27 再びダンジョンへ
誤字報告いつもありがとうございます。
ダンジョンから戻ってきて2日経った。昨日は予定通りに頑丈そうで大きめの鞄を2個買い、次からはその鞄に魔石やら素材やらを詰め込むつもりだ。
昨日はその買い物だけしか外に出なかったが、元気すぎるグレイとアイシャがずっとそわそわしていてちょっとうざかったな…
そして今日、朝食を食べたらダンジョンに向かう予定なのだが…
「ご主人よ、もうとっくに夜が明けているぞ。早く朝飯を済ませてダンジョンに行こうではないか」
「うん! うん!」
ムキムキと筋肉を漲らせているグレイとピョンピョン跳ねているアイシャ… 一見大人しそうにしているけどピンクマジカルステッキを手元でクルクル回しているクローディアの姿があった。もうどんだけダンジョンが好きなんだよ!
「分かってるって、だから大人しく朝飯にしようよ」
「うむ! 俺は全種類とナゲットを2個頼む!」
今日も皆は元気です。
朝食を終えて宿をチェックアウトする。まぁチェックアウトと言っても鍵を返して出るだけなんだけどね! そして一路ダンジョンへ。
夜明けから少し経っているせいか、宿からダンジョンまでの道のりは割かし賑わっている。特に屋台などがいっぱい出ているんだよね… まぁ時間的にダンジョンに向かう冒険者達を目当てに商売しているんだろうけど元気な事で結構だ。
こうして落ち着いて異世界を眺めてみると、日本にいた時のような光景は全然見られない。特に出勤時の虚ろになった目でスマホを見ている人とか、目の下に隈を作るほど寝不足のサラリーマンみたいな人とか… みんな暗くなったら眠り明るくなったら起きて働く、こんな習慣ができているからブラックな残業なんて無いのだろう。まぁ稼ぎがどうかまでは知らんけど。
「今回は50階層を目指すってことで良いのか?」
「ちょっと違うの、50階層以降を目指すのじゃ!」
「マジですか… まぁ無茶はしない方向で頼むよ」
「任せておくのじゃ! 主のバフ、その効果時間をしっかり管理すれば多少の格上なんぞに遅れは取らん!」
クローディアも目に見えてウキウキしているのが分かる… というのもクローディアが言い出してきたバフの重複効果は想定通りで、同じ種類を2個食べれば効果時間が加算され、違う種類を食べ合わせるとバフ効果が重複してしまったのだ。
とはいえ、3%アップの重複だから2種類で6%アップと正確に分かった事ではない。なんせステータスがデジタルで見えているわけじゃないからな。さすがにAがA+に変わるほど増えたりはしていないってことくらいしかね。
結論として、現状3種類あるハンバーガーと2種類あるシェイク、全ステがハンバーガーで9%上がりシェイクで1.8%… 全部で10.8%上がっている事になる。そこからチキンナゲットで力が10%上がり枝豆コーンサラダで魔力が10%上がっている事になるが、グレイとアイシャは枝豆コーンサラダを食べないのでクローディアと俺がこの状態になる。
元々力が圧倒的に強いグレイ… バフの効果で力が2割増しになっているという事、この恩恵は非常に大きいとクローディアは言う。
魔法を使うクローディアだって魔力に関しては2割増しになっているので、ガンガンとマジカルビームを撃っても魔力枯渇の心配が無いと喜んでいたからなぁ… やっぱりステータスの数値に対しての割合で補正がかかるバフ、元の数値が大きい人ほどその恩恵は大きくなるよね。つまり元の数値が低い俺はというと… まぁ多少は体感できている程度なんだよね。
ダンジョンに到着後、すぐに転移陣の部屋に行き前回通った40階層へと移動をする。しかしこれ便利だね! いちいち1階層からやり直しとか言われたら、深部探索する人なんていなくなるもんな。
「じゃあ全体の指揮はクローディアに任せる、危険をなるべく避けるように頼むよ」
「承知じゃ、とはいえやる事は前回とさほど変わらんがのぅ。グレイが前に出てアイシャが遊撃、私が後衛から魔法を撃ちつつ主の護衛。
しかしまぁ今回は先に進む事を優先するからグレイの出番は減るかもしれんの」
「なに? 別に減りはせんだろう」
「いいや、私が後衛からマジカルビームを撃つからの… さっきも言ったが先に進む事を優先するんじゃ、グレイも聞きわけるのじゃ」
「むぅ…」
「主の言う通り危険がなくてそれでいて効率の良い狩場が見つかるまでじゃ、アイシャよ… 索敵は任せる」
「わかったよ!」
うんうん、やはりこういった軍師的な事はクローディアが一番様になっているよね。まぁグレイが強いのは間違いないけど、まぁ敵を見つけた端から戦おうとするから寄り道も多いのだ。
そんな訳で初日の今日、アイシャの活躍で罠を回避しつつ42階層まで進んで野営となった。
ああ、ダンジョン内に存在する罠というのは面白いもので、壁や床に起動スイッチとなるマスがあり、それに触れたり踏んだりすると床が抜けて落とし穴が現れるのだ。
まぁ落とし穴と言っても子供が頑張って掘ったような物じゃなく、穴の底には50センチほどのトゲトゲが突き出していてかなりの確率で即死級の物だった… マジで怖いよね。
そんな罠をアイシャが動き回って見つけてくれるから安心して通る事ができたんだが、一度だけ罠とはどんなものかという講座をクローディアがやってくれ、わざと罠を発動させて確認したんだよ。その様子はまさに探検映画そのもので、床や壁にある起動スイッチに触れると『ガコン』とか音がして押ささり、突然足元の床が開く。
あんなの起動スイッチに触れたと気づいた時にはすでに手遅れ状態なのが怖いところだ… まぁ床が開くスペースがそれほど大きくなかったのだけは救いだと思ったけどね、パーティならさすがに全員落ちるという事は無さそうだったよ。
「よし、じゃあ晩飯を食ってしっかりと休息しよう」
バリアで安全地帯を作りだし、本日の探索は終了とした。
「さて主よ、これは提案なんじゃが水のステッキをアイシャに持たせてはどうじゃろうか」
「ん? まぁ現状使っていないからそれは構わないけどどうしてだ?」
「いやなに、罠の起動スイッチを水のステッキで遠隔操作できそうじゃと判断したからじゃ。アイシャの身体能力であれば、ここまでの罠じゃと起動スイッチを押してからでも回避は可能じゃったが今後はどうなるかは分からんからの」
「なるほど… 水流の圧力で起動スイッチを押してしまおうという事だね?」
「そうじゃ。罠が起動して大穴が空いたとしても、バリアステッキがあればいくらでも穴を塞ぐ事が出来るじゃろう。何とも楽なダンジョン探索じゃが、安全をと主が言うのであればそれくらいせんとな」
「おおお… 確かにバリアで穴を塞ぐ事は出来るね!」




