エピソード:2,とりあえず身体は出来たってことで‼
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(…別の...世界?)
宇宙を世界といっているのか、地球のような生命が活動できるような惑星のことを世界というのか。
世界の定義とは何だろうか。
――ん~~。世界かぁ。あ、あった☆
スマホのようなものを弄りながら満面の笑みでいう。
――世界とはぁ...?ふむふむ...世界とは地球上の人間社会のことをいう?キミたちの言う宇宙のことも言うみたいだよ☆
自称神様はスマホも使えるみたいだ。
(…そうかよ。有益な情報ありがとう。)
皮肉だ...
(で?その世界とやらに俺を送ったら俺はどうなる?)
魂の存在があると確定された、まだわからないことはたくさんある。
あとで考えよう?
あともうひとつわからないことがある。
別世界に送られた俺の魂が入ってた俺の体はどうなるんだろうか?
――キミが今考えてる疑問に答えてあげようか☆
はにかみながらそういうカミサマ。
実に楽しそうだ。
――簡単だよ☆
――キミの身体は、きれいに消滅する☆
(…まじかぁ。消滅かぁ。まぁたいしてこの身体に思い入れもないしいいか。)
悲しいような、哀しいような、けど嬉しいような、身体が変わるのかと思うと好奇心もある。
複雑な気分だ。
――新しいキミの身体は君が創るかい?
(…ん?)
あまりの衝撃的な発言に正直言えばビビった。
カミサマの理解できない発言に、疑問が湧き出て止まらない。
――…ほんとはボクが創って記憶も消さなきゃなんだけど。
つまらない、そう言いたげだ。
だが、魂の管理を任されるいちカミサマがそんなことしてダイジョブなのかって感じだ。
(…俺が創っていい…?)
はぁ…そんな面倒くさいことしたくないぞ…
(…残念だがお断りだ。そんな面倒くさそうなこと俺はしたくないからな。)
だがカミサマはこういった。
――じゃあプリセットを幾つか創るから、それから選んでよ。
はぁ。とため息一つカミサマが幾つかの人間のビジュアルを構成していく。
(…ん?こいつは…)
いや、やめておこう。
(…なぁ。今さっき出来上がったプリセットだけどよ。)
――なぁんだい?今ちょっとキミの記憶読み取って感性にピッタリいく見た目…創って…ん…だから…ッッッッッあッ!
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ…………
(…ッなんだよ!うるさいぞ…無い鼓膜がブチ破れそうだ!)
――ッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
――キミが!ボクを!邪魔!したんだ!
本気の怒気を含んだ、二度目の。所謂マジの顔ってやつだ。
(…やばっ。最初にあったときにプッツンしたときの顔だっ!?)
やb
――キぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~ミぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~~?
――いいかい?!キミが?!邪魔しなければ?!ボクが?!創った?!プリセットを?!全部?!壊した挙句に?!
…
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――…完全に…バランスの壊れた肉体が出来ちゃった………
と。
――あぁぁぁ…プリセットを創るのにほぼすべての力を使い果たしてしまったんだよぉ…?
(…どれぐらいでまた創れるようになるんだ?)
――年換算で1000年ちょいってとこかな…
oh…す、スマソ…
(…あ、あとバランス?バランスってのは?)
――…まぁいずれ説明することになるのか…
(…?)
――キミを連れていく世界には魔法やら魔術やら魔族や魔王なんてのが存在する世界なんだけどさぁ…
はぁと…め息一つカミサマがいう。
――魔法使うにはもちろんそれを行使する為に使う…そうだね。いわゆる魔力ってやつがあってだね?
[カミサマセツメイチュウ]
(…なるほど…バランスの意味をようやく理解してきたぞ。)
ヒトと魔族、ドワーフやエルフ、精霊、魔族の範囲に入るが魔族と違いある程度の知性しかない魔物といわれる“魔化”した自然界の動物。
そのほかにもドワーフ、エルフも含むが、亜人種という括りの種族。
ドラゴン、龍、ワイバーン等々が住む。
つまるところ無茶苦茶危険なわけだ。
だからこの世界の先人たちはヒトでも生きていけるように対抗手段を創った。
(…それが、魔術…か。)
――そ。魔法は魔族や一部の天性の才を持つ人間、エルフやドワーフとかにしか行使できないんだよ。
(…だから人間に広く普及しているのが魔法ではなく魔術なのか…)
魔法を行使するにあたって前提となるのが「等価交換」だ。
魔法はいかなる事象にも干渉できることから真理を追究する学問とあちらの世界では言われている。
だが事象に干渉するための触媒が存在しないわけがない。
その触媒となるのが魔力だ。
――魔力を説明するためにあと二つ説明しなきゃならないことがあるんだけど…
(…だいたい察しはつくぞ。“器”と“質”だろ…?)
“器”魔力がどれほど入るかという最大量のこと。
“質”魔力の性質のこと。
カミサマの言う世界には魔法が存在しているのだ。
勿論魔法といっても種類があるわけで。
その種類を性質として区切るのだ。
例えば火・水・風・土。
これらは大地を造り、大気を造る。
つまり事象だ。
事象は解析を進め、理解を深めれば魔術として改変して行使することができる。
これらだけでなく、魔法にしか実現不可な性質もあるってこと。
(…その、性質ってのは…?)
――闇と光だよ…
呆れたようにカミサマがぼやく。
――…すっごい昔の話だよ。ヒトという種の進化が我々神にさえ認識できないほど根詰めてた時。大きな大きな戦争があってね…その時に魔族が研究開発した闇の性質を持つ独自魔法と、神々が事象を捻じ曲げて創りだした光の性質をもつ魔法。この双方が真っ向からぶつかり合ったんだ…
……結果は…どちらも負け、と記憶しているよ。
――まぁ、つまり太古の昔から存在し続けた魔族と、裁きを逃れた神、それと邪の道に墜ちた神ぐらいしか持ち合わせない性質ということさ。
それで…と一言。
――キミの肉体のバランスが壊れているのはそこなんだよね…
(…具体的に言うと?)
――…………キミは多分すべての性質を扱える…おまけに魔力量が異次元だ。
心底自分に呆れているのか、カミサマは顔を背けて言う。
――…これじゃ、身体の方がもたない…魔力量に圧し潰されしまう。
申し訳なさげなカミサマに一言つぶやいた。
(…いまここでその身体に俺の魂入れられる?)
考えがある、らしいその瞳に意味も分からず湧いて出てくるこの、何でもできるというような感情に支配された神が答える。
――…出来る。けど、いろいろと面倒なことになるけど勘弁してよ?
困り顔だ。
会って一時間とないのにもかかわらず俺は何度コイツを困らすんだろ…
(…ここにきてお前には迷惑しかかけてないからな。少なくとも俺の起こした不祥事は自分でできるだけ解決したいと思ってるだけだよ。)
――…そうかい。
――なら、好きにするといいさ☆
瞬間、カミサマがパチンと指を鳴らす。
辺りが光り、視界がゆがむ。
指を鳴らした音が頭の中でこだまして止まらない。
響いては消え、また響いては消えを繰り替えす。
頭が割れそうなほど痛い…
その痛みに耐えながら、おれは………………
お…れは……………
かすれゆく視界にうっすらとカミサマの目に涙が浮かんでるように見えた。
(……気のせいか…………)




