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⭕ 旬な体験談 2


セガ先輩

「 今から話すのは、将棋好きの男が体験した話だ。

  実話か構わないよな? 」


児野豈德

「 そうですね。

  読者受けがい『 ラジオ 』関連の体験談なら大歓迎です 」


セガ先輩

「 ならなんの問題もないな 」


児野豈德

「 将棋好きの体験談は作り話なんですか? 」


セガ先輩

「 さてなぁ?

  それは俺にも分からんよ。

  将棋好きの男だからなぁ、“ Sタケ ” にでもするかな?

  Sタケはラジオ放送で将棋番組を聴くのが毎日の日課だった。

  その日もSタケはもと同じようにラジオで将棋番組を聴いていたんだ。

  俺には将棋のなにが面白いか分からねぇけど、Sタケは将棋番組に御執心だった。

  将棋番組を聴いていたSタケは将棋番組が終わったあとも対局が聞けるようにカセットテープに録音していたそうだ 」


児野豈德

「 …………カセットテープに録音ですか。

  アレですね!

  録音したカセットテープを再生したら奇妙な声が録音されてた──的なヤツでしょう? 」


セガ先輩

「 鋭い!

  ネタバレになるが卓球だ! 」


児野豈德

「 えっ……卓球……ですか?? 」


セガ先輩

「 おぃおぃ……さっする所だぞぉ~~。

  ピンポンだよ、ピンポン! 」


児野豈德

「 ピ……ピンポン??

  ………………ピンポンダッシュのピンポンですか?? 」


セガ先輩

「 ちっげぇよ!

  いか、出世がしたいなら覚えとけよ、後輩。

  俺より上の年配社員はな、寒くて詰まらんオヤジギャグを好んで使う世代だ。

  出世するには年配社員をうまおだてて回さんとチャンスは掴めんのだよ。

  面倒だが、オヤジギャグを調べてレパートリーを増やしとけ。

  年配者より低俗なオヤジギャグを披露して御機嫌取りをすりゃあ、可愛がってもらえるからな 」


児野豈德

「 は、はい……。

  寒くて詰まらない低俗なオヤジギャグ……。

  出世するのにオヤジギャグが必要なんて変わってますね? 」


セガ先輩

「 年配社員はな、仕事が出来る能力が優れているから役職に就いてるわけじゃねぇんだぞ。

  どんなに実力があったってな上司への媚売り,ごますり,御機嫌取りが出来なきゃ出世は出来ん世界なんだよ。

  昭和世代の上司を相手にすってのは、そういう事だ 」


児野豈德

「 大変そうですね…… 」


セガ先輩

「 出世したいなら、昭和世代を手玉にとって転がしてみろよ、後輩! 」


児野豈德

「 は…はい…… 」


セガ先輩

ちなみにだ、卓球の事をピンポンと言うんだ。

  だから、正解 (イコール) ピンポン (イコール) 卓球って事になるわけだ。

  これも低俗なオヤジギャグの1つだぞ。

  覚えとけよ 」


児野豈德

「 は、はい。

  がとう御座います…… 」


セガ先輩

「 あ~~~と、まで話したっけかな?

  将棋番組をカセットテープへ録音してた事は話したか? 」


児野豈德

「 あ、はい。

  まで聞きました 」


セガ先輩

「 ラジオ放送の将棋番組を聴き終わったあと、Sタケは録音したカセットテープを持って出掛けたそうだ。

  将棋好きがつどう “ 将棋倶楽部 ” って名前の喫茶店があるらしくてな、将棋好きのマスター,店員を始め、将棋好きの客が集まる会員制の喫茶店なんだと。

  将棋好き同士が集まって、ラジオ放送で聴ける将棋番組を録音したカセットテープを持ち寄ってだな、みんなと聴くんだよ 」


児野豈德

「 へぇ?

  そんな喫茶店があるんですか。

  会員制なのが凄いですね 」


セガ先輩

「 ──色んな将棋番組の録音を聴いていた訳だが、いよいよSタケの番が回ってたんだ。

  Sタケは持参したカセットテープをラジカセにセットして再生ボタンを押した。

  楽しみにしていた将棋番組だったんだが、途中からノイズが聴こえてたそうだ。

  ノイズがむとか対局中に動物の鳴き声が入っていたんだとよ 」


児野豈德

「 えっ??

  動物の鳴き声……ですか?

  怪しい女の叫び声とか泣き声とか怨み声とかじゃなくて?? 」


セガ先輩

「 そうなんだよ!

