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20話 4人で探索者登録してみた

「リサ、おはよう。」


「おはよーう…。」


「眠そうだな…。」


「そりゃ眠いよぉ〜…。セレスこそ眠くないのぉ〜?」


逆に聞かれるが常に緊張感を持って過ごしていたので眠いってことはない。なので首を横に振った。


「羨ましいなぁ…。」


「そうだ、リサ。国語と数学と理科と英語の勉強は大体終わったぞ。中学三年の範囲までだけどだいたい理解した。読み書きも、ほら、この通り。」


といって寝起きのリサに、リサが寝ている間に書き上げたノートを見せる。


「どうだ?書く順番とか形とかおかしくは無いか?」


「え、凄くない???私ほとんど教えてないよ????」


「そりゃその高校とやらに行ってみたかったからな。リサが居るなら、恐らくテンヤも居るんだろう。地図を見させてもらったが、この近くに高校は無いんだろう?なら大丈夫じゃないのか?」


「え?地図の見方も分かったの?」


「勿論、予習ってやつだな。ただ社会の歴史とか、音楽とかは想像ができないから触れていない。音楽に関してはどんなものかそもそも分からないからな。」


「じゃ、じゃあ今日は歴史と音楽だね。美術とか技術とか家庭科は?」


「それは終わった。問題ないぞ。料理はまだした事ないがそれもいずれやってみたいな。」


「歴史に関しては世界史と日本史とあるんだけどね。世界史は大まかな歴史とダンジョンが出現してからの歴史の二つがあるんだよ。日本史も同じ感じだよ。」


「教科書だけを見ても分からない事があるのか。音楽はリコーダーとかピアノとかバイオリンとか種類が豊富なんだな。」


「それらを頑張って練習して演奏するとかね。」


戦闘以外にも学ぶことは多い。そしてそれらは戦闘に活かせるかもしれない。


「それじゃあ今日は歴史と音楽を覚えていこっか!」




■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■





静観ダンジョンにて


学園内に所属する講師4名(A級3名B級1名)による内部調査にて、第5階層より下の階層の発見。そして、災厄となり得る可能性を秘めたSランクの魔物であるルキナと名が付く魔物の確認。


飛鳥憐黎はため息をついている。


「下関の暴走にインドのダンジョン崩壊にEランクダンジョンにSランクの魔物…。嫌な事が立て続けに起きていて対応がめんどくさい。」


「確かに色んな事がありますね…。その静観に関する事で調査隊からの報告があります。」


「話してくれ。」


「分かりました。まず静観ダンジョンの第1階層の入口から最も奥深くに現実阻害の空間障壁が張られて居ることを確認。障壁の前で立ち尽くしていると、中から4体の魔物を確認しました。」


「4体?ランクと種族を教えてくれ。」


「まず、バスターソードを片手に持つSランクのゴブリンロードと奇妙な杖を持つSランクの賢鬼、回復に特化し、四肢欠損すら治すAランクの聖光鬼、通常個体とは違い体全体が赤いAランクのゴリアテを確認しました。」


「Sランクが2体…??」


「鑑定で確認をしようとした所、賢鬼に妨害され確認出来ませんでした。」


「交渉の余地はあるのか?」


「しかし、相手から名乗ったと報告を受けています。」


「続けろ。」


「まず、ゴブリンロードはジルドという名を持っていました。名付けをしたのは魔王ロザリーナと…。」


「は?待て…まてまてまてまて…。魔王ロザリーナはアメリカのSSランクダンジョンの最奥に居るとされる貴種だぞ。なぜそいつに名付けをされたやつがここに居る。」


「それだけではありません…賢鬼はジグーと名乗っていました。水、土、雷、炎、風の5つの属性を操るところまでは確認されています。」


「そいつもか?」


「どうやらジグーと名乗った賢鬼もまた、ロザリーナに名付けられたそうです。」


「なら…ルキナと呼ばれる半鬼神もロザリーナに…。」


「いえ、それが…ジグーは何やら妙な事を言っておりました。」


「続けろ。」


「己自身に名をつけたと。」


「は?」


通常、知性のない魔物は名を与えられる事で知性を獲得することが出来る。成長すればするほど知能は高まっていく。そして名を与えられる者は与えた者と最低でもランクが2つ以上離れている必要がある。名を与える行為は己の魔力を使う事に同義であり、それを容易く行う魔王ロザリーナなどのSSランクの魔物は隔絶した強さを持っている。そしてこれは24年前、ロザリーナと退治したアメリカの探索者が残したデータだが、ロザリーナは魔物達が神と崇める者により名を授かった、と。ロザリーナのような魔王ですら名を与えられている。


