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4話 ジルドとの手合わせ、ジグーの教え

シャーマンから魔法について教わり始めて3日経った。ゴブリン達の巣の中でゴブリンエージェントやその上位種であったハイゴブリンなどと手合わせをしていた。


「お前、強そうだな。名があるんだろう、なんというのだ。」


ハイゴブリンがそう聞いてきた。

「俺は”ルキナ”だ。」


「そうか、ではゆくぞ!」


ハイゴブリンは【疾走】【硬質化】【裂空拳】を同時に使ってくる。ルキナはそれを受け止め、その上で肘の関節に向かってアッパーを決め、そのままドロップキックを決める。ハイゴブリンも負けじとちぎれた腕を切り捨てて【突進】【衝撃】を使ってタックルを仕掛けてくる。これも受け止めようとするが、【衝撃】により吹き飛ばされる。着地は見事に決めれたものの、腕が衝撃で痺れてしまった。


「そのタックル、なかなか凄いな。衝撃を殺しきれなかった。」


「ルキナこそ俺の三連スキルのパンチを素手で受け止めたではないか。なかなか気骨があるな。」


「それよりそのちぎった腕はどうするんだ。」


「ん?あぁそれはな。」


巣の奥からやってきたのはゴブリンナースという特殊進化種族だった。どうやら光魔法に優れているらしく腕の1、2本の再生はお手の物らしい。


「凄いな、その光魔法、適性があれば習いたかったものだ。」


「闇魔法にも似たようなのがあるはずだ、そこはジグーに聞け。」


「ジグー?シャーマンのことか?」


「そうだ。ジグーは巣の中で1番、魔法の扱いに長けているからな。ここにいる魔法を使えるやつはみなジグーから教わった。」


「なるほどな。」


「あと、ルキナ。言いたいことがある。」


「なんだ?」


「お前メスだろ。もう少し動きやすい服装にしろ。服装を変えるだけで戦闘の動きが改善されたりするぞ。あと言葉遣いも丁寧にしとけ。」


「え?俺がメス?すっかり忘れてたわ。」


「それについてもジグーに伝えとくぞ。」


「色々とすまんな。」


「なに、同族のよしみだ。良いってことよ。」


「聞く順番が後になってしまったが名前はあるのか?」


「俺はジルドだ。」


「覚えておくよ。」



ルキナはそのままジグーのところに向かう。

向かうついでに巣の中をぐるっと回る事にした。先程ジルドの腕を再生させたゴブリンナースのところに寄り道してみると、子鬼が大量に居た。10や20じゃ効かない。50はいるようだ。その傍でゴブリンナースらしきものが3体ほどいた。


「さっきジルドの腕を再生させたのは誰だ。」


「わ、私です。」


「そうか、少し聞きたい事がある。」


「私が答えられる範囲であれば…。」


「光魔法に再生させる魔法がある事は分かったが、闇魔法にも同じような再生魔法はあるのか?」


「ある、とは聞いたことがあります。」


「なるほど、感謝する。それでどうして巣の奥に子鬼が集結してるんだ、今は近くに魔物も居ないのだから鍛えさせるなりすればいいだろうに。」


「それは、このような大所帯をまとめれるほどの部隊を編成できる実力派がジルド様とジグー様しかいらっしゃらないからです。」


「そう言う理由があるのだな。分かった。では失礼する。」


ジグーの所に到着すると、ジグーは何か魔法を使っていた。


「何をしているんだ?魔法のように見えたが。」


「これは魔法弾を作ってるんじゃ。これがあれば魔法が使えぬものでも魔法攻撃が行えるのでな。」


「どう使うんだ?」


それはじゃな?と言って口の中に放り込んだ。そして手を前に出すと、そこから半透明なものが手から射出された。


「ん?手に力を込めると空気弾みたいなのを出せるのか?」


「そうじゃよ。せいぜい半刻が限度じゃがな。」


「たしかにそれなら少しは自衛できるだろうがまずそれを敵に当てれるのか?当てれないのなら意味が無いだろう。」


「たしかに今の子鬼共に使わせてもまぐれで当たるくらいじゃろうな。でも無いよりはマシじゃろう。」


「まぁ、そうだな。」


そして本題を切り出すことにした。

「聞きたいことがあるんだがいいか?」


「構わんぞ。」


「光魔法に再生させる魔法がある事は分かったのだが闇魔法にも同じようなのはあるのか?ゴブリンナースはあるかもと言っていたが…。」


「ワシには闇の適性が無いから使うことは出来んが【闇魔法】闇治癒ダークヒール」ならある。」


「それ以外は無いのか?」


「恐らく光魔法に対応するようにあるじゃろう。」


「なら数もそれなりに期待しても良さそうだな。」


ジグーは心配そうな表情を浮かべていた。

「そういや、ルキナよ。まだ腕が痺れておるそうじゃな。」


「そう…だな。隠しているつもりだったが。」


「体を前の状態に再生させるような想像力をもって腕に対して使ってみぃ。」


ルキナは指示された通り、己の腕が痺れる前の状態に再生するような想像をする。だがそれだけで上手くいくのか?という疑問があるのかなかなか発動しない。体内に血液があるのは分かっていたがどこまで再生するのかあまり分かっていなかったのだ。


「ジグー。血液の分まで再生させればいいのか?」


「魔法では血液の総量は元には戻らん。そこは食って増やすんじゃ。お主には【吸収】があるじゃろう。それを使うといい。」


「血液を気にすることなく回復させるとするか…。」


ルキナは集中する。すると腕が黒く発光したのち痺れが治まった。


「お、痺れが治まった。」


「出来たようじゃな。念じるだけで成功するとは…お主やはり才があるのぅ。鬼人だからなのか?」


「そこは分からないが念じるだけで治るなら戦いに集中しやすい。」


「お主はすぐ戦いの方に繋げよるのぅ。」


「それしか頭に無いからな基本的に。」


「まぁ回復はできるようになったんじゃし次は遠距離攻撃の習得に移るとしようかのぅ。」


「それを待っていた!」


ルキナはついに攻撃手段が増える事に嬉しさを覚え自然と表情が崩れていた。


「全く笑わなんだと思っておったが、お主も笑えるではないか。」






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