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怪奇現象に回帰

作者: たこわさ

いつもと同じ風景だった。


だからあんな不幸が起こるなんて思ってもいなかった。


いや、不幸という言葉がしっくりとはこない。


でも一番この状況に近い日本語の言葉は不幸なのかもしれない。


いつも通り朝起きただけ、だから同じ風景。


いつも通り少し焦げたトーストを食べ、家族四人とニュースをテレビで見て、驚いたり悲しんだり。


「行ってきまーす!!」


「行ってらっしゃい。」


僕以外はまだリビングでくつろいでいる。


父の仕事は始まるのが遅く兄は就活中、僕はただ少しだけ遠い中学校に行く。


玄関のドアを開けたらロリータが杖を持っていた。


そのロリータは握っていた杖に呪文をかけた。


「お風呂一番乗りはもっと罪悪感をもて!半々のチームに別れるグーとパーのやつグっとパでそーろい、かグっとパであわせか、グっとパでわかれましょかちゃんと統一せえ!柿の種のピーナッツあんないらん!全然仲良くないけど誕プレもらっちゃってお返ししなかったら怒られるのなんなん?!」


実に奇妙な呪文だ。


しかし突然杖が暗い場所のブルーライトのように光り、大爆発した。


もちろん僕は死んだ。


家族も死んだし、僕の住んでいる愛知県もギリギリであろう。


チクタクチクタク。


かーかーかー。


ピーポーピーポー。


みょみんみょみんぴぴょんぴぴょん。


時計の音や生き物の鳴き声などで目が覚めた。


「あれ?これはよく見るアニメの転生というやつ?でも転生ものはおじの子しか見たことないからよく分からない、あっ!夢かぁ!」


怖い夢だった。


夢とは不思議なものだ、突然未成年が車運転したと思ったらゲーム機を買ってもらったり大爆発したり、夢は寝てる時に見るものと憧れや将来の展望などがある、やはり不思議だ。


僕は朝になんてこと考えてんだ、心まで不思議な気分になった。


いつも通りの朝だ。


少し焦げたトーストを食べ、家族とニュースをテレビで見て。


絶対転生じゃない、あの不可解な大爆発は夢だ。


「行ってきまーす!」


「行ってらっしゃい。」


僕以外の三人が答える。


玄関のドアを開けた。


またロリータが立っていた。


今度は餅巾着の結んでいるひもを七、八本もっていた。


このパターンは呪文のようなものを唱える。


僕はもう分かっていた。


「みょみんみょみんぴぴょんぴぴょんみょみんみょみんぴぴょんぴぴょん」


七、八本の餅巾着のひもが光り、大爆発した。


もちろん僕は死んだ。


家族も死んだし、近くに住んでる田中さんもギリギリであろう。


チクタクチクタク。


ピーポーピーポー。


ジャージャー。


時計の音や母の料理を作る音で目が覚めた。


「あっ!夢の夢だったのか?!んん?夢の夢の夢?まあいっか、転生ではないよな。」


やはりいつも通りの朝だった。


少し焦げたトーストを食べ、家族四人とニュースを見た。


全てたいらげた。


「行ってきまーす!」


「行ってらっしゃい。」


僕以外の家族三人が答える。


もうロリータはいないだろう。


玄関のドアを開けた。


目の前にはロリータが立っていた。


今度はかまぼこ板にあみだくじを書いた意味不明なものをもっていた。


もう予想出来た、呪文だ。


「素数を食べちゃおう♪乳酸菌一頭一頭に名前を付けよう♪酢飯でチャーハンを作ろう♪自宅に和式トイレ置こう♪」


がまぼこ板が光って大爆発した。


もちろん僕は死んだ。


家族も死んだし、スリジャヤワルダナプラコッテに住んでる人もギリギリであろう。


チクタクチクタク。


ジャージャー。


モーモー。


「はっ!夢か。いや夢の夢の夢?!んん?夢の夢の夢の夢?まぁいいや、転生ではないだろう。」


話は変わって都内某所ではせわしい人がいた。


ごはんを食べる余裕もない。


アイディアを出してからずっと作業している。


出版社にその人は押しかけた。


「この作品はどうですか?!」


「夢の夢の夢の……っていうのもう聞き飽きた。帰ってくれ!」


「そこを何とかぁ〜!」


話は変わって都内某所、テレビ夕日ではとあるドラマの会議が行われていた。


「っていうまだ駆け出しの小説家が、このような夢の夢の夢……っていうのを書いて会社に持ち込むけど追い返されて始まるみたいなのはどうですかねー?」


「すぐ玄関のドア開けたら大爆発って逆に新鮮で面白い、採用だ!」


そのドラマは一年くらいで脚本から撮影まで完璧に完成し、新しい枠の朝ドラマの会で放送された。


僕は少し焦げたトーストを食べた。


家族四人はテレビ夕日の新しい枠、朝ドラマの会をみていた。


世の中には僕みたいに少し焦げたトーストをよく食べる人がいるんだなぁ、フィクションか、なんて考えていた。


僕はドラマを冒頭のトーストを食べているところしか観ていなかった。


時間がなかったからだ。


僕は玄関のドアを開けた。


ロリータが立っていて、風船のひもをもっていた。


その頃朝ドラマの会では、ロリータが風船のひもをもっていた。


やはりロリータは呪文を唱えた。


「固め!こいめ!多め!」


ドラマでは「固め!濃いめ!多め!」とロリータが言っていた。


風船のひもが光って大爆発した。


もちろん僕は死んだ。


家族も死んだし、セントビンセント及びグレナディーン諸島もギリギリであろう。

多分よく分からない人もいると思います。

というか半分以上がよく分からないと思います。

なんなら自分もよく分からないです。

たとえ東大に出ていて語彙力があっても分からないです。

今までふざけた作品を幾つか作ってきましたが、一番ふざけています。

これがよく分からなくなった理由です。

タイトルの「怪奇現象に回帰」のまんまです。

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