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ハンバーガーは異世界を救う?  作者: ぽいずん


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75 お前も毛布にしてやろうか

誤字報告いつもありがとうございます。

 階段の場所を覚え、マッピングしながらクローディアと2人で91階層を歩いていく。


「しかし主よ、これほどの毛皮ならば毛布だけではなく下に敷いても良いんじゃなかろうか。手触りも良いしかなりのフカフカ具合… これはアイシャの尻尾に匹敵するかもしれんの」

「うんうん! アイシャの尻尾はまさに至宝! それに匹敵する毛皮なんてそうそうないと思っていたけどね」

「しかしこうなるとアレじゃな… ケルベロスにも出会ってみたいもんじゃな。あ奴の方が上位種じゃと伝わっておるから毛皮の方も上位なのではないか?」

「うーん、そう言われると気になってくるな… まぁその辺はグレイ達が戻ってきてからにしようか」

「そうじゃの。まだ今回のダンジョンアタックは10日に満たないからもう少し滞在しても良いじゃろ?」

「そりゃーね、目標があれば何事も頑張れるもんさ」


 ケルベロス… 地獄の番犬、つまりは犬って事だ。正直俺は猫派で、猫の毛皮ほどフワモコの犬がいるとは思えない。だがオルトロスの件もある、頭ごなしに犬の毛は硬いと断定する事はできない。うん、ぶっちゃけケルベロスの毛皮も気になるね!


「む、主よ注意するのじゃ。オルトロスが来たぞ」

「よし、いつでもバリアは張れるぜ」

「うむ、では視界に入った瞬間攻撃を開始する」


 薄暗い通路の向こうからヒタヒタと聞こえてくる足音… まぁクローディアに言われるまで気づかなかったのは内緒だが、間違いなくこちらに向かって歩いてきているね。

 しかしなんだ? 双頭の犬は鼻が利かないのか? ああいった魔物って匂いを嗅ぎつけて追いかけてくるイメージが強いんだけど全然こちらに気づかないんだよね。


「そんなの決まっておるじゃろ、お手拭きの効果じゃよ。あれで毎日清潔さを保っておるからの、獣が気付くほど匂いを出しておらんという事じゃ」

「ああ…」


 そうでした。俺が言ったんじゃないか、臭いのは嫌だからいつも清潔にって。

 そうか、それが効果を発揮してオルトロスに臭いで気づかれにくくなっていたのか。良い事じゃないか!


 クローディアが手で合図を出してきたので自分の正面にバリアを展開。通路を塞ぐような感じだけどクローディアのように細身であれば隙間を通る事が可能だ。

 真っ黒なバリアの端から向こう側を覗いていたクローディア、どうやらオルトロスが視界に入ったらしくて動き出した。


「マジカルビーム!」


 ぐぬぬ、黒い壁が目の前にあるから何も見えないが、ジュッっていう音とドスンという音が聞こえたからマジカルビーム一撃で倒せたという事なのだろう。


「ふむ、詠唱付きじゃと火力が過剰のようじゃな。オルトロス程度であれば無詠唱でも問題無く倒せるじゃろ」

「威力倍増の詠唱付きだと過剰かい… ピンクマジカルステッキが強いのかオルトロスが弱いのか悩むレベルだな」

「ピンクマジカルステッキが強すぎるのじゃ。言い伝えによるとオルトロスは大層恐ろしい魔物と言われておる。私だって主の下でレベルを上げ、ステッキを借りていなければ戦おうなどとは思わん魔物じゃぞ」

「そっか… 最初から火力のインフレが起こっていたんだな、このパーティは。まぁ安全が最優先だから問題はないけどな」

「む? 牙はドロップしたが毛皮が無いのぅ… これは思っているよりも集めるのは大変かもしれんの」

「それはしょうがない。4人分の毛布と敷物って考えれば相当な量が必要なのは分かっている事だからな」

「それもそうじゃの。では次を探すとするかの」


 どうやらこれも先は長そうなのであった。



 クローディアと探索する事2時間ほど、すでに結構な回数のエンカウントをしていた。こうして数をこなしていくとオルトロスの戦闘力が俺でも分かってくるんだが… 実はコイツ、結構強いんだって事が分かったのだ! 一度試しに先制攻撃をしないでバリアを張って待ってみたんだが、驚くほど素早く走り寄ってきてのオルトロスパンチや体当たりをバリアに向かってくり出してきたんだよ。バリアは確かに頑丈でそれらの攻撃にビクともしなかったんだけど、叩かれた時や体当たりをされた時に出る音がすごかったね。それはもう重厚で腹の底に響くかのような音が… それでコイツとはまともにやったらアカンって事になったのさ。

 それからはいつものようにサーチ&デストロイのクローディア必勝パターンで狩る事になった。もちろんその戦法は見つけ次第マジカルビームなので飽きるのが早い… 当のクローディアもすでにダラけ始めていた。


「ハハッ! さぁお前も毛皮を寄こせ、それを使って寝具を作るのじゃ。素晴らしい睡眠のために毛皮を寄こすのじゃ! さぁ、お前も毛布にしてやろうか!」


 ダラけてるのかキレているのか分からなくなってきた…


 なんてやってると、後方から足音が…


「あ、ご主人様見つけた!」

「アイシャ? って事はご飯の時間か?」

「はいっ!」


 やはりアイシャの腹時計は役に立つ、しかもきちんと俺を見つけてくるからすごいんだよな。まぁ俺の匂いを追ってきてるって事だから、俺が臭いのかと心配になってしまうが。


「ご主人、アイシャと2人で10枚ほど毛皮を集められたぞ」

「おお、やるな! まぁ俺達も同じくらいなんだけどね。とりあえず階段まで戻って食事にしよう」

「うむ」


 いくらバリアで安全地帯を作れるからといっても、余程の事が無い限り通路の真ん中で休憩は出来ない。なんせバリア越しにも攻撃してくるからうるさいんだよね、しかもオルトロスには実際に攻撃されたから分かってるけどあんな中で暢気に飯なんて食ってられないよ。だからできる限り魔物の現れない場所に… まぁ基本行動なんだけどね!



「さてご主人よ、これからどうするのだ?」

「うーん、クローディアが言うにはオルトロスの上位種であるケルベロスも近い階層にいるかもしれないとの事なんだけど、毛皮がドロップするなら狩ってみたいと思うんだよね」

「ほほぅ、ケルベロスか。確かにオルトロスがいるならあり得るかもしれんな」

「だけどそれを探すとなれば結構な時間地上には戻れなくなると思うんだが… みんなはどう思う?」

「俺は一向に構わんぞ。獣型の魔物であれば戦い甲斐もあるし攻撃も通るし、特に問題はない」

「私も別にダンジョン内にいる事にストレスは感じない方じゃからな、長期滞在でも平気なのじゃ」

「ボクも大丈夫! 美味しいご飯があればどこでも平気!」


 Oh… 誰にも反対されなかったよ。

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