206 カンチャンダンジョンクリア!
誤字報告いつもありがとうございます。
いつものように恙なく、流れるようにダンジョンアタックは終了した。闇ギルドの暗殺者と対決した日から6日目に。
ずいぶん早かったなって? うんまぁね、それもそのはず… カンチャンダンジョンは残念なことにDランクダンジョンだったからなんだ! 50階層で終わってしまったんだよね。
当然のようにアイテム袋が落ちているはずの階層は無く、非常に残念な結果に終わったわけだ。
「まぁ仕方ないの、すべてが高ランクダンジョンというわけではないのじゃから」
「まぁそうなんだけどね… 残念だけど仕切り直しだね」
世界各地にダンジョンがあるといわれているけど、すぐ行こうって場所ではない。新たなダンジョンの情報を収集するところから始めないといけないんだよな… まぁギルドに聞けば教えてくれるかもしれないが、ナイトグリーン王国にあるダンジョンは注意が必要なんだとか。
「まぁ厄介なダンジョンはナイトグリーン王国だけではないがな。俺がいたオーガの里にあるダンジョンは余所者は入れないよう見張りが立っている」
「あらら、独占状態ってこと?」
「うむ。とはいえ以前にも説明した通りわれらオーガはつるむことをしない、なので最高到達階層もたかが知れているんだが」
そういえばそんな話は聞いたかもしれないね… まぁほとんどのオーガは近接戦闘ばかりらしいので、パーティを組むメリットは少ないのかもしれないが。どうせ近接で叩くのなら、ソロで回って報酬を独り占めにした方がお得だと思っているとかなんとか。
「ま、その辺の事は後回しにしてまずはダンジョンを出ようか」
「そうじゃの。しかし今後はどうするのじゃ? いったん拠点に戻るのかの?」
「それも有りだな。魔境の探索もしておいた方が良いし、魔境素材を流通させないとカヤキス商会の売り上げも上がらないだろうしね」
「そうじゃの。ガラハド達魔術師団では狩れる場所も知れておるし、流通経路の工事も考えんとのぅ」
そうなのだ、ダンジョン以外でもやることは結構あったりするんだよ。
やはり一番重要だと思われるのは、魔境中心部に向けたインフラ工事だろう。魔境と呼ばれるだけあって非常に深い森だから、不慣れな者がうっかり入れば迷うこと間違いないだろう。だからある程度直線的な道を造っておかなければいけない…
なんといってもその素材を運ぶのは俺達じゃなくて魔術師団員だからな、なるべく安全には気を使いたいところだ。
ちなみにカンチャンダンジョンのクリア報酬というべきアレ… なんと銀製のナイフだった! それの価値はともかく、グレイ曰く武器としての性能は残念レベルだと… 観賞用ですかね? まぁよし。
そんなこんなでダンジョンを脱出し、一応報告へとギルドへと向かう。Dランクだったという報告をしなくちゃいけないからね。
いつものようにそういった報告はクローディアに任せて入り口ロビーにて待機、昼間ということもあってか閑散としているね… ま、見張りだったと思われる闇ギルドの暗殺者がいなくなったというのもあるのだろう。
「ん? なんか見覚えのある筋肉がいるね」
「うむ、アレはリャンシャンのギルマスだな。なぜここにいるかはわからんが、おそらくご主人に用があるのだと思うぞ」
「マジか! なんか面倒事じゃないだろうね? ここは気づかれないよう隠れた方がいいか?」
「む、どうやら俺達に気づいたようだ、手遅れだったみたいだな」
「うぐぐ…」
「おうヒビキ、久しぶりだな。カンチャン到着してすぐに会えるとは運がいいぜ」
「リャンシャンのギルドマスターがどうしてここに? そうやすやすと来れるような距離じゃないでしょう」
「ま、そこは気にするな。これは業務でもあるからな、お前たちとつなぎを取ることは」
業務… ですか。やっぱり何か企んでいるのかな? でもこのギルドマスター、話は分かる人だと思うけど売り上げ重視みたいなところが見られるからな… わざわざ俺達に会いに来たってくらいだからきっとお金の絡みもあるんだろうな。
「しかしこんな時間にギルドにいるとは… 今日は休息日か?」
「いや、ここのダンジョンを踏破したから戻ってきただけだよ」
「そうかそうか、ここのダンジョンを踏破したからか… は? 踏破だと?」
「うん、つい先ほどダンジョンボスを討伐して戻ってきたところだ」
「いやいやいや! おかしいだろ! だってこの町に着いてからそれほど時間も経っていないだろう? ギルドの連絡網にて聞いているんだぞ」
「まぁ今クローディアが報告中だけど、ここのダンジョンはDランクだったようだね、50階層で終わりだったんだよ」
「なんと! ギルドの予想では最低でもCランクという評価が出ていたはずなんだが、Dランクだったとは」
ギルドの評価なんてものがあるのか… でも全然合ってなかったけどね!
「主よ、一応報告はしたのじゃが… ここのギルマスが会って話がしたいと言っておるのじゃ。む? お主はリャンシャンのギルマスか? なぜここにおるのじゃ」
リャンシャンのギルドマスターと話し込んでいたら、クローディアが戻ってきていた。そしてリャンシャンのギルドマスターを一瞥すると呆れたような顔を… まぁわかる、地方支部とはいえギルドマスター本人が他支部のギルドにいるんだからな。
「そこはこれから話すところだったんだ。だがちょっとここのギルマスとも会ってやってほしい、あいつも直接お前達を見てみたいと思っているはずだ」
「見世物じゃないんだけどなぁ… でもまぁいいか、Dランクダンジョンじゃ今後来ることもなさそうだしね」
「そうじゃの。ついでじゃから他のダンジョンについての情報も得るべきじゃろう、それを条件に付けておくのじゃ」
「それはいいね、じゃあそうしようか」
なんだかよくわからんがカンチャンギルドのマスターと話をすることになり、そして当然のように俺達の後をついてくるリャンシャンのギルドマスター… 話の感じから言って知り合いなんだろうな、そしてどんな話を聞かされるのやら。
SIDE:闇ギルドの生き残り
「ハァッ、ハァッ! どうやらついては来ていないようだな、やっぱり大した連中じゃなかったってことじゃねーか。だがまぁいい、これは戦術的撤退だからな… 逃げ遅れた連中はただ鈍くさかっただけだ、やはり俺達の真骨頂は闇討ちだからな」
カンチャンの町を遠く離れ、ようやく一息を入れる。
「しかしどうするか… いくら戦術的撤退とはいえ3人も殺されたってギルマスに報告しに戻れば俺までとばっちりを食いそうだな、ここはほとぼりが冷めるまで身を隠した方が良いか?」
よしそうしよう、金なら多少は持っているし、足りなくなればそこらの人間を狩れば問題ないだろう。ナイトグリーン王国にでも行って身を隠すか。
感想返しが出来なくて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ
 




