエムも禁止ーーーーー!!!!」


朔夜:(深呼吸)

「というわけで……第2話、読んでくださってありがとうございました。

常世編、まだまだ続きますが……無事に帰れるよう頑張ります……」


真白:(軽く手を振り)

「次回、オレも出番あるって信じてるからな!? あと、陰陽師って命がけすぎじゃない!?」


夜刀:(刀を構え)

「次話までに、全式神を再構築しておく。防御力3倍だ」


女神:(にこっ)

「次なる“贄”を、お待ちしております」


全員:

「それが一番怖ぇぇぇぇぇ!!!!」


◇◇◇


書いてて本編より楽しい……だと!?

いや、本編も頑張ります(笑)

こんなところまで読んでいただき、ありがとうございます!

懲りずに第3話もやります(たぶん)

もし楽しんでいただけたら、ブクマや下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎で評価していただけるとうれしいです!

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