量子力学を応用したら魔王になった件
量子力学って本当に凄いですね。
この世界には元々科学者だった僕には不条理な感覚しかない。異世界転生というのだろうか……魔法が使える世界なんて理屈が分からない。
ただ、この世界の救いは地球と同じ物理法則があった事だ。魔法で捻じ曲げる事をしなければ、普通に物理法則が使える。だから僕は科学も使えると考えて魔法に応用した。
「破壊の魔王! 貴様を討伐する」
やれやれ、どこぞの国の勇者がやってきたよ。僕は金属片を持つと雷魔法を展開する。そして両手から出た雷を棒状に変形させる。
「雷の剣では私は……」
あ~頭吹っ飛ばしちゃった……魔法は発動者との距離が遠くなると威力が落ちるから、レールガンの原理で金属片を飛ばしたけど、やっぱり避けれなかった。まあ、マッハ7だから仕方がないね。
なぜ、僕が魔王と呼ばれるかというと、前の魔王を2体ほど倒しちゃったからなんだよね……世界中が同時に2体も魔王が出現して脅威だっていうから、一体目は魔王城の上からオリハルコンを落として、魔法を使って核反応を起こしたら、周囲何千キロが焼け野原になった……アインシュタイン先生が悩んだ理由がわかるよ。
最初はやりすぎたと思ったから、二体目の魔王はオリハルコンを地上千メートルから打ち出すだけにしたんだけど、地面にめり込み過ぎて地殻変動まで起きちゃった。神の杖って呼ばれる理由がわかったよ。
という感じで魔法に科学って混ぜるな危険って感じなんだよね。だから僕は危険視されて、こうやって狙われている感じ。まあ、この城にはレーダー応用のビーコンが設置されているから、いつでも侵入を感知する事ができるから安全。
原子力発電所を作ってモーターを普及させたから、城下町は凄く快適になったし、何が気に喰わないんだろう。電子レンジに冷蔵庫も作ったから食文化も向上してるのになぁ……
「魔王様……また勇者を倒されたのですね、新しい魔法ですか? 床掃除が大変です」
声を掛けてきたのはセバス。魔王城や城下町を管理してくれる凄く優秀な執事だ。正直僕は科学以外の事なんてわからない。思い付きでイノシン酸とグルタミン酸の話をしたら毎日凄く美味しい料理を手配してくれるようになった。
「ところで魔王様、本日食べたいものはございますか?」
ちょっと強面だけど、セバスは凄く気が利く。セバスは魔王用の椅子から僕の脇を抱えて持ち上げると、お昼寝をするベッドまで運んでくれた。そして、僕は迷わず笑顔で答える。
「プリンが食べたい!」
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量子力学の知識って凄いですよね。それを試したアインシュタイン先生は恐ろしいです!質量をエネルギーに変えるという話で、地球ではウランの質量を熱エネルギーに変えました。ここではオリハルコンの質量をエネルギーに変えています。
本作品は第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞の応募作品として書かせて頂きました
あなたの小説ライフが楽しいものになる事を。