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08 契約完了

「じゃあどうすればいい?」

「奴隷契約書がどこかにあるはずじゃ、それを持って来て主人の変更をするしかない。主人死亡で命令が解除されるのを待つのであれば、まだ数時間はかかると思うのでそれしかない」

「そうか、どんな書類か分かるか?」

「恐らく見ればすぐに分かる。奴隷紋と血判があるからな」

「ああ… そういえばさっき見たかもしれないな。じゃあもうちょっと待っててくれ」


 なんだか面倒臭いな奴隷というやつは、ラノベやなんかで見る限りは契約魔法とかそんな感じで縛られてるんだったっけ? まぁいい、さっきの書類を持って戻らなきゃ。


 特に散らかしてきたわけじゃないのですぐに全ての書類を回収、移動距離としては数メートルなんだが心が逸る… なんせ野生の獣にとって餌となる物が4人分あるからな、嗅ぎつけられる前に撤収したいのだ。


「持って来たぞ、これからどうすればいい?」

「奴隷契約書にある血判を削りとり、お主の血で上書きをするのじゃ。そうすれば我らの主人がお主になる」

「ええ? 解除して自由になったりできないのか?」

「体に直接奴隷紋を植え付けられているからな… 主が不在であれば通りすがりの何者かが勝手に主人となり、我らを酷使するだろう」

「ぐぬぬ… 仕方ない事なのか。しゃーない、やるよ」


 とりあえず荷台は檻になっていて、鍵がかかっていたので開錠して中に入っていく。

 よくよく見てみると大柄な男性の頭には角があり、小柄な女性のうち1人は耳が長く、まぁアニメで良く見るエルフといった感じか… 小柄だけど年寄り臭い喋り方をしてるんだよね。そしてもう1人は獣耳を生やし、やや太めの尻尾がついていた。これは狐かなんかかな?


 言われた通り血判が押されている部分を削り取り、鍵束にあった先の尖っている物で指を刺して血を出して血判として押す。奴隷契約書と思われる書類が3枚あるからこれで全員分なのだろう。


「出来たぞ、次は?」

「我らの首輪についている魔石にも血を、それで完了じゃ」

「よし…… 終わった。どうだ? 動けるか?」

「ああ、ようやく命令が解除されたようだな。して主よ、これからどうするのじゃ?」

「主? ああ、俺の事か。とりあえずここは血の匂いが充満しすぎている、すぐに移動して安全な場所に着いたら飯にしよう。詳しい話はその時に」

「うむ、承知した」


「ご主人よ、何か武器になる物はあるか? さすがに徒歩では魔物との遭遇は避けられないと思うが」


 頭に角の生えた男性が言う、どうやら魔物が結構出るみたいだな… 武器か、まぁ死体のそばに落ちてた気がするな… それを拾ってくるか。


「とりあえず4人分の死体があるから、その周囲に落ちていた気がする。それを拾って使おうと思うがそれでいいか?」

「それで構わない。あるだけで十分だ」

「よし」


 痩せこけているため、どうにも動きが遅いが何とかここから離れる事はできそうだな。とりあえず武器っと… うお、ほとんど折れてるじゃないか! 使えそうなのは1本だけか、まぁそれでも無いよりはマシだろうね… 拾ってお手拭きで掃除っと。


「1本しかなかった、他は折れてたからな。とりあえずここから離れよう」


 3人が頷いたので、向かう予定だった西の方向へと歩き出す。拾った剣は大柄な男性に持たせてある、なんせ俺が持ったところで使いこなせないからね。だが… やはり動きが遅いんだよな、なんか制限でもされてるんだろうか?


「もう少し急ぎたいんだけど、どこか調子が悪いのか?」

「………。すまんの主よ、私はこの首輪に魔力を吸われ続けているから満足に動けないのじゃ」

「俺は体力を奪われている… こうして歩くだけでも辛いな」

「………」


 狐っ娘はさっきから何も喋らないな… この子も何かされているんだろうか。


「しかし首輪に何かされてるのか、それって解除とかできないの?」

「主であれば設定を変えれる… やってはもらえないか?」

「それは一向に構わないよ、どうすればいい?」

「さっきの奴隷契約書に、首輪で発動する魔法が記されている。それを消して書き換え、先ほどと同じように血を首輪に吸わせれば良い」

「そうか、だけど俺は文字が読めないんだよな… とりあえず一度道から外れてバリアで安全地帯を作るか、そうじゃないと落ち着いてアレコレなんて出来ないしな。それに飯も食わないと力が出ないだろ? ちょっと現場から近いと思うけど休憩しようか」


 馬車1台分しかない道から外れて木々の中に入っていく、もちろん奴隷の3人もついてきている。黒いステッキを取り出してバリアを張れそうな場所を探る… この結界は黒いから森の中では目立たないかもしれないが、一応ね。


 木と木の隙間が少し広い場所があったので、そこで落ち着く事にしよう。

 まずは床部分、地上から10センチ程浮かせたところに水平に展開。4人いるから2メートル四方だと狭いと思うので2枚分張ってみる。これで幅2メートル、長さ4メートルの床ができた。

 そしてその2枚をベースに地面から生えたかのように壁になるバリアを展開する、2枚並べた4メートルの方に壁を3枚、2メートルの方に1枚張って天井に蓋をして完了だ。かなり暗いのが難点だがこれはしょうがないね。

 囲った中で床の無い部分はまぁアレだ、トイレだね。地面に直だけどこれもしょうがないと諦めよう… ああ丸見えで用を足すのはきついから、視界を遮るためにもう1枚張っておかないとな。人が1人通れるだけ隙間を開けてっと、意外と面倒な作業だな。だけどなんとか完成!


「結構暗いけど文字は見えるか?」

「ああ、見るだけなら問題ない。うん、こことここ、後はここの部分を削れば我らにかかっている制限は解除される。追加する場合は消した場所に書けば良い」

「ん? 別に追加はしなくてもいいでしょ」

「そうなのか? 枷が無くなれば… 奴隷といえども主に歯向かうかもしれないんじゃぞ?」

「そうなの? でも俺は別に… 皆を従えようなんて思っていないし解放してくれって言うならすぐにでもしてやるよ? それならわざわざ敵対する必要も無いでしょ」

「む、まぁ確かにそうじゃが…」

「まぁまずは飯にしよう、腹が減っては考えだって纏まらないさ」


 奴隷契約書にある指摘された箇所を削って文字を消し、まずはウーロン茶を人数分出してみんなの前に置く。これを飲めば胃腸が整えられるからね!


 3人は紙コップに蓋をされ、ストローが出ているウーロン茶をガン見していた…

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[一言] 「3人は紙コップに蓋をされ、ストローが出ているウーロン茶をガン見していた…」 お腹が減っているのは、分かっているのだから、血なまぐさいところから早く離れたかったにしても、ハンバーガーだった…
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