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22話 1人で遊びに来た 前編

話の内容に出て来る店の名前はフィクションです。

セレスは、リサの母親からお金を貰い、街に出掛けることにした。リサはというと、受験勉強が控えているので勉強するようだ。自分は勉強に関しては問題ないと判断されているようで、1人で出かけることになった。テンヤや俊介も受験勉強があるらしい。AIの発達、人口の減少に伴い、無人運転による電車走行やAIによるアナウンス、無人のコンビニなどが発達した。そういう所は変われども、お金を払って切符を買う、などは残っている。

ルキナは駅に着き、切符売り場に向かった。人が何人か並んでおり、自分の番が来たと同時にボタンを触る。


「これの中に入れればいいのか…?」


ルキナは切符の購入に苦戦していた。すると、後ろから声を掛けられた。相手は男性だ。


「すみません、何か悩まれてそうでしたが、分からない事でもありましたか?」


「切符を買いたいのだが、この硬貨を入れる場所がここでいいのかと思ってな。240円入れようと思っているが。」


「それならこの中に硬貨を入れればいいですよ。」


意外と優しいようだ。


「感謝する。」


ルキナは硬貨を入れ、240円のボタンを押す。少しすると、切符が中から出てきた。


「切符を改札口の所に入れるんですけど、乗る時と乗り換える時だけ切符が出てきますので。降りる時は出てきませんよ。」


「感謝する。あなたはどこに行くんだ?」


「俺はDランクダンジョンに向かうんですよ。」


「そうか、ランクはDなのか?」


「そうですね。あなたもDですか?」


「いや、俺はEだ。2日ほど前に登録したばっかりでな。」


「最初のうちはコツコツ依頼をこなす事をオススメしますよ。」


「確かに受付嬢にも似たようなことを言われたな。」


「気をつけてくださいね。」



「委細承知した。」


ホームで電車を待つ。2分ほどした後、電車が到着した。


行き先と同じ電車である事を確認し、乗り込む。


席が空いていたので座る事にした。リサの家で座り方についても細かく指摘を受けた。足を広げて座るのは良くないと。内股くらいで座らないと前から見えてしまうと。今のルキナの服装は冬という季節も絡むが、角を見えなくする帽子を被り、服が黄土色でモコモコの部分が白色なコート着て、中にはヒートテック着た。オーバーニーソックスを履き、スカートは少し短めで太ももの3分の1が隠れる程度だ。手袋は必要無いと言ったが、リサから手がカサカサになると良くないと言われ、化粧用品についても色々教わった。ついでに手袋も持ってきた。完全に出掛ける用だ。

銀髪の髪は帽子で隠れてない部分をウェーブにした。靴は白色のショートブーツだ。


帽子は色を変えることが出来るので赤色にした。下着は言わずもがな、つけている。


モデル顔負けのスタイルに服がとても似合っている。当然、周りからは見られる。だけど本人は特に気にしていない。魔物として産まれたルキナからすると、敵意を向けられていないなら問題ないという判断だろう。


周りの人もこんなに美少女がSSランクの魔物だとは思うことは無いだろう。スマホは持っていないが、帰りは最悪、【空間操作】系統の力を使って移動すればいい。


すると、大阪駅に着いたようだ。人がかなり多い。降りる人も乗る人もかなり多いが、目印や案内のおかげで迷うこと無く改札まで行く事が出来た。


駅を出ると、探索者がかなり集まっている場所があるのを発見した。どうやらここにはAランクダンジョンがあるらしく、強さに自信のある探索者達が日夜潜って稼いでいるらしい。別に侵入する事は簡単だろう。【深淵の鐘】の能力で隠密がとてもしやすい。だが今の服装は戦う服装では無いので、入るつもりはない。


今日見に来たのはゲームや服などだ。あとは食事も摂るつもりだ。


まずは目の前にあったミツバシカメラに入る事にした。


各階ごとに売っているものが違うようだ。ゲームという文化が地球にはあるらしく、それを見てみたくなった。


「なるほど、3階にあるのか…。」


エスカレーターに乗る。自動で進む階段に乗ったことで少し感動している。


3階に到着したルキナは早速見て回ることにした。PCゲームからカードゲーム、ゲーム機を使った物や、機械を必要としないおもちゃ類もある。どれもこれもルキナからしてみれば新鮮な物で、ジグーやジルドに見せれば楽しんでくれるだろうとも思った。これはまた再会した時の土産話にでもしよう。


