65 90階層のボス
誤字報告いつもありがとうございます。
でもまぁそう聞くと納得できるよな。だってさ、ぶっちゃけ好きなハンバーガーだけを複数食べれば良いじゃない? 俺を例にとればテリヤキバーガーを3個とかね。グレイはどれも美味しそうに食べていたけど、どちらかというと味が濃くて食べ応えのある物が好みだったように思える。俺が出せる中で一番素朴な普通のハンバーガーを食べる理由にはなっていなかったんだよな… しかしそうか、複数種を食べたら効果は重複か… これはまたぶっちゃけえらい事だな! さすがに決戦前に満腹にするのは問題だけど、食べられる範囲でしっかりと自分を強化できるって事だもんな。
ふむ… そう考えると普通のハンバーガーとチーズバーガーならなんとなく量が少ないと感じるから、この辺をうまく組み合わせれば一度の食事を2~3個で賄えている俺でも個数を増やせるかもしれない… 好きなハンバーガーだけを食べたい欲求はあるけれど、ちょっとそういった事も念頭に入れてメニューを組み立ててみるか。
出会った頃と比べ、今がまさに食べ盛りというアイシャもどんどんと量は増えてきている。それだけ自身のステータスを底上げできる用意も出来ているんだな… 良い事じゃないか! クローディアもオニオンリングに枝豆コーンとか、今考えれば露骨なまでに魔力強化仕様になっていたんだな。
「よし! じゃあ新たな可能性が見つかったという事で、もっともっといろいろ考えて行こうか。例えば多種類のハンバーガーを一度に食べられるように半分にしてみるとかね!」
「おお! 確かにそれが上手くいくのであれば小食の私でも現状全種類食べられるかもしれんの!」
「半分ずつたくさんの種類を食べるって事? それならボクも全種類食べられるかも!」
「それは良いかもしれないな。俺は今の数であれば余裕だが、今後もっと種類が増えるだろうからそう言った検証が進むと食べやすいかもしれん」
そう、もしもその考えが正しければ… シェイクとソフトクリームサンデーだって現状2種類があるわけだし、これの重複も可能という事になるな。だがまぁアイス系のものはお腹を冷やしやすいから心配だけど、半分ずつに出来るのであれば多分イケるだろう。
「でも半分食べたら残りの半分は? 捨てるのはもったいないよ!」
「心配するなアイシャ、そこはシェアすればいいだけの事だ。1つのハンバーガーを半分にしてクローディアと2人で食べればいいんだよ」
「でもソフトクリームサンデーは? あれは上の方が美味しいと思うけど…」
「ああ! そういえばそうかもしれないな。まぁそれも今後考えて行こう」
そんな感じで昼休憩を終え、転移陣を求めて90階層を目指して行動を再開するのだった。
そして2週間後、俺達はとうとう90階層ボス部屋に到達していた。
「ようやく着いたの… 予定よりも4日ほどオーバーしているが、今回の主は太陽が見たいと騒がなかったの」
「まぁそれはなんて言うか… ねぇ? モチベーションが以前とは違ってるからな」
「まぁそれは良く分かる、私もそうじゃからな。しかしまさか半分食べただけで本当にバフがかかってしまうとはの… 主のスキルは規格外もいいところじゃな」
「はははっ! まぁ上手くいったのなら結果オーライで良いじゃないか、終わり良ければ全て良しなんだよ!」
つまりそういう事だ。
結果だけを言うと、半分だけ食べてもしっかりとバフがかかっている事が判明したのだ。これによって今まで2~3個しか食べられなかったクローディアが5種類のハンバーガーを食べられるようになり、当然バフの効果も5種類分重複しちゃったと言う事だ。ただでさえ強かったクローディアが、更に凄味が増したという感じになってしまったのだ。
アイシャも体が小さい割には良く食べていたけど、それでも全種類を食べられていたわけじゃないからね… こちらも含めて俺達のパーティは一気に戦力アップが実現したというわけだ。
後はアレね… アイシャが気にしていたソフトクリームサンデーの件、あれは毎回俺が収納する事で決着がついたのだ。ハンバーガーならスパっと半分に切れるけど、さすがにソフトクリームサンデーを2人でシェアするのは難しいので一度食べたら収納し、残りは次回にって事になったのさ。
「そろそろいいか? ボス部屋に入るぞ」
「うむ。いつもの通りまずはボスがどのような魔物かを確認じゃの。物理で通りそうなのであればグレイが先陣で特攻してアイシャはそのサポート、私は援護射撃をする」
「良いだろう。取り巻きがいた場合はアイシャがそれらの排除に動き、クローディアもそっちを頼む」
うんうん、なんだか作戦会議もそれらしくなってきているね。俺は当然戦力に数えられてはいない… ダークバリアステッキを片手に自分の身を守るようにと言われてるよ。トホホ…
ちょっとというかかなり悔しいけど、俺は支援が専門だと自分に言い聞かせ、皆の邪魔にならないよう努めなきゃだよな! なんなら戦闘開始後すぐにバリアで自分の周囲を囲い、守りに徹した方が皆も戦いやすいんじゃないかと思っている。
「では扉を開けるぞ」
グレイがそう声をかけ、ゴリゴリと何かを削るような音を響かせながら扉が開かれていく。そして全員で部屋の中を覗き見る…
「む? アレはまさか…」
「ぐぬ… まさかジャイアントスライムか。クソッ、アレが相手では俺の出番はないじゃないか!」
そう、ボス部屋の中央に鎮座していたのはなんとスライムだったのだ!
スライムと聞けば雑魚モンスターの代表的なイメージがあるが、ボス部屋にいるスライムは驚くほどの質量を誇っていたのだ。
量的な説明は難しいがあのスライムをどこかに納めようとするならば、小学校にあるような小さめのプールでは溢れ出るんじゃないかってくらいの質量なのだ。
「クローディア、アレはどう対処するんだ?」
「ううむ、あれほど巨大なスライムは見るのは初めてなのじゃ… どうすれば効果的かのぅ」
「小さいスライムと同じで中心部にある核を破壊すればスライムは死ぬのだが、あれほど巨大であれば俺の剣では届かない。もし核に届いたとしても破壊する前に溶かされてしまうだろう」
ふむ… どうやら思っていたよりもかなり面倒みたいだな。




