表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/215

07 討伐完了と馬車の荷物

 よし、手前側で食いついている3匹… 今の角度なら一撃でまとめていけそうだな。奥側にいるのは4匹か… しかも別々の死体に食いついているから気づかれたら面倒になるな。

 でも目視さえしていれば命中率は100%なんだ、これくらいの危機を乗り越えられないようじゃ今後生き抜く事は難しいと思う。

 ある意味これは試練なのかもしれない。やりたくないけど。


 身を潜めつつ視界を確保、ステッキの色が森の中では非常に目立つ… だから狼の視界に入らないよう横薙ぎでマジカルビームを発射したい。よし、確保。


 しっかりと貫通させて3匹まとめていけるよう片目で目標を見定める。うん、まるでスナイパーがライフルを構えて狙いをつけている… そんな気分だ。そしてぼそりと呟く…


「マジカルビーム」


 横薙ぎに振ったピンクステッキからいつもの光線が発射された。狙い通り光線は3匹の頭を貫通させ、断末魔をあげる事も無く倒れていった。



 よし上手くいった! しかも悲鳴すら出さなかったから奥にいる狼にも気づかれてない、これは更にチャンス継続! 

 しかし残り4匹だけどまとめて倒せそうな立ち位置ではない、次に攻撃をすれば多分狼に俺の事がバレてしまうだろう。いや、このまま茂みに隠れたままやれるところまでやるか? こういった戦術には疎いからどうすりゃいいのか見当がつかないが、ここまでやったんだからやり切るしかないよな。


 最適解が分からないので茂みの中から継続して攻撃する事にする。とりあえず狼と接近戦をやるなんて選択肢は無いから、やっぱり手前から倒していくしか無いだろう。


「マジカルビーム、マジカルビーム、マジカルビーム、マジカルビーム!」


 ぶんぶんとピンクステッキを振りながら早口で唱え、自分が考える最速の連射でマジカルビームを放っていく。そしてそれらが命中し、狼たちは静かに倒れていった。



「ふぅ、何とかなったな。まぁ完全なる不意討ちなんだけど、誰も見てないから別にいいよね」


 張りつめていた緊張感が薄れ、ようやく一息をついて茂みから出て道へと戻る。


 しかし馬車が横転するなんて、一体どんな運転をしてたらこうなるんだ? それに食い散らかされた男性4人の死体… 野生の獣は血の匂いに敏感だというから早くここから離れた方がいいんだろうね、うんそうしよう。


「それにしても、生存者とかはいないのかねぇ。あ、誰もいないんならちょっとだけ荷台に何が入っているか見てみようか。もしも毛布とかあるんだったら… もう持ち主は死んでいるんだし少しくらい頂いてもいいよね?」


 持ち主不在の落とし物… まぁ自分勝手な理屈だけれどそれについては間違いない、だって持ち主らしき人達は血まみれで倒れているんだから。

 本当に死んでいるのか確認したいところだけど、さすがに近づく勇気は出てこない… 無理です。火事場泥棒みたいな感じになるけど、俺も死にたくないから使えそうな物があれば頂戴してしまおう。



 しっかしこの馬車、横転しているから気づけたけど御者台? 馬を操るための席の下に引き出しのようなものがあるんだよ。多分隠していたんだろうな… あの中にはお金とか入っているのかも? あればラッキーだよね、金があれば町に入れるんだから。


 せっかくなのでその引き出しをこじ開けてみる。

 うん、どうやら予想通りだったみたいだね! 鍵付きの宝箱のような箱が3個隠されていた。これはアレだな… ビール6缶パックくらいの大きさだけどやたらと重い、多分金貨とか銀貨とかが入っているんだろう。鍵はどこだ? まぁ考えられるのは… あの豪華な服を着た肥満ボディのおっさんが持っているんだろう。やばいな、触りたくないんだが。よし、後回し!


 3個あった箱を収納し、その他入っている物を確認。なんだか書類のようなものが数枚あったが生憎と俺にはこの世界の文字は読めないようで、なんて書いてあるのか全然分からなかったので放置。言葉は通じるんだから文字くらい読めても良いと思うんだけど、良くわからないシステムだな。


 御者席から離れて荷台の方に向かって行く。

 荷台は何やら格子状になっていて、その上から布っぽいものを被せられているようだ。って事は何だ? 家畜とかでも運んでたのか? それにしては持ち主らしき人物は儲かっていそうな恰好だったが… まぁ見てみるか、中からは物音もしないし家畜じゃない可能性の方が高いしな、まぁすでに死んでいるなんて事も考えられるが…


 馬車の最後尾に回り、かけられていた布をめくってみる…


「え!? 生きてる? あ、枷がつけられている… もしかして奴隷ってやつか? ちょっと大丈夫か?」


 こちらを見るだけで返事はない。すごい大柄な男性1人と、やたらと小柄な女性が2人中にいるんだけど… まぁなんというか、3人共まさに骨だけと言わんばかりに痩せている。

 手枷だけじゃなく首輪までついている… なんとも痛ましく見えてしまう。しかし! 持ち主はもう死んでいるのでこれで開放されたりするのかな?


「この馬車の持ち主は狼に襲われてもう死んでいるんだ、死体があるから早くここを離れた方が良い。その手枷の鍵はどこにあるか分かる?」

「……… 奴隷商人が持っていたはずじゃ。確か腰に鍵束を下げていた」

「ぐっ、やっぱりあの死体をまさぐらないといけないのか。他の2人も怪我はない?」

「…………」


 返事は無いが、ゆっくりと頷いた。

 仕方ない、嫌だけどやるか! もうどうせだから箱の鍵も欲しいから鍵束があるんならまとめて持ってこよう!



 気配を察する能力は無いけれど、一応周囲の様子を窺ってみる。うん、さっぱりわからないね。だけど動いている物影は見当たらないし大丈夫だろう。できるならさっさと済ませてここを離れたい、急いで鍵を探さないとな。


 とりあえず豪華な服を着ていた人物… 服の腹の部分が裂かれていて内臓が… ウプッ! ダメだ、息を止めろ! じゃないと絶対に吐いてしまう!


 しかし聞いていた通りベルトの部分に金具がついていて、そこに鍵束がぶら下がっていた。

 この金具ってどう外すんだ? 見たことの無いタイプの金具なので外し方がようわからん… ちくしょう長居したくないっていうのに! 仕方がない、ベルトごと外すしかないな。


 部分的に血がべっとりついていて気持ち悪いけど、お手拭きを取り出して綺麗にする。そしてベルトごと持ってまた荷台へと向かう。


「鍵を持って来た、さぁこっちに来てくれ」

「ダメじゃ。奴隷商人は死んだらしいがまだ命令が解除されていない、動くなと命令されているので動けないのじゃ」

「マジかっ!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