5話 遠距離攻撃習得と魔法の試し打ち
ステータス欄にランクを設けました。
ルキナは相手のステータスを見る能力はありません。
「のぅルキナ。お主は遠距離攻撃と聞いてどんなものを想像する。」
「それは…細長いのを飛ばしたり丸いのを飛ばしたりとかか?」
「それは闇弾と闇槍じゃな。お主の場合は雷にも適性があるからの。並行して雷弾と雷槍も覚えていくとするかの。」
「よろしく頼む。」
ルキナはジグーの指導の元、魔法の練習を始めた。
「まず、お主は槍を飛ばすことを想像してみぃ。」
ルキナは先端が細い黒い槍を想像する。それを架空の骨人に向かって放つ。しかし骨人に届くと同時に槍が霧散する。
「あれ、想像したはいいが的に当たった瞬間消えたぞ。」
「お主、鋭さや硬さの想像をしていないじゃろう。それも込みでやってみぃ。結局のところ魔法なんざ想像力がものを言うんじゃからの。」
「分かった。」
次に想像するのは黒い槍だが先程より先端の鋭さが先程よりあり、硬さも敵を貫いても問題ないと思えるほどする。そして槍に回転を加えてみることにした。そしてそれを現実に具現化する。そして放つ。
「ルキナ…。先程より格段に強い闇槍じゃのう。しかも回転まで加えるとは…。これなら貫通力も上がりそうじゃしのぅ。これを雷でも実践してみぃ。」
コツを掴んだのか、ルキナは次々と魔法を覚えていく。闇槍、闇弾、闇纏、雷槍、雷弾、雷纏だ。
『ルキナは【闇魔法】【雷魔法】【詠唱省略】を獲得しました。』
「お、ジグー。魔法も覚えたが、【詠唱省略】とかいうのも覚えたぞ。」
「やはりお主は天才か。」
「何がだ?」
「まぁそこは置いておくとしようかの。今ので闇と雷の魔法を覚えたであろう?次は虚無を覚えるとしようかの。」
「虚無とはなんなのだ?他の属性と何か違いがあるのか?」
「最たる違いは炎や水、風などの自然要素。または光や闇などの神聖要素を必要とせぬ魔法のことじゃ。」
「例えばどんな魔法があるんだ?」
「それは、摩擦、重力、などじゃな。あとは虚無の応用じゃと、【時間旅行】とかのぅ。最後のやつは時間の行き来を可能とする。まぁこれを使っておるのは魔王などじゃが。多彩であるが故に説明が他属性に比べはるかに難しいのじゃ。」
ルキナは考え込む。今の感じだと、まだまだありそうだなと。【鬼体強化】を使わずとも魔法で補う事も出来るだろうと。
「少しやってみる。どこかに手頃な敵はいないか?」
「早速なにか思いついたのかの?それならばここより下の階層にいる木人形で試してくるといい。あやつらは曲がりなりにも人型だからの。人型との練習にもなるじゃろう。」
「ありがとう。では行ってくる。」
ルキナはそうやって巣を出て下の階層に向かった。
「ルキナめ、行ってくる。と言っておるな。お主はいずれここを出るだろうに。」
そんなジグーの言葉を置き去りにルキナは下の階層への階段を見つけ下へと降りる。
このダンジョンはどこまで続いているのだろうか。そんな疑問を他所に下の階層にたどり着いたルキナは辺りを見回す。すると、至る所にジグーの言っていた木人形を見つけることが出来た。
「では試してみるか。【虚無魔法】肉体強化。」
すると、ルキナの体から力が溢れてきたのである。
木人形に【隠蔽】で近づきそのまま殴った。なんということか。木人形は粉々に弾け飛んだのだ。
「この強化は使える。あとは並行して使いたいところだが、二つのことを同時にやるのは初めてだな。【鬼体強化】【虚無魔法】肉体強化。」
すると先程の10倍以上に力が漲ってきた。そして走るためにあれを使った。
「【電速】」
木人形からすると高速で動き回る圧倒的パワーである。逃げようとすれば追いつかれ体を粉々にされ、反撃しようとすれば、逃げたものと同様に粉々にされる。しかしそんな猛攻が突然止まった。
「この組み合わせは体に負担がかかるな。使いどころが肝だな。だがレベルも上がった。」
名前:ルキナ
種族:鬼人
ランク:B+
レベル:19
技能:【拳術】【吸収】【威圧】【電速】【隠蔽】【鬼体強化】【硬化】【念話】【覇気】【魔法の才】【腐敗無効】【憤怒】【鬼化】【言語理解】【斬刃化】【強奪】【魔力操作】【魔力感知】【魔力障壁】【闇魔法】【雷魔法】【虚無魔法】【詠唱省略】