  普通はよぅ、怪奇って言ったら悲運な女の声って決まってんじゃん?

  定番中の定番だろ?

  それがだよ、なき声はでもだ動物の鳴き声って、笑えるだろ? 」


児野豈德

「 笑える……って言うか……意外性の方が強いですかね? 」


セガ先輩

「 1番盛り上がる対局の部分でノイズが聴こえたかと思ったら今度は動物の鳴き声が聴こえてたらだ、まずい状況だよなぁ?

  楽しみにしていた仲間がたんだから余計にだよ。

  『 一発即発の大変な事態になり兼ねない状況だった 』と青冷めた顔で話してくれたよ 」


児野豈德

「 ひぇっ!!

  ──Sタケさんは無事だったんですか?! 」


セガ先輩

「 あぁ、殴り合いにはならなかったそうだぞ。

  なんでも録音に使うカセットテープは、 “ 必ず新品を使う事 ” って仲間内で決めていたらしいからな 」


児野豈德

「 新品のカセットテープを使って録音をしたんですか?

  それなのにノイズと動物の鳴き声が録音されていた──って事ですか? 」


セガ先輩

「 なぁ、奇妙で不思議な話だろぉ。

  俺は作り話なんじゃねぇかとマジで疑ってるよ 」


児野豈德

「 じゃあ、実際のカセットテープは…… 」


セガ先輩

「 いや~~~、それがなぁ……現物のカセットテープは実在するんだけどよ……、再度再生したらノイズと動物の鳴き声は消えてたらしいんだわ。

  なもんだから、Sタケは仲間と喧嘩にならずに済んだって訳らしいぜ 」


児野豈德

「 えと……じゃあ、ノイズと動物の鳴き声が聴こえたのは最初の再生した時だけ……って事ですか? 」


セガ先輩

「 あぁ、そうらしいな。

  あれからなんも仲間達とカセットテープを再生したらしいんだが、ノイズと動物の鳴き声が聴こえたのが嘘だったみたいに聴こえなかったらしい。

  A面,B面共に確認したけどノイズと動物の鳴き声はキレイさっぱり消えてたんだとよ 」


児野豈德

「 うわぁ…………。

  ラジカセが故障していた訳でもなかったんですよね? 」


セガ先輩

「 そうだな。

  新品のラジカセを使って再生していたそうだからな。

  ほかのカセットテープも普通に再生されていたんだから、ラジカセが故障していた線はないだろうな 」


児野豈德

「 不思議な事って意外と身近で起こってたりするものなんですね…… 」


セガ先輩

「 実話かは知らんぞ。

  怪奇体験談や心霊体験談なんてもんをガチでに受けるなよ。

  オカルトに込み過ぎてズブズブしないように『 空想,想像,妄想の産物。創作物だって 』頭の中へインプットしとけ。

  気休めでも一時凌ぎでもなんでもいから、魔除けの意味で御祓いや祈祷をしてもらってもいい。

  菩提寺があるなら菩提寺に頼むのがベストだ。

  “ 霊能力が高い ” って言って刷り寄ってる怪しいやからに間違っても頼んじゃねぇぞ。

  骨の髄までカモられっぞぉ 」


児野豈德

「 ははは……。

  アリコちゃんと似たような事を言うんですね? 」


セガ先輩

「 こんなのはうらやの受け売りだぞ。

  彼奴アイツ、陰陽師になるのがいやでオカルトライターになった口だからな。

  子供の頃からオカルト業界の闇の部分を見過ぎて知り過ぎて耐えられなかったんじゃねぇかな…。

  アリコちゃんの実家も陰陽師と関係あるみたいだしな。

  俺等みたいな一般ピーポーが知り得ない世界を知ってんだろう… 」


児野豈德

「 一般ピーポー??

  セガ先輩、それもオヤジギャグですか? 」


セガ先輩

「 おっ、分かってたな?

  よしよし、アリコちゃんがるまで時間もあるし、俺等がじき(じき)にオヤジギャグを伝授してやろう! 」


児野豈德

「 えぇっ?!

  今からですか? 」


セガ先輩

「 当たり前だろ!

  思い立ったら吉日だぞ 」


児野豈德

「 は、はぁ……。

  …………じゃあ、アリコちゃんがるまでお願いします 」


 そんな訳で、か僕はセガ先輩から知っているオヤジギャグを伝授してもらう事になってしまったんだ。

◎ オヤジギャグについては、スルーしてください。

  純粋にオヤジギャグが分からない世代の人間です。

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