しかし、今回のルキナは違う。己自身に名付けを行うという今までの探索者界の常識を根底から覆す魔物である。


「そいつは今何処にいる?」


「それが、最後に顔を見せて以来、音沙汰がないと。」


我々の希望としてはそのような危険な魔物が相打ちとなって死んでくれていると非常に安心するが。


「そいつらにこちらを攻撃する意思は無いのだな?」


「調査隊の報告では意思は感じられないということです。」


「ならいい。それよりも私もそろそろ探索者協会に行かなくてはな。あのハゲに挨拶しに行かなくては。」


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


リサとルキナは探索者協会に来ていた。


「勉強も終わったし!登録しに行こうよ!セレス!」


「いいぞ。そういえばあの二人は呼んでるのか?」


「もちろん呼んでるよ!」


五分ほど協会の中で待っていると2人が入ってきた。


「お、テンヤと俊介が来た。」


「どこどこ〜?」


「ほら、あそこ。」と指を指す。


「ほんとだ!おーい!」


2人は声に気づいたのかこっちに走ってきた。


「よお!リサ!セレスティア!」


「やぁ…リサさん、セレスティアさん…。」


「そうだ、2人ともこれからセレスで呼んでくれ。」


「了解だぜセレス!」


「それで、今日は探索者登録だよね…。」


「4人であそこの事務のとこに行けば分かるでしょ!」


そういって4人は受付まで来た。

「どういったご利用でしょうか?」と受付嬢が聞くと。


テンヤが真っ先に言った。

「俺たち4人とも探索者登録しに来たんだ!歳も15になったからな!」


そう言うと、


「それではこの書類に名前と年齢と職業を書いてください。職業はこれからなろうとしてる職業で構いませんよ。」


4人とも1枚の書類を渡される。各々書類に書き込んでいく。


そして書き終えた4人は受付嬢に紙を渡す。


「なるほど…ではこちらに来てください。」


そう言って4人は登録室に入る。ここ登録室では探索者登録をする人に説明するための部屋である。


「ではまず、伊崎天弥いさきてんや君、15歳、職業は盾騎士でよろしいですね?」


「おう!その職業にするぜ!」


「次に、野中俊介のなかしゅんすけ君、15歳、職業は食医師フードドクターでよろしいですね?」


「はい!それでお願いします!」


「次に、真城梨沙しんじょうりささん、15歳、杖剣士でよろしいですね?」


「はい!よろしくお願いします!」


「最後にセレスティア・レブナントさん、15歳、魔体術士でよろしいですね?あとセレスティアさんに関しては種族一覧に鬼族と記入されていますがお見せいただいてもよろしいですか?」


「あぁ、別に構わない。」


ルキナは帽子を取る。漆黒の鋭い角が現れる。


「おぉ、かっけぇ!」


「すごっ!」


男子二人はかっこよさに興奮しているようだ。


「一応聞きますが、本物の角で間違いありませんね?触れても構いませんか?」


「全然問題ない。なんなら生え際のとこも確認してくれていい。」


受付嬢はルキナの角をペタペタと触る。生え際のとこも指でなぞるように触っている。少しこしょばいので笑みがこぼれる。


「こしょばかったですか?まぁ協力ありがとうございます。4人ともEランク探索者です。Eランクに渡される依頼書などはEランクダンジョン内における採集や魔物の単体討伐などが多いです。もちろんそれ以外にも探索者協会内の書類整理などの雑用依頼も含まれます。地道にこなしていけば直ぐにDランクになれますよ。1つ忠告をするとしたら、命を大事にしてくださいね。勇気と無謀を履き違える行為は辞めてくださいね。」


「「「「わかりました!」」」」


「少し待っていてくださいね。」と受付嬢が部屋を出る。


五分ほど待った後、先程の受付嬢が何か箱を持って部屋に入ってきた。


「では探索者証を配りますね。これが無いと依頼が受けれませんので無くさないよう注意してくださいね。再発行の際はお金がかかりますので。それじゃあ頑張ってくださいね。」


探索者証を渡された4人は登録室を出る。ルキナは帽子を被る。リサの親の説明によると、確認されている鬼族は100人に満たないそうで角を晒して余計な問題になるのを避けたい。


「それじゃあ4人でEランクダンジョンに行かね?」


「何か依頼を受けるの?」とリサが聞く。


「スライム討伐とかゴブリン討伐依頼とか薬草採取依頼受けようぜ!」


「それいいな。それなら依頼受付所の方に向かうか。」


4人は依頼受付所に向かう。


「すみません。先程探索者登録したばかりの4人なのですが、何か依頼を受けれたりしますか?」


俊介が受付嬢に聞く。

「Eランクの依頼ですと、ゴブリンの魔石採取とスライムの魔石採取と癒しの薬草採取の依頼の3つがございますが、どれにされますか?」


「なぁ、どれにする?」


「ここはスライム討伐依頼にしたらどう?」


「まだ人型に慣れてないもんな。」


「俺は別にどれでもいい。なぁ受付嬢。薬草採取の事なんだが、薬草の特徴はあるか?」とルキナが質問する。


「癒しの薬草の見分け方ですが茎の部分が黄色いのが癒しの薬草で緑色が毒薬草です。今回の依頼は癒しの薬草なので黄色い茎の色をした薬草を採るとよろしいですよ。」


「ありがとうございます。それじゃあみんな、薬草採取依頼でもいいよね。これが一番安全そうだし。」


「なら、取りに行く時は俺が周りの警戒をする。」


「では癒しの薬草採取依頼を受注しました。期限は明日の昼まででお願いしますね。」


これで初依頼の受注に成功した4人は近くのレストランで食事をした。食事中はルキナがフォークの使い方に苦戦していた。リサにところどころ教えて貰いながら使っていた。リサの家で1度教わったがこれに関しては慣れだろう。


「それじゃあ少し休憩したら向かおうか!ってどこのダンジョンなんだっけ。」


すると、俊介が質問していたのか答えてくれた。


「この近くの鈴色ダンジョンだね。一階層の入口近くの森に生えてるそうだよ。地図もくれたから確認しながら行ってみようよ。」


「よっしゃ!初めての依頼を頑張るぞ!」





おさらいですが、ルキナ=セレスティア・レブナントです。ルキナ自身は鑑定技能を当分は取得しないつもりです。別作のイリアちゃんとは違った路線ですね。ちなみに世界線も違いますので。

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