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48 本格的レベリング開始! その2

誤字報告いつもありがとうございます。

「む、戻ってきたか」

「待たせたかな?」

「いや、俺も数分前に到着したばかりだ。俺の腹時計もなかなか正確だったようだな」

「それでグレイよ、レベルはどこまで上がったのじゃ?」

「うむ、レベル56まで上がったぞ」

「ほぅ、やはりソロだと効率が良いのぅ… 私と並んだか」

「狩り尽くしてリポップ待ちをする時間が惜しかったからな、少しだけ82階層を見てきたのだがそっちもコカトリスのみだったぞ」

「ほほぅなるほど。そうなると少し隊列を変えた方が良いかもしれんな」


 ん? 隊列を変えるってどういう事だ?


「アイシャよ、お前はコカトリスをソロで狩れる自信はあるか?」

「んー多分できると思う」

「そうであるなら私と主でミスリルゴーレムを周回し、グレイは82階層で狩らせてアイシャを81階層にてソロ狩りをさせた方が良いかもしれんの。そうすればグレイとアイシャのレベルは一気に上がっていくじゃろうし、私と主のレベルも2人じゃから上がりやすくなる。三手に分かれればドロップだって増えるはずじゃ」

「なるほど、そうすればコカトリスの肉もギルドに売るだけ拾えるかもしれんな」


 おおお、なんだかパーティプレイとは何ぞやと言いたくなる編成だが、効率だけを考えればその方が良いんだろう。だけど…


「まぁそれをやる前にアイシャが安全に狩れるかどうかの確認が先だな。レベルが大幅に上がっているから体の動かし方も変化があるだろうし、慣れさせないと危ないと思うんだが」

「そうじゃの、主の言う通りじゃ。では午後からはグレイは予定通り… いや、82階層に行ってもらい81階層でアイシャの戦闘を見てみる事にするかの」

「アイシャは大丈夫なのか?」

「ボクやるよ! いっぱい強くなってご主人様を守るの!」

「お、おう」


 意外にもやる気を見せているアイシャ、だけどあれだけでかいコカトリスを倒すだけの攻撃力を出せるのか?


「だからグレイ用のスペアの金棒を貸してほしいの、それで殴る!」


 Oh… 撲殺を選ぶんですかそうですか。まぁ金棒は4本買ってあるから大丈夫だけどね。


 身長推定130センチ前後といったアイシャが、全長1メートル程度ある金棒を持って構える。なんともアンバランスであり細腕で持つにはとっても重そうなんだけど…


「ちょっと重いけど身体強化すれば平気かな?」


 グレイと違って両手持ち… とはいえ、風切り音が聞こえてきそうなほどの勢いで振り回すアイシャ、なんてパワーだ恐ろしい子! いやでも身体強化すれば俺もイケるか?


 81階層のコカトリスがアイシャの獲物となったため、グレイは82階層を目指して走り去る。一応クローディアがついているから平気だと思うけど、グレイも戦闘に関しては容赦ないからな。アイシャを訓練していた時も結構なスパルタだったしね。


「ではアイシャよ、策敵を始めてくれ。見つけたら合図を頼むのじゃ」

「分かった!」


 小柄なアイシャが金棒を担ぎ、スルスルっと前に出て周囲の様子を窺う。このフロアは結構広いからな… マッピングして道のりが分かっている状態ですら82階層の階段まで走っても30分以上かかるくらいだ、迷路状になっているのでその広さは相当だろう。

 まぁ階段に直行する場合だって30分以上走る訳だから、陸上に当てはめて考えてみても軽く1万メートル以上はある。確か日本記録で27分とかそんな感じだったはずだし、今の俺達は陸上選手よりも遥かに速く、そして体力もあるからもっと距離があるはずだ。真面目に全ての範囲をマッピングしようとすれば、1日は軽く潰れてしまうからな。


 お、アイシャが手を上げながらこっちに向かって走ってくるぞ! どうやらコカトリスを1頭釣ってきたようだね。


「よし! アイシャよ、戦闘開始じゃ!」

「分かった!」


 こっちに向かってきていた姿勢から急制御し、引き連れてきたコカトリスに向かい合う形になる。持ち前の速度を活かしてコカトリスに向かって猛ダッシュ! 嘴の攻撃を軽く躱して頑丈そうなコカトリスの足に金棒を一振り…


 ガキーン!


 金属同士がぶつかり合ったような音が響き渡り、その反動でコカトリスから距離を取り再び対峙の姿勢。

 お? コカトリスがなんか痛そうにしているぞ? ぶん殴られた足を浮かしたり振ったりしてすげぇ痛そうにしている… あー、あの攻撃も効いているんだな。


 どうにも足に力が入らないそぶりを見せるコカトリス、そしてその頭が下がった瞬間…


 グシャァ!


 一瞬で近づいて飛び込みながらの上段から振り下ろしがすごい音を出して決まった! あ、どうやら致命傷になったようだ、パタリと倒れてダンジョンに吸収されていく…


「やったよ! 勝った~!」

「うむ、よくやったのじゃ。今の動きを見る限り2頭までなら平気そうじゃの、じゃがなるべく1対1で戦うようにすれば安全じゃろ。後は任せていいな?」

「うん! このくらいの魔物だったら大丈夫!」

「よし、では主よ、私達は80階層に戻ろうかの。後はグレイやアイシャの上がり具合を確かめながらローテーションすれば私達3人のレベルも平均化するじゃろう、交代で主のレベル上げじゃな」

「分かったよ、3人のレベルが上がれば俺も安心だしな」


 そんな訳で、たった1戦でクローディアから合格を勝ち取ったアイシャも81階層に消えていき、俺とクローディアも80階層に降りていく。


 こうしてミスリル集めと鶏肉集め、ついでにレベルアップみたいな日々が始まるのだった。









 SIDE:冒険者ギルドリャンシャン支部、ギルドマスター


「よし、ではこの手紙をナイトグリーン支部に届けてきてくれ。往復2か月前後の長旅だ、準備を怠らないようにな」

「……………了解」

「なんだその間は、嫌なのか?」

「嫌に決まっているじゃないですか! あそこのギルド職員は『最前線で働いてます!』オーラがすごいんですよ? 他所のギルド職員に対する態度が悪くて有名じゃないですか」

「ああそんな事か、大丈夫だ。返事を必要としない手紙だからな、サクっと渡して帰って来ればいいんだよ」

「そんな簡単に言っちゃって… まぁ仕事ですから? 行きますけども!」

「ブチブチ言ってないでさっさと行ってこい! 向こうだって待ち焦がれているはずだからな」

「ええ… それって絶対向こうで拘束されるやつですよね? 本当にさっさと渡して帰ってきますからね?」

「おう、気を付けて行ってこい」


 よしよし、レベル25のシーフの職を持つギルド職員だ、そこらの奴に頼むより早く向こうに到着するはずだ。

 ああ、これで肩の荷が下りた感じだな! 向こうもガタガタ言ってくると思うが、ミスリルが採れるとなれば無理強いする事はできないだろう。なんせ最前線にいる冒険者達の装備を底上げできるんだからな! 基本ミスリルは希少過ぎてそうそう手に入る事は無い、手に入ったとしてもダンジョンのドロップやなんかですでに完成されている装備がほとんどだからな。

 だからミスリルのインゴット… つまりミスリル製の装備を自分達の好みで誂える事ができるというのは非常に大きい事なのだ。


「よーし!、今日は久々飲み屋にでもくり出すか!」

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