50 休養日
誤字報告いつもありがとうございます。
受付嬢に案内されてギルドの倉庫にやってきた。
さて、後の問題はミスリルのインゴッドが何個売れるかだな。前回の売り値は1個1000万ゴールドだったが、まぁ値崩れを起こす程の数では無いと思っている。
仲間の3人を奴隷の首輪から解放するために必要なのは1人頭5000万ゴールド以上… 現状だとミスリルのインゴッドが5個売れれば1人分の最低ラインに届く、つまり15個以上売れれば一気に3人を解放できるのではないかと。
この3人なら奴隷じゃなくなっても俺と一緒にいてくれると思っている。だけどもしも他にやる事… まぁ奴隷落ちになった原因に復讐したくなったと言われれば、俺だって頑張って成し遂げて来いくらいは言いたいと思っている。
「ところでヒビキさん、ミスリルは何個ほど集められたのですか?」
「一応ギルド分として25個用意してある。まぁ高額だから全部買い取れとは言わないけどどれくらい行けそう?」
「25個!? さすがにそれはギルドの金庫を空にしても足りませんね… すいません、ちょっとギルマスに相談してきても?」
「構わないよ」
受付嬢がそう言うと、俺達を倉庫に置いて出ていった。
「あの様子じゃとせいぜい5~6個といった感じかの?」
「そうかもしれないな。できるならここで一気に皆の首輪の解除代を稼いでおきたかったのだけどね」
「む? 別にそれは急がなくても良いんじゃぞ? 主であれば今のままでもひどい事はされないと分かっておるからの」
「そうは言うけどね… 俺は皆が奴隷だからと侮られるのが嫌だと思っているんだよ。3人ともすごいから特にね」
「フハハ、しかし偶然だったとはいえオーガに狐人族、エルフを奴隷として従えている状況は他の人間族から見ればさぞかし羨ましく見えているだろう。それをあっさりと手放すような行動をとるとは… まぁそこはさすがはご主人だと言わざるを得んな」
「ボクは奴隷じゃなくなってもご主人様と一緒にいるよ?」
「私もじゃな。主と一緒にいればどんどん自身の修行も出来るし見たことも無い魔法を見られるのじゃ、それに食事も美味しいしの!」
「その通りだ。俺ももうご主人の飯じゃないと満足できなくなってしまっている、これはご主人が寿命を迎えるまで責任を取って食わせてくれないといけないな」
おいおい皆して… お涙頂戴的な状況に弱いんだから外ではやめてくれよな! いい加減にしないと泣くぞ!
「おいおい、何個持ってきたって? さすがに無理だぞ?」
「今回買い取れる最大数を教えてくれればいいよ。残りは次回にするから」
「うーむ… ちょっと待ってくれ」
突然現れるギルドマスター… さすがに全部買い取ってくれるとは思ってないから焦るなよ、まぁちょっとは期待してたけどさ。
しかしまぁ今回買い取れる数と、次回はいつ頃納品すればいいのかだけ確認ができれば俺達の行動も予定が立てやすいってもんだ。
「うーん、では今回は8個買い取らせてもらおうか。前回のと合わせてちょうど10本になるからナイトグリーン支部に売り払うのにちょうどいいな」
「ナイトグリーン支部って確か、片道で1ヶ月とかかかるって場所だよな?」
「そうだ。前回ミスリルを持ち込んでからすぐに手紙を出したが、まだ届いてはいないだろうよ」
「なるほど、じゃあそれらの連絡が来るのは2ヶ月後って事だな? その時に次の納品をすればいいって事か」
「そうだな、2ヶ月に1回のペースでやってくれればありがたい。まぁ突如必要になった場合はこちらから言うつもりだ。そしてそうだな… 一度の上限は10個だと考えておいてくれ」
「一度に納品できる上限が10個だな? なるべく揃えておくよ。じゃあ俺達はこれで」
「数日休むのか?」
「いや、明日にはまた入る予定だよ。80階以降も気になるからね」
そんな訳で報告と買取り終わり! しめて金貨800枚をゲットだぜ!
これまでの稼ぎと合わせたらギリギリ金貨1500枚に届くかどうかというところだが、さすがに正確な金額が分かっていないからこれで足りるのかどうかは何とも言えない。3人が気にしないと言ってくれているからもう少し蓄えてから動くべきだろう。
「よし、じゃあ宿を取って今日は休養とする。俺はちょっと自分の身体能力を把握するために街の外で走ってこようかと思っているんだけど… 誰かついてくる?」
「私は魔法の鍛錬をする予定じゃ!」
「俺は剣をだな…」
やっぱり予想通りだった! クローディアに関しては最初から期待はしていなかったけど、グレイまで目を逸らしながら剣の稽古と… そしてアイシャは…?
「ボクが行く! 護衛も必要だと思うし走るの好きだから!」
「そ、そうか? じゃあ一緒に行こうか」
ふぃ~、期待はしていたけどやっぱりアイシャは走りたいんだね! よかったよかった。まぁ狐はイヌ科に属するからね、お散歩的な行動には反応してくれると思ってたんだよ。
早速いつも使っている宿に向かい、1日分の宿泊代を支払って部屋を取る。昼飯時には戻ってくる予定なので置き弁は無し! なんて言ったらグレイがショックを受けていたので、まぁおやつ程度のナゲットだけ置いて行こうか。
ああそうだ、コカトリスの肉を食べるとか言ってたし、戻ってくる時に何か調味料を買ってこないとな。最低でも塩は必要だし、胡椒は… あればいいけど高そうなんだよね。まぁこれは値段次第だな!
「よし、じゃあアイシャ、出かけてこようか」
「はいっ!」
「留守は頼むな2人共」
「任せておくのじゃ。私はこの部屋から動かんからな」
「俺も宿の庭まで行く程度だ、任せてもらおう」
そんな感じで一度街から外に出る。さすがに街中で全力疾走なんてやらないさ!
「ご主人様と2人でお出かけなんて、もしかして初めてかも!」
「ん? ああそう言われてみればそうかもしれないな。ダンジョン内ではグレイやクローディアと2人で狩る事はあったけど、アイシャはこの2人に追いつくためにソロ狩りだったもんな」
「そうなの! 1人での狩りも楽しいけれど、こういうのもなんか良いなって!」
ピョンピョン跳ねながら俺の後についてくるアイシャ… これはやっぱりアレだな、お散歩が待ちきれずにソワソワしちゃうワンコのようだぜ。




