表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/42

2話 鬼への変貌

ルキナは進化した事により以前より余裕をもってダンジョンを徘徊している。しかし今のところ軟体の魔物しか討伐経験が無いため、少し警戒をしていた。

徘徊中も軟体の魔物に出くわすだけで他とは何も出くわさない。進化前の小鬼の巣 他の巣を見つけはするが同族である事やルキナが進化している事もあり小鬼がこちらに攻撃を仕掛けてくる事はなかった。ルキナも下手に同族に攻撃をすることは無いと判断したのだ。

「つまらない。ここには軟体と同族しかおらんのか?」


つい愚痴をこぼしてしまう。もちろん軟体を討伐している事によりレベルは多少上がっているが代わり映えのない景色と魔物に飽き飽きしていたところだ。


それは唐突に起きた。壁に手を当てながら歩いていた時のことだ。バランスを崩し転倒したのだ。周りを見ると下に降りる階段があった。先程まで探せども見つからなかった階段である。幻影で隠されていたのだろうか。ルキナは新たな道の発見で未知なる敵との交戦に心躍らせていた。

階段を降り始める。先程より壁に苔が付き始めている。苔むしており匂いが少しある。角を曲がると何かカラカラと音がするのだ。骨人だ。骨人の中には何も武器を持たない者も居れば片手剣を握る者、片手剣に盾をつけた者。弓を構える者など多数いた。

ルキナは興奮したのだ。そして【斬刃化】をして【疾走】で骨人に攻撃を仕掛ける。骨人はこちらに気づき、盾持ちが盾を構える。しかしルキナは骨人達の足元に滑り込み足を切り落とす。転倒した骨人の頭を【殴打】で潰すと、骨人の動きは止まった。倒したのだろう。少しは戦いらしくなってきた。その瞬間、弓持ちが矢を放ってきた。矢はルキナの頭の真横で動きを止めたのだ。ルキナが矢を手掴みし握り潰したのだ。次の矢を放つ前に【疾走】して【斬刃化】でトドメを刺した。先程の【殴打】で頭が弱点である事を見抜いたからこそすぐにとどめを刺すことが出来た。【斬刃化】を使い片手剣持ちに攻撃を仕掛ける。相手の片手剣とこちらの刃が激突し剣戟を繰り広げるかに見えたがこちらの刃の方が鋭さがあったようで片手剣ごと頭を斬り裂いた。片手剣持ちの骨人がやられているにも関わらず何も持たない骨人は動揺すること無くこちらへ【疾走】してきた。相手が技能スキルを使ってきたのだ。

「こちらが使うのならあちらも当然といえるか。」


だが素早さでは戦いのさなかにレベルアップを続けるルキナの方が素早く骨人の背後を取ることに成功し骨人の頭を掴み飛び蹴りをかました。


『ルキナは【飛び蹴り】を獲得しました。』


「お、新しいの覚えたな。」


それからはずっと骨人そしてたまに軟体の魔物が現れた。骨人の中には鎧を身につけたのもいたが【徒手空拳】や【飛び蹴り】などではじけとんでいく。そして移動は【隠密】を使って移動し、敵を見つけては狩るの繰り返しだった。非常につまらない作業だ。


「飽きたな。他のやつは居ないものか。」


すると道の奥から強烈な匂いを放つ人型のドロドロがやってきた。腐人ゾンビだ。こいつ相手に肉弾戦は気が引けるなと思い、【斬刃化】を使って斬る。しかし体にドロドロとしたのが着いてしまった。


「きたなっ!」


倒せばするがとても汚いので遠距離で仕留める方法を考える。そしてふと思い出したのが弓を持って骨人だ。あいつの弓矢を使えば遠距離からでも倒せるのではないか?と考える。


「そうと決まれば。」


急いで元来た道を後退し、弓矢持ちの骨人を探す。案の定、居たので【疾走】と【斬刃化】で斬りこみ弓矢を奪い取る。そしていつも通り骨を【吸収】した。


『ルキナは【肉体強化】を獲得しました。』

『ルキナは【強奪】を獲得しました。』

『ルキナは【腐敗耐性】を獲得しました。』


「腐敗耐性?」


なぜこの耐性を獲得したかは分からないがおおよそ腐人ゾンビのドロドロとしたのが肩にかかったせいだろう。【強奪】は敵のを奪い取ったからか。【肉体強化】は大助かりだ。これがあれば肉弾戦で負ける可能性が減るわけだ。


