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73 え? ゼリー?

誤字報告いつもありがとうございます。

 SIDE:ナイトグリーン王国騎士団、第1部隊長



 ヒビキ達が巨大スライムと戦闘中の頃、勇者による命令を受けた2組10名のパーティがリャンシャンに到着していた。


「ようやく着いたか… 急ぐよう指示されたから休みなく移動してきたが、さすがに遠いな」

「隊長、今日はどうするんで? 俺としては今日くらいは宿でしっかり休みたいんですがねぇ」

「ああ、俺も正直疲れているからな… 今日は休んで明日にギルドへと顔を出そう」

「しかしどうするんで? いくらなんでも俺達にミスリルゴーレムなんて倒せませんぜ?」

「それも含めて考えておく。勇者殿は簡単に言うが、俺達で倒せないなら倒せる奴から攻略法を聞くしかないだろう。それから魔境へと向かわせる」

「攻略法ですか… はたしてそんなのありますかねぇ」

「………」


 勇者殿が言うには、まず俺達でこのリャンシャンダンジョンを攻略してミスリルゴーレムの出現する80階層までの転移陣を解放させる。そしてミスリルゴーレムを相手に周回してミスリルを回収するという事だ。

 いや、すでに言ってあるのだ… ミスリルゴーレムは倒せないと。だが勇者殿はそこを何とかしろとの一点張りで話を聞いてはくれないのだ。もしもどうしても倒せない場合、例の冒険者パーティに任せるしかないのだが… その時はなんとしてでも勇者殿の配下になるよう説得しろと言う事だ。もちろんこれはナイトグリーン王国の王子と勇者の名の二重での命令だ。他国の冒険者とはいえこの命令に逆らう事は難しいと思われるが… 果たしてそう簡単にいくのかね。


「ま、明日になってから情報収集もやるしかないか。一体どんな連中なのかね」

「まぁ冒険者ってのは強い奴ほど変な奴っていうのが普通ですからね、俺は正直近寄りたくはないんですがね」

「そうもいかんだろ。だから頼りにしてるぞ」

「えっ!? 俺が行くんですか?」

「よし、宿を探すぞ!」

「ちょっ、隊長?」


 何をするにもまずは体を休めないとな、緊急時に体が動かんとか騎士としてあってはならん事だ!










 SIDE:ヒビキ


「おー! やっと全部吸収されたか!」

「巨大な分時間がかかったのぅ、やれやれじゃな」


 クローディアがとどめを刺してから数分… じわじわと吸収されていた巨大スライムの姿が消え去った。そして残るは巨大スライムの魔石とドロップアイテム! さぁ一体何が出たのかな?


 アイシャがスルスルっと近づき、問題がないかどうかを確認。


「おお? 何だこれは?」

「むぅ、これは私も始めて見るものじゃな… 通常のスライムがドロップするゼリーに似ているが」

「ゼリー?」

「うむ。普通のスライムは倒すとスライムゼリーというものを落としてな、それを液体の薬などに混ぜると固体化が出来るのじゃ。薬師界隈だと非常に重宝されておる素材じゃな」

「なるほど~。そしてこれはスライムゼリーとやらに似ていると…」


 そう、見た目は某国民的RPGに出てくる可愛いスライムのような形状で、持っているアイシャが動くたびに一緒になってプルプルしている… ぶっちゃけ触ったらひんやりしてそうで気持ち良さそうなんだけど。そうか薬用なのか。


「まぁ出回っているスライムゼリーとは色合いも違うし弾力も違うじゃろう、多分良い値で売れるのではないかの」

「まぁそういう事なら良いのか? でもこれで枕とか作りたい衝動に駆られているんだけどどうかな?」

「む? 枕か… 確かにこれを枕にすれば気持ち良さそうじゃの! 私は賛成じゃな!」

「ボクもそれが良いと思う!」


 グレイは枕には興味無いのだろうか、全く会話に参加してこなかったがクローディアとアイシャはなんだか目に見えてウキウキになっていた。まぁこの世界の枕はすっごい硬いからな… カットした丸太に申し訳程度の布を巻いただけのようなやつだから、俺はそれを使わないで毛布をぐるぐる巻きにして枕にしているくらいだ。

 まぁどうやって作るのかは置いておくとして、この素材は売らないでキープかな。



 だがしかし! とても面倒そうだった巨大スライムを倒した事で、ようやく90階層の転移陣が使えるようになった。まぁ終わってみれば楽勝だったのかもしれないが、まともに戦ったとすれば… 多分無理だったろうな。

 しかし卑怯というなかれ、これも戦術と言って差し支えないだろう。強き者に勝つために考え出した作戦なのだから。


「さて、とりあえず今回の目標は達成したわけだけど、これからどうする?」

「ご主人よ、確かに俺も戦いには参加したが槍を投げただけだ、もう少し戦いたいのだが」

「まぁそうだな、91階層の魔物を見ておくのも必要かと思っていたし、ちょっとだけ先に進んでみるか?」

「うむ! そうしようではないか!」


 やはり不完全燃焼だったか、そんな気はしてたんだよね。今回のは戦ったというよりも、戦う前に勝負をつけていた感があるから『戦闘した』って印象は俺も無いと思う。グレイは戦闘狂だから満足しないだろうとは思っていたんだよ。どうせ次回からはまたミスリル集めをしないといけなくなるだろうから、今回は少しばかり冒険しても良いだろう。


 そんな訳で転移陣を通り過ぎて階段を降りていく。そしてやはり新規のエリアに入ると緊張するね… 何が出るか分からないし、今回のスライムみたいに物理的にどうにもできない魔物が出る可能性があるからだ。

 パーティの平均レベルと階層数が同等で満足に戦えると言われているダンジョン… 毎回そうだがいつだって魔物の方がレベルは高いのだ、油断してたら一気にやられてしまう事だってあるかもしれない。自分自身もそうだけど、グレイやクローディア、アイシャだって傷つくのは俺は嫌だと思っている。

 レベルを上げる最適解は格上狩り、それは分かっているけど出来る限り安全にやりたいのさ。まぁそう思っているのは俺だけかもしれないけどね!

 グレイは言わずもがな、クローディアも魔法実験やら練習やらと理由をつけて戦闘したがるしアイシャも意外とね… 太陽は恋しいがもう少し付き合ってあげるとするか。


「ご主人様魔物がいます! 四つ足で移動する獣型かも!」

「お、よし分かった。グレイ、初見だから突っ走らないように頼むよ?」

「承知したぞご主人」


 四足歩行の獣か、一体どんな奴が出てくるのか… このダンジョンが何階層あるのかは知らないが、91階層となればそこそこ深いはず。恐ろしいのが現れないといいけど…

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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公ではない勇者様は大抵ろくでなし…さぁこちらではどうでしょうかね
[良い点] 更新お疲れ様です。 樹木(お偉方)が腐ると枝葉(下っ端)も腐ってる···というのが定番ですが、今回来た中間管理職っぽい人たちは案外まともというか普通っぽい? 少なくともバカ勇者よりは交渉…
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