第1話:男装の陰陽師は前世を告白する2
「あとがきカオス会議」あります!
最初に口を開いたのは、やっぱり真白だった。
いつもの彼らしくない、絞り出すような声で。
「そんな……そんな重すぎる過去を、お前……ずっと一人で抱えてきたのか? 金烏との戦いの時の、お前のあの姿も、やっぱり……」
彼の脳裏に、あの時の僕の姿が蘇っているのがわかった。
紅子さんも、痛ましげに眉を寄せて僕に問いかける。
「記憶を取り戻されたということは、これから再び、神としての宿命と向き合われると……?」
「うん……」
「そうなのですね……」
二人の心配が、痛いほど伝わってくる。
僕はみんなの顔を一人一人見つめ返した。
「心配してくれて、ありがとう」
でも、もう僕に迷いはない。
宿命を受け入れて、立ち向かうって決めたから。
「でも……僕は、もう逃げないと決めたんだ」
膝の上で、拳を強く握りしめる。
「このまま何もしなければ、都が、そして大切なみんなが、もっと危険な目に遭う。それだけは、絶対に避けたいんだ」
玄道様の暗躍、萩壺更衣様の謎の動き、それに妖魔の変異体。
全部、僕の力が関係してるなら、もう目を背けちゃいけない。
「それに、僕にはみんながいる」
僕は、もう一度みんなの顔をゆっくりと見渡した。
それだけで、心が温かくなる。
「真白、紅子さん、夜刀、竜胆丸、狗、狛……君たちがいてくれるから、この力と向き合う勇気が持てるんだ」
その言葉に、真白がぐっと唇を噛みしめた。
彼の胸の奥で、熱い何かがこみ上げてきているのが、少し潤んだ瞳から伝わってくる。
きっと、ボクが何者であろうと支えようって、思ってくれているんだと思う。
真白は、そういうヤツだから。
だからこそ、僕は……
僕の中で芽生えかけていた彼への特別な気持ちが、その熱にあてられて、きゅうっと切なく疼いた。
「……わかったよ、朔夜」
真白が、まっすぐに僕の瞳を見つめて言った。
「お前がそこまで言うなら、オレはもう何も言わねえ」
「真白……」
「代わりに約束しろ。絶対に無茶はするな。オレたちがついてるってこと、絶対に忘れるな」
「わかった、ありがとう…‥」
「……そこまでのお覚悟があるのなら、私ももはや何も言うことはありません」
夜刀が静かな声で言う。
「夜刀……」
いつものポーカーフェイスなのに、眼差しがとても切ない。
そこに含まれた想いが、憐れみなのか、慈しみなのか、わかならいけど……
たくんさんの想いが渦巻いて、溢れそうになってる感じ。
「この夜刀、いかなる困難が待ち受けようとも、必ずや主をお守りし、お支えいたします。この命に代えましても」
これ以上ないほどに魂のこもった誓いだった。
彼の忠誠と、秘められた深い想い。
それが、僕の心を強く打つ。
紅子さんも、力強く頷いてくれた。
「わたくしに出来ることがあれば、何なりとお申し付けください。宮中の情報収集、裏工作、何でもやりますわ」
「ありがとう……」
竜胆丸たちも、それぞれに協力を誓ってくれる。
「ねえ、ボクたちが居ることも忘れないでよ?」
「そうです、わたしたちだってお役に立てます!ね、狗兄?」
「もちろん!……で、狛?オイラ、何したらいいんだ?」
「もう、狗兄ったら……」
「ふふ……みんな、ありがとう」
みんなの温かい言葉に、僕の胸は熱くなった。
つい、目元が潤んでくる。
孤独じゃない。
一緒に戦ってくれる仲間がいる。
その事実が、何よりも僕に力を与えてくれた。
【あとがき】
カオス会議:第6章第1話「男装の陰陽師は前世を告白する」編
登場人物
朔夜:前世を告白した陰陽師。メンタル崩壊寸前はもはやデフォ。
真白:ワンコ系男子。親友ポジだけど完全に朔夜ガチ勢。イイ奴代表。
夜刀:忠犬すぎて忠義が愛に両足突っ込んでる系式神。言葉は冷静、感情は暴走。
紅子:宮仕えの知性派お姉さん。朔夜の初めての女友達。笑顔で刺すタイプ。
竜胆丸:ツンデレ担当。何喰わぬ顔して内心めっちゃ気にしてる系。
狗:癒し系兄式神。やんちゃすぎて兄なのに弟属性。妹に弱い。
狛:癒し系妹式神。おしゃまなしっかり者。兄にツッコミいれるのが日課。