配管工の兄弟によるステージの踏破系ゲームやキャラ同士の対決、銃を用いたバトルなど、様々なゲームがあることを知った。


「こんなにあるのか…。」


次に見に行くのは服だ。というよりかは下着だろうか。今つけているものはリサのものを借りているに過ぎず、自分には合っていない。だが無いよりはマシだとして付けているのだ。


下着専門店を見つけたルキナは店内に入る。


「いらっしゃいませ〜。」


「花柄を2セットずつお願いしたい。水色でお願いする。」


「サイズはどうされますか?」


「サイズがどんなものか分かっていないから測ってほしい。」


「オーダーメイドですね〜。それじゃあこちらの部屋に来てください〜。」


店員に案内された部屋は鏡が目の前にあり背もたれのない椅子がある。座るよう促されたルキナは測りやすくするために服の脱ぐ。


店員さんは口をこぼす。


「おぉ…。おっきい…。」


「?」


「歳はまだ若そうねぇ。14、5くらいかな?」


「15だ。高校には入っていない。」


「中学生かぁ…。でも今日は平日だけど学校は無いの?」


「行ってないな。」


「この銀髪は地毛?目もルビーみたいに赤いねぇ。」


「これは地毛だ。目も特に染めていないな。」


「そかそか〜。これからJKになるのか〜。探索者になってもいいし、普通に働いてもいいし、配信者になってもいいし、いろいろあるから。あとはちゃんと遊ぶこと!」


「もう探索者になっているぞ。」


「チームとか組んでる?1人だと色々危ないから組んだ方がいいよ?」


「4人でチーム組んでる。2日前に初依頼をこなした。」


「そういえば暖房効いてるけれど頭とか暑くない?帽子をずっと被ってるけれど。」


「全く暑くない。もしかして取る必要があるのか?」


「いやいや〜いいよー。」


こんな調子で会話をしながらサイズを測る。


「この感じだと…DとEの間くらいかな?ちゃんと付け方は分かるよね?」


「もちろん分かる。値段はこれで足りるのか?」


そういって財布から万札を見せる。


「1枚あれば足りるよ〜。」



そこから10分ほど待つと、店員さんが部屋に戻ってきた。


どうやらブラを用意してくれたらしい。サイズ調整が可能なブラらしい。


「付けて帰る感じかな?」


「付けるが、まだ帰らないな。食事もしたいから。地球の食をほとんど知らないから11階のレストランフロアで色々食べるつもりだ。」


「地球の食?もしかして人種じゃなかった感じ?」


ルキナは帽子を取る。


「あらぁ〜。黒い角ねぇ〜。もしかして鬼族?」


「そうだ。」


「こんな可愛い子が鬼族かぁ…。それじゃあ探索者としては前衛なんだねぇ。」


「魔法も使えるから前衛と中衛だな。」


店員さんはルキナの頭を撫でる。


「ど、どうしたんだ?」


「鬼族でもファッションするんだなぁ〜ってね。私が過去にテレビで見た鬼族って言ったらそういう集落に住む少数民族的な感じだったよ。」


「自分はそんなところでは育っては無いが、戦争が多いところで産まれたな。」


「意外にも人里で産まれたのねぇ。まぁ角は目立つとめんどくさいから隠しておくに越したことはないわ。」


「長々と話をしてもらってわるかった。」


「いいのよ〜。若い子と話せるのはいい事だからねぇ。」


ルキナはお礼をする。下着を購入したら、次は11階へ向かう。エスカレーターで登っていく。


買い物袋は空間の中にしまっている。


手を後ろで組みながらレストランフロア内にある店を見ていく。肉を食べる場所であったり、パンを食べる場所であったり、麺類であったり、デザートであったりと。


ルキナが今まで食べてきたものと言えば、【暴食】による吸収とリンゴのような果実だけだ。他に食べたものは無い。なのでとても楽しみなのである。

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