9話 ルキナの慌ただしい日
ダンジョンに宝箱があったりしてもいいと思ったんだ。でもさすがに宝箱少ないのかな。
迫り来る豚鬼達を殴る蹴るの繰り返しで倒していく。
「チッ…数が多いな…。【雷魔法】雷之波。」
ルキナを中心に雷の波が広がり近くにいた11体が雷に当たり感電して焦げて死んだ。そのままルキナは動く。
「【威圧】」
この一言で迫り来る豚鬼200体以上の動きが止まる。しかし、豚鬼騎士達には効かず豚鬼の上を飛び越えて迫ってきた。
「あの体躯でよく機敏に動けるな…。」
豚鬼騎士は次々と攻撃を仕掛ける。
「【硬化】【斬撃】」
「【斬撃】【追撃】」
「【雷魔法】雷閃」
などなど、10体以上の同時攻撃だ。
「今斬撃とか聞こえたな。」
ルキナは無心になり、【斬撃】を使おうとする豚鬼騎士2体に一瞬で迫る。その際、両腕を【斬刃化】させる。その両腕をラリアットの感覚で2体の頭を切り飛ばす。そのまま両腕の【斬刃化】を解き、両手からそれぞれ【暴食】と【強欲】を発動させる。
『ルキナのレベルが36から39に上がりました。』
『ルキナは【斬撃】を獲得しました。』
『ルキナは【追撃】を獲得しました。』
『ルキナは【詠唱省略】を【無詠唱】に成長しました。』
『ルキナは【並列処理】を獲得しました。』
「ここにはまだまだ糧になってくれそうなのが居るな。」
ルキナは走りながら頭上に【闇魔法】闇槍を複数展開する。それを一本一体のペースで放っていく。それで狙わなかった豚鬼騎士を殴ったはずが、貫通してしまった…。
「え、やわらか…。」
そしていつも通り、【暴食】【強欲】を使う。
『ルキナのレベルが39から41に上がりました。』
『ルキナのレベルが41から42に上がりました。』
『ルキナのレベルが42から44に上がりました。』
そして戦っているうちにビルマルキンとそばに居る豚鬼騎士2体だけになり、周りにいたオークは全滅し、全て糧となった。
「我が潰す。60年前に現れた半鬼神も我が殺した。やつは【欺瞞】と【堕落】を持っていたからな。」
何だ、こいつが以前居た半鬼神を殺ったのか。それなら理由もできた。それにそいつと違って俺には禁忌技能は3つある。使いどころを気にする必要はあるが、確実に強くなるだろう。
「それならばそいつの仇討ちをさせてもらおう。」
ルキナは真っ直ぐ全速力で加速する。
ビルマルキンはまだ動かない。
ルキナは拳をふりしぼり殴る。
「え?」
目の前に居たはずのビルマルキンが真後ろにいた。
「グハッ!!」
ルキナは後ろから殴られ前の壁に吹き飛ばされる。
「いつの間に…背後でも取れるスキルがあるのか?ならば…。」
ルキナはビルマルキンを狙う。ビルマルキンに近づいたらすぐ回転蹴りに切り替える。
「小さい体を回転させようとも体ごと掴めば問題ないぞ。」
その一言ののち、ルキナはビルマルキンに捕まり、壁まで投げ飛ばされる。
「こ、これもダメか…。それ…なら…。【闇魔法】闇槍全方位展開【加速】。」
闇槍を全方位に展開し加速させ放つ。ただし放つのはやつに近づいた時だ。
ルキナは【加速】を自分にも施す。
「【鬼神強化】【電速】【虚無魔法】身体強化【拳神】」
ルキナの現状使える最高速度でビルマルキンに迫る。
「む?はやいな。しかし、無駄だ。【遅延障壁】」
すると、ルキナは障壁の中に入った途端にスピードが遅くなる。
「まずい…。」
ルキナはすぐさま、【加速】で障壁の中を加速する。
「なに!?加速するだと!?ぶほへぇいぃ…。」
ルキナはビルマルキンを殴り飛ばして、追撃として先程展開した闇槍を放つ。
ビルマルキンの体中に穴が開くもまだ倒れない。
「なぜ、倒れない…。」
「簡単な事だ…。我には【根性】という技能があってな、絶大なダメージを受けても軽減させることが出来るのだ。」
「は?さっさと消えろ。お前は【暴食】と【強欲】だけだと思ってたみたいだがもういい。【憤怒】。」
ルキナは赤い蒸気を体から発生させる。理性は何とか踏ん張っているが、初めてのためなかなかのつらさだ。
「【電速】【加速】【蹴神】【硬質化】【鬼神強化】。」
「何だと!?禁忌技能を3つも持っているのか!まだ負けんぞ。我はお前を倒し、豚鬼帝王になるのだ。だから負ける訳には行かんのだァァァァァ!!!!!」
「さっさと死ね。ビルマルキン。」
ビルマルキンの叫びも虚しく、ルキナはビルマルキンの頭を蹴り飛ばす。
『ルキナのレベルが44から50になりました。』
『ルキナは【苦痛耐性】を獲得しました。』
『ルキナは【遅延障壁】を獲得しました。』
『ルキナは【魔力障壁】【遅延障壁】を合成し、【障壁操作】を獲得しました。』
『ルキナは【空間操作】を獲得しました。』
『ルキナのレベルか50に達しました。経験値獲得量が増大します。』
『ルキナは【変速】を獲得しました。』
名前:ルキナ
種族:半鬼神
ランク:S
レベル:50
技能:【拳神】【蹴神】【暴食】【威圧】【電速】【隠遁】【鬼神強化】【硬質化】【念話】【神気】【魔法の才】【腐敗無効】【憤怒】【鬼神化】【言語理解】【斬刃化】【強欲】【魔力操作】【魔力感知】【闇魔法】【雷魔法】【虚無魔法】【加速】【自己再生】【状態異常耐性】【魔力生成】【障壁操作】【空間操作】【斬撃】【追撃】【無詠唱】【並列処理】【苦痛耐性】【変速】
スキルの数が増えたな。しかし分かりにくい。もう少し整理してほしいが、今はいい。
「それで、おまえら2人はビルマルキンは死んだがどうするんだ。最後まで足掻くのか?」
2体の豚鬼騎士は互いを見合い、
「我々では勝てないのは承知の上だが戦って逝きたい。了承してくれるだろうか。」
ルキナは別に構わなかったので、特に何の縛りもなく了承した。
2体の豚鬼騎士は【魔力生成】にて武器を生成し、それに炎を纏わせたり、水を纏わせたりしている。
ん?武器にも闇纏を付与できるのか?まぁそもそも素手だから関係ないか。
2体は図体に見合わぬ速度で迫る。そして最後の2体を相手取るためにわざわざ【斬刃化】を使う。
「お前たちはこれで殺らせてもらう。」
2体は剣で斬り掛かる。その剣を斬刃化した腕で両方ガードする。その上で両方、剣を逸らす。
2体はバランスを崩した。
ルキナはそのタイミングを待っていたかのように2体の首に刃を添え、首を飛ばしたのだ。
「お前たち2体が1番戦ってて気持ちが良かったぞ。」
『ルキナのレベルが50から52に上がりました。』
そんな感情とは無関係に頭の中に鳴り響くメッセージである。