朔夜 (たそがれ中):
「はあ……どうせならもっと楽しい前世であって欲しかった……」
真白 (泣きそう):
「お前、こんな重い宿命をずっと一人で……! ごめんな、オレ、気づけなくて……好きが足りなくてっ……」
夜刀 (すかさず):
「私も……主の苦しみを察せず、己の未熟を恥じ入るばかりです……もっと愛を深めてまいります!」
紅子 (ふんわり微笑み):
「ふふ……お二人とも、しれっと告白してらっしゃいますけど。本当に朔夜様が大好きですわね。まあ、わたくしもですけれど」
朔夜 (真っ赤):
「や、やめて!?そんな真剣な“好き”に囲まれてると正気を保てないんだけど!?」
竜胆丸 (腕組みしつつ壁際にいる):
「……はっ、朔夜様は朔夜様だし。みんな騒ぎ過ぎ」
紅子 (ニコニコ):
「あら、竜胆丸くん。そう言いつつ目がウルウルしてらしてよ?」
竜胆丸 (わたわた):
「は!?……べ、別に泣きそうになんてなってないし!!」
狗 (なぜかガッツポーズ):
「よくわかんなかったけど、オイラもカンドーして泣きそうだったぞ!」
狛 (ジト目で溜息):
「狗兄は最初から泣いてましたよ? あと、お話わかってなかったのです?何で泣いたのです?」
狗 (わたわた):
「ちょっ、突っ込みキツイぞ、狛!あと溜息つくな!!」
紅子 (ほっこり):
「ふふふ……可愛らしい兄妹ですこと」
真白 (拳を握ってキリッ):
「朔夜が何者でも関係ねぇ。オレはお前を守ると決めたんだ!」
夜刀 (かぶせ気味に):
「いいえ、主をお守りするのは私の役目です」
真白 (ギラッ):
「は?朔夜の隣はオレのポジションだ!……だよな、朔夜!?」
夜刀 (有無を言わせぬ笑顔で):
「……いいえ、主の隣は私専用です。ですよね、主?」
朔夜 (うんざり):
「ちょっ、そこで僕を巻き込むなよ!?」
夜刀 (静かに抜刀):
「……ならば、戦って奪い取るまで」
真白 (霊符を出しながら):
「いいぜ……受けて立つ!!」
朔夜 (あわあわ):
「ちょっと待って!?ここ家の中!家の中だから!戦うな!畳が焦げる!障子が破れる!」
紅子 (やれやれ顔で):
「……“感情重過ぎ男子”が2人。朔夜様も大変ですわね。わたくしが癒してさしあげますわ(そっと朔夜の頬にふれる)」
朔夜 (頬を染めて):
「……ふぇ!?」
真白&夜刀 (速攻で):
「「それはダメだ/です!!」」
紅子 (満足げに):
「ふふふ……相変わらず、からかい甲斐のある方たちですわね」
朔夜 (胃を押さえながら):
「つ、疲れる……」
紅子 (心配して):
「あらまぁ。朔夜様、大丈夫ですか?」
朔夜 (げっそり):
「うう……だいじょばない。ガッツリ胃もたれしてる……」
狗 (ぱっと手をあげて):
「はいはい!じゃあオイラが胃薬担当する!」
狛 (そっと手をあげて):
「なら、わたしは胃に優しいお食事を作りますね」
竜胆丸 (モジモジしながら):
「じゃ、じゃあボクは……」
朔夜 (泣きながら):
「ありがとう、狗、狛。ホント君たちは可愛いなあ。癒される~(頭なでなで)」
竜胆丸 (しゃがみ込んでイジイジ):
「……ねえ、朔夜様。ボクのこと忘れてない?存在空気?」
朔夜 (わたわた):
「ご、ごめん竜胆丸……!空気じゃないよ!存在感ちゃんとあるよ!(頭なでなで)」
竜胆丸 (まんざらでもない):
「……ふんっ。今回は許してあげる。次はないんだからね?」
朔夜 (頭抱えて):
「はぁ……カオスにも程があるんですけど。何で毎回こうなるの!?」
真白&夜刀 (同時に):
「「それはお約束だからだろ/です!!」」
朔夜 (叫び):
「そんなお約束いらんわあああああ!!!!!」
◇◇◇
重い真実を打ち明けた朔夜を、仲間たちがしっかり(?)サポート中!
次回もお楽しみに!
もし楽しんでいただけたら、ブクマや下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎で評価していただけると、ありがたいです。
評価の分だけ朔夜のメンタルが回復します!?




