31話 ダンジョン破壊が楽しくて辞められない
久しぶりにこちらも投稿しました。
ルキナは今日は普段とは服装を変えている。髪の毛を黒く、目もカラコンを入れて黒に、服もフード付きの服で、長袖のパジャマとも取れる服装だ。
そして【深淵の鐘】を調べていくと変装や変声に使えることがわかった。これなら問題ないだろう。
前回はブレスを使った事で疑われた。そしてルキナは今回、【魔法帝の書】を駆使して、分身を作り、リサの家で過ごさせている。そして今回は【深淵操作】と【混沌操作】の両方を使った空間移動で外に出ているので、外のカメラに写っていない。これなら安心して経験値集めができるだろう。
なにせ、ダンジョン破壊は非常に効率のいい経験値集めになる。中に人が居ればもれなく使えるだろう。上手く使えば技能も奪える。
さて、今回はどこのダンジョンにするか。
ルキナは家から遥かに離れた東北に移動している。
ルキナは周りを見渡し、ダンジョン前に人が集まっているところを探す。
すると、1つのダンジョンにかなりの人数の探索者が集まっているのが見えた。入って少ししてからの方がいいだろう。
ルキナはじっと待つことにした。今ルキナは電波塔の上の柱の隙間にいる。【影の帝王】を発動しているので周りからは見つからない。
サーモカメラなどを使われても問題なしだ。
それから1時間くらいが経過したので、試したいことを思いついた。それは、ファルネラという天使が使っていたとされる攻撃魔法を完全に真似たものだ。光の弾を大きくして、数を増やして散らす事で、多くの探索者を苦しめた技だ。これを使えば、ファルネラという天使に罪をなすり付けることも出来る。
「しかし、光魔法を覚えていないんだよな。雷魔法を光魔法のように扱うにはどうすればいいものか。」
ルキナは考える。雷魔法からビリビリ要素を無くせば使えるのでは!?と。
「そうと決まれば。【雷魔法】極大多雷弾」
ダンジョンの周りにファルネラが使っていた魔法の形と同じものを生成する。
(ちなみに塔からダンジョンまでの距離は2kmほど。)
極大多雷弾をダンジョンにぶつける。威力の底上げを【殺戮の嵐】により行う。
すると、ダンジョンは大爆発を起こし、粉々になる。
『ルキナはレベルが262から288に上がりました。』
『ルキナはレベルが288から301に上がりました。』
『ルキナは【次元斬撃】を獲得しました。』
『ルキナは【睡眠学習】を獲得しました。』
やはりダンジョン破壊は楽しい。経験値も沢山入るし、沢山技能も手に入る。
一応ダンジョンの付近でファルネラと思しき姿が見えるように【雷魔法】と【混沌操作】を使った。
そして、次のダンジョンへと向かう。
ちなみに東北のダンジョンを標的にしたのは、ファルネラが現れたのが東北だからだ。
続いては近くのもうひとつのダンジョンだ。ここは難易度が低いらしいので得られる経験値は少ないだろうがレベルは確実に上がるのでやって損は無い。
そしてそのダンジョンは洞窟型だ。今回は塔型よりも狙い辛い。なのでファルネラの発動していたレーザーそっくりにして発動する。これは【混沌操作】で周りからは雷魔法のレーザーが光のように見えるように調整する。【混沌操作】で操る混沌は色も変えれるようだ。便利すぎるだろう。
さっきの極大多雷弾も【混沌操作】を使えば良かったと思った。
ちゃんとダンジョンの上にファルネラの幻影を映し出すことも忘れずに。ちなみに近くで見ると幻には見えない。【混沌操作】を使えばファルネラとソックリに再現することが出来たからだ。
放たれたレーザーは地面を貫き、縦穴を開ける。開いた穴の壁からは焦げたような後があり、あまりの温度からドロドロのマグマのようなものがこぼれる。
『ルキナはレベルが301から308に上がりました。』
『ルキナはレベルが308から314に上がりました。』
『ルキナは【確率調整】を獲得しました。』
『ルキナは【ウイルス操作】を獲得しました。』
やはり、先程よりも貰える経験値が少ない。ランクの低いダンジョンなのだろう。しかしこれでファルネラが久しぶりに現れたということになってくれるだろう。
「これで俺に対する疑いが晴れるといいな。」
イリアは本体と分身を入れ替え、分身を消す。消した際に分身の記憶を本体に入れる。明日の様子が楽しみだ。
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その夜、世間は騒いだ。ニュース速報だ。
東北で2つのダンジョンが破壊されたという速報だ。死者も多数おり、予断を許さない状況である。
そしてダンジョンを破壊している最中であろう動画が公開されていた。そこに映っていたのは、笑っている天使だ。
そして、その映像をニュースで見たほとんどの人がこう感じた。
(悪夢の天使の再来だと…。)
飛鳥はダンジョン破壊事件の報告を受けている。
「また出たわね…。しかも今回ハッキリしたことがあるわね。」
「そうですね。今回の破壊ではっきりしたのは10年以上行方がわかっていなかったファルネラがまた現れたということですね。」
「恐らくこれまでの調査から勝手に半鬼神ルキナがやっていると判断していたけれど間違っていたと感じたわ。セレスティアちゃんには後日、謝罪しておかないとダメね。」
「それよりもファルネラが以前より強くなっていることが重要ですね。そして次現れるであろうダンジョンに張り込みも必要かと思います。」
「それもできるだけ高ランクの探索者がやるべきね。」
「では、早急に東北にある全てのダンジョンを調査するよう人員を派遣します。」
「お願いするわ。私もファルネラと戦うのは久方振りなのよね。」
「もしかして前回現れた時に現場にいらしたのですか?」
「えぇ、あのレーザーは触れるだけで体を持っていかれるわ。あのレーザーで非常に多くの探索者が亡くなったわ。その戦いに終止符を打つ時が近づいてきたわね。」
そういって、飛鳥は窓の外の星空を見上げた。
ルキナが今回獲得した技能の説明。
【次元斬撃】不可視の斬撃を飛ばすことができる。
(既に似たようなことが出来るので意味なし)
【睡眠学習】その日に学んだ事を寝る事で確実に定着させることが出来る。戦闘面に置いても非常に優秀。軽い休息にも適応させることが出来る。
【確率調整】ひとつの事象の確率を調整出来る。調整範囲は30%から80%の間。
【ウイルス操作】ウイルスを操作できる。未知のウイルスを作り出すことは出来ない。既存のウイルスのみ。
こっちも投稿再開です。