名前:ルキナ

種族:暗殺鬼

レベル:22

技能:殴打、吸収、威嚇、疾走、硬化、徒手空拳、斬刃化、言語理解、念話、隠密、肉体強化、強奪、腐敗耐性、飛び蹴り


「似たようなスキルが多いな。少し整理がしたいな。」


とそんな事を願った瞬間、ルキナの思いを叶えるように突如として技能スキルの調整が入った。


『ルキナの技能スキルを調整します。』

『【殴打】、【飛び蹴り】、【徒手空拳】を【拳術】に統合しました。』


名前:ルキナ

種族:暗殺鬼

レベル:22

技能:拳術、吸収、威嚇、疾走、硬化、斬刃化、言語理解、念話、隠密、肉体強化、強奪、腐敗耐性


これで少しはスッキリしたのだろうか。そういえば【威嚇】を使ってない気がする。【念話】は独り言を話す時とかに使っているし今後対話可能なやつと会った時に使えるだろう。耐性系統は別種が存在するはずなのでそこは放置だ。


それから腐人ゾンビとのバトルが始まった。基本的に【硬化】し続け、移動は【疾走】し続け常に左手を【斬刃化】状態にし、倒したらすぐ【吸収】できるよう右手を空けておいた。

ここに出てくる敵は腐人ゾンビか骨人か軟体の魔物しかいないため、次々と屠っていくことになった。その状態を1日中続けた。そして分かったことは技能スキルは発動し続けることが可能なのだと分かった。あと進化ができるようになった。早く強くなりたいものだ。何せ暗殺鬼とはいえ、見た目はほぼホブゴブリンなのだ。その姿からは脱したいものだ。


進化先を調べる事にした。


『ゴブリンエージェント:ゴブリン部族の精鋭。肉体性能に長けており象をパンチひとつで沈めることが出来る。』


『殲滅鬼:暗殺鬼が名前とは裏腹に公の場で敵を鏖殺し続けた末の進化系。敵対する者に常時怯ませることができる。格上相手ではあまり通用しない。』


『特殊暗殺鬼:暗殺鬼が多種多様な武器を使い敵を殲滅した末の進化系。武器の扱い力が上昇し、その武器を使い続けると武器自体に摩耗耐性が付与される。』


『鬼人:鬼が人間に近しい姿を象ったもの。額には角が2本生えており角は鬼人の象徴である。肉体性能に長けており象をパンチひとつで沈めることが出来る。また魔法への才に目覚める。』


なんと四種もあるらしい。様々な戦い方をしていたおかげか選択肢は多い。ゴブリンエージェントは見た目はゴブリンだ。肉体性能が上がることにより更に敵を屠りやすくはなるだろうが見た目を気にしているので却下である。

2つ目の殲滅鬼は敵対者への常時怯ませの効果はお得だろう。だがかえって敵を引き寄せかねない。ルキナ自身が戦闘狂であれば良かったが別にそうでは無いので却下だ。だが名前はかっこよく見える。

3つ目の特殊暗殺鬼の強みはおそらく武器それぞれの練度上昇と摩耗耐性だろう。武器の劣化を防げるのはとても喜ばしいことだ。練度も上がっていけば今まで出来なかった動きも出来るだろう。

4つ目の鬼人は人型になれることが強みだ。見た目の克服。それに角がつくのはかっこいい。ゴブリンエージェントのように肉体性能に優れているらしい。見た目を気にするならゴブリンエージェントより明らかにこちらの方が有利だろう。何より魔法の才に目覚める。この一文に目を見張った。魔法を使えるようになれば今まで以上に戦闘の幅が広がる。何より今の致命的な遠距離攻撃の不足の解消に繋がる。だが今後の進化先の予測が出来ない。元が小鬼であったため、ゴブリンエージェントの先の進化系はある程度熟知しているが鬼人になると分からない。


「鬼人に進化するぞ。」


すると数秒の肉体の明滅ののち、額には赤い角が生え髪の毛は銀髪だ。以外にも顔が整っていた。何よりまさかの女だ。それは予想外だった。もしや名前が性別に影響したのだろうか。もしそうならば名前をもっと真剣に考えれば良かったな。


『ルキナは鬼人に進化しました。』

『ルキナは【鬼化】を獲得しました。』

『ルキナは【憤怒】を獲得しました。』

『ルキナは【威嚇】を【威圧】に成長しました。』

『ルキナは【腐敗耐性】を【腐敗無効】に成長しました。』

『ルキナは【身体強化】を【鬼体強化】に成長しました。』

『ルキナは【魔法の才】を獲得しました。』

『ルキナは【疾走】を【電速】に成長しました。』

『ルキナは【隠密】を【隠蔽】に成長しました。』

『ルキナは【覇気】を獲得しました。』


名前:ルキナ

種族:鬼人

レベル:1

技能:【拳術】【吸収】【威圧】【電速】【隠蔽】【鬼体強化】【硬化】【念話】【覇気】【魔法の才】【腐敗無効】【憤怒】【鬼化】【言語理解】【斬刃化】【強奪】


※なおルキナが技能スキルは普通は常時発動し続ける事が出来ない事を知るのはもう少しあとの事である。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