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転生陰陽師は男装少女!?~月影の少女と神々の呪い~(ライト版)  作者: 水無月 星璃
第5章:幻惑の白拍子、試される魂

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第2話:男装の陰陽師は美人白拍子に惑わされる1

謁見からやっと解放されて、僕は夕闇に包まれた大内裏(だいだいり)を一人、とぼとぼ歩いていた。

なんかもう、ドッと疲れた。

肩に重い石でも乗ってるみたい。

帝への謁見、なんて初めてで超緊張したし、萩壺更衣(はぎつぼのこうい)様は謎めいてて怖いし、玄道(げんどう)様は相変わらず腹の底が見えないし……


(これからどうなっちゃうんだろ……)


ため息が出そうになった、その時。


朔夜(さくや)!」


物陰から不意に声がかかって、ビクッとした。

慌てて振り返ると、そこにいたのは、心配そうな顔をした賀茂真白(かものましろ)だった。


「ま、真白!?」


なんでこんなところに?って思ったけど、彼の顔を見たら、なんだかホッとした。

西市(にしのいち)で僕が金烏(きんう)と戦った時、なんか神様モードみたいのに変身しちゃったのを、真白はバッチリ見ちゃってた。

それ以来、ずっと僕のことを心配してくれてたみたい。

おまけに、玄道様が実は金烏を操ってた、なんてトンデモない話まで僕から聞かされちゃったもんだから、気が気じゃなかったのも無理ないよね。

ごめん、心配かけて。


「どうしてって、お前が玄道の奴と二人きりで帝に呼ばれたって聞いたからに決まってるだろ!」


真白は腕組みして、ちょっと怒ったみたいに眉をひそめてる。

でも、その表情の奥に心配が透けて見えて、なんだか胸がキュッとなる。


「『玄道の奴』って……。一応、僕らの上司なんだから、ちゃんと『玄道様』って呼びなよ」


僕は呆れたみたいに言ってみた。

ま、気持ちはわかるけどさ。


「まだ、あの人が黒だって完全に決まったわけじゃないんだから」

「でも、限りなく黒に近いグレーだろ?」


真白は腕を組んだまま、全然悪びれずに言い放つ。

こいつ、ホント裏表ないなー。

そこが真白の良いところでもあるんだけど、見ててハラハラするところでもあるんだよね。

もう少しオブラートに包むとかさ……


「そうかもしれないけど……。どこで誰が聞いてるかわかんないだろ?」


僕は苦笑いして、周りをチラッと確認してから、真白にぐっと顔を寄せた。

そして、そっと耳打ちする。


「ここだけの話だけど、ちょっとヤバそうな雰囲気だったんだ……」


耳元で囁いた瞬間、真白の肩がピクッて動いたのがわかった。

心臓がドキッて大きく跳ねたのが、なんだか僕にまで伝わってきた気がする。

驚かせちゃったかな?


「お、おまっ……急に!」

「ん?」


彼の耳が一気に赤くなったのが、薄暗い中でもわかった。


「その、お前の息とか、香りとかっ……」

「んん?」

「だから、その……く、くすぐったいだろうが!」


ああ、僕の吐息とか、いつもつけてる桔梗香とかのこと?

慌てっぷりがなんか可愛いかも……って、何考えてんだ僕は!

ほ、本題に戻そう。


「ごめんごめん。でも、ホントに言動には気をつけろよ?」

「……わかったよ。お前ホント真面目だよな。……でも、オレ、ものすごく心配してたんだからな」


僕が無事なのを見て、心底ほっとしたって。

真白はまだちょっと不満そうな顔のまま、ぶっきらぼうに言った。

そのストレートな言葉に、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じる。


(そっか……こんなに心配してくれてたんだ)


僕のことをこんなに案じてくれる友達がいる。

その心強さが、じわーって染みてくる。

宮中でガチガチに張り詰めてた緊張と不安が、少しずつ溶けていくみたいだった。

ありがとう、真白。


「心配かけてごめん。でも、僕自身は特に何も問題なかったよ」


そう言って真白を安心させようとしたけど、僕の表情はまだ硬かったみたい。

帝への謁見で感じた、あの強烈な違和感。

萩壺更衣様と玄道様の、あの意味深な視線の交錯。

まだ、自分の中で気持ちの整理がついてない。

モヤモヤする……


「帝への報告は……やっぱり例の変身のことか? うまく説明できたのか?」

「ああ、一応はね。……それよりも、気になることがあったんだ」


僕は声を潜めて、さっきの謁見の様子を真白に話し始めた。

帝の隣にいた更衣様の香りと気配が、常世で遭遇した謎の声の主にソックリだったこと。

そして、更衣様と玄道様の間に流れた、一瞬の特別な空気のこと。

真白は僕の話を聞きながら、眉間のシワをどんどん深くしていく。


「萩壺更衣……帝の寵愛が深いっていう噂の后妃か。そいつが、常世の奴の正体かもしれないと。しかも、玄道……様、とも繋がってる可能性があるってのか……ヤバすぎだろ、それ」

「まだハッキリそうだって決まったわけじゃないけどね。でも、あの二人の間には、絶対何かある。都で頻発してる異変にも、きっと関わってる……」


あの二人の秘密を、どうやって探り出せばいいんだろう。

それに、増え続ける妖魔変異体に、どう対処していけばいいんだろう。

問題、山積みすぎ……

夕闇がだんだん濃い夜の闇に変わっていく中、僕たちは小声で話しながら、都小路を並んで歩いた。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

本作は同タイトルの通常版をベースに、文体をライトノベル調にリライトした“別バージョン”です。通常版はカクヨム様とnoteに掲載中。noteは一部有料でSS(キャライメージイラスト付)付いてます。※2話まではSSも無料で読めます!


もし楽しんでいただけたら、ブクマや下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎で評価していただけると、ありがたいです。

